人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を"深い知識と深い愛"をもってお届けする本連載。今回は、ホラー系作品『サブスタンス』の喜ばしい話題からゴジラ&コング大暴れの「モンスターバース」新作の方向性、さらには「ジュラシック・ワールド」まで、新情報大量です。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
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血しぶきブシャ!『サブスタンス』アカデミー作品賞候補に!

画像: 第77回カンヌ国際映画祭レッドカーペットに登場した、『サブスタンス』のデミ・ムーア Photo by Gareth Cattermole/Getty Images

第77回カンヌ国際映画祭レッドカーペットに登場した、『サブスタンス』のデミ・ムーア
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アカデミー賞のノミネートが発表されました。ビックリしたのはデミ・ムーア出演の『サブスタンス』が作品賞候補ということ。一足先に試写で観たのですが、これは相当ショッキングなホラー。楳図かずおさんの漫画をデヴィッド・クローネンバーグが映画にしたらこうなったぐらいのインパクト。要はグロい&血しぶきですが、“若く美しい方がよい”的ルッキズムへの痛烈な風刺であり、主演のデミ・ムーアが比喩ではなく、本当に体を張った演技をしています。このテーマ性や演技が高く評価されたのでしょう。

今までホラー系映画で作品賞をとったのは『羊たちの沈黙』『シェイプ・オブ・ウォーター(半魚人映画だし)』『パラサイト 半地下の家族(僕にとって本作はホラー)』ぐらいかな。視覚効果賞では『エイリアン:ロムルス』がノミネート。

そのエイリアン、今年は配信で帰ってきます!夏にディズニープラスで配信予定の「エイリアン:アース」。アースとついているように地球にあのエイリアンがやってくる話らしい。そして映画ではなくドラマ。設定ではあの『エイリアン』1作目の2年前の話ということ!時系列的には2120年(「エイリアン:アース」)、2122年(『エイリアン』)、2142年(『エイリアン:ロムルス』)、2179年(『エイリアン2』)となります。今年は劇場の方で冬にプレデターの新作映画『プレデター:バッドランズ(原題)』が公開予定。面白いのはこの1つ前のプレデター映画は『プレデター:ザ・プレイ』で2022年に単発映画として配信されました。つまりプレデターは配信映画からの劇場映画、逆にエイリアンは劇場映画からの配信ドラマというわけですね。

27年の「モンスターバース」新作は“人間”ドラマにも注力?

モンスターついでに言うと『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の続編について新しい情報が入ってきました。『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』等で知られる若手女優のケイトリン・デヴァーが出演交渉中とのことです。彼女はもうすぐリリースされる「THE LAST OF US」のシーズン2で重要な役を演じるそうです。今度の新作は人間ドラマ部分にも力を入れるとのこと。『ゴジラ-1.0』 に刺激されたかな。『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の事実上の主役はコングだったので、この先モンスターバース・シリーズはゴジラも当然出ますが、どちらかというとコングを中心に語られていくのかもしれません。2027年3月26日全米公開予定です。日本では配信でリリースされたヒラリー・スワンク出演のSF映画『アイ・アム・マザー』のグラント・スピュートリが監督。僕はこの作品未見ですが批評家の評価も高いようです。

7月全米公開!「ジュラシック・ワールド」新作

コングやゴジラに劇場で会えるのは少し先ですが、この夏ジュラシック・ワールドの新作がやってきます。7月2日全米公開予定の『ジュラシック・ワールド リバース(原題)』。物語は前作から5年後。生き残った恐竜たちの中の3匹のDNAに、人類を救う薬を作るための鍵があることがわかり、科学者と特殊工作員が恐竜を追うというような話になる模様。そしてこの映画、まず配役がすごい。その工作員を演じるのはスカーレット・ヨハンソン。『ウィキッド ふたりの魔女』のフィエロ王子役のジョナサン・ベイリーが科学者、さらにマーベル・シネマティック・ユニバース/MCUでブレイドを演じるとされているマハーシャラ・アリも出演します。前作の「ジュラシック・ワールド」シリーズの主役はクリス・プラットでしたから、またMCUスターが恐竜と戦います。キャストも期待ですが監督が『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ザ・クリエイター/創造者』のギャレス・エドワーズなのでこれが嬉しい。

最後に巳年にふさわしいモンスター映画の話題。隠れた傑作モンスター映画『アナコンダ』のリメイク版が今年の12月25日全米公開です。ただ本作の出演はポール(アントマン)ラッドとジャック・ブラックでコメディとしてのリメイクとのこと。コミカルでもいいのですが怖いところはしっかり怖い映画になることを望みます。

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