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重岡大毅 プロフィール
1992年8月26日生まれ。兵庫県出身。アイドルグループ・WEST.のメンバー。アイドルだけでなく俳優としても活躍。主な出演作はドラマ「これは経費では落ちません!」(19)、「教場Ⅱ」「#家族募集します」(21)、「雪女と蟹を食う」(22)、「それってパクリじゃないですか?」「単身花日」(23)、映画『殿、利息でござる!』(16)、『溺れるナイフ』(16)、ダブル主演を務めた『禁じられた遊び』(23)、単独主演を務めた『ある閉ざされた雪の山荘で』(24)など。
最後の保のとある言葉にグッときました。その言葉から皎子さんへの思いが伝わるし、西畑夫妻の尊くて愛おしい日々を思い出して心を掴まれてしまいました

─貧しい家に生まれ、ほとんど学校に通えなかったために読み書きができないまま大人になり、65歳を超えてから夜間中学で文学を学ばれた西畑保さんの実話を元にした本作。最初に台本を読まれたときはどんな感想を持ちましたか?
「何かを始めるのに“いまさら”とか“もう遅いかも”と思う必要はないんだなと、台本を読んで感じました。保さんはただ読み書きができるようになりたかったわけじゃなく、皎子さんに手紙を書きたいという強い思いがあった。それって大きな愛だし、僕自身も西畑保という役をとおして“やり遂げたいこと”を本気で見つけたいと思いました。そういう気持ちにさせてもらえる作品に参加できたことは、自分にとってすごく大きな意味があったと感じています」
──うまく文字を書けず苦戦するシーンや、お寿司を握るシーンなどがありましたが、どのような役作りをして挑まれたのでしょうか。
「昔は準備をしっかりするというよりは、現場での瞬発力を大事にしていたんです。なぜかというと、カメラが回ったらすぐ号泣しなければいけないシーンがあったとして、それを成立させるには現場でどこまで気持ちを作れるかとか、出たとこ勝負みたいなところがあったからです。だけど最近は役作りをする術をなんとなく自分の中で見つけることができてきたので、台本をしっかりと読み込んで準備するようになりました。今回に関しては、“どうやったら西畑保という役に血を通わせることができるのか”を第一に考えたのと、寿司職人らしく見えるようにお寿司を握る練習をして役作りをしていきました」
──お寿司を握る練習はどのぐらいされたのでしょうか。
「結構練習しましたけど、難しくてなかなか上達しなかったです。寿司職人を目指して修行をしても一人前になるには何年もかかるってよくいうじゃないですか。だからそう簡単にはいかないですよね。でも撮影ではカメラマンさんが上手に撮ってくださるので、そこに関しての不安はなかったです。ただ、寿司を握る手がぎこちなく見えるのは嫌だったので、とにかく必死で練習しました」
──若き日の保を演じる上で、笑福亭鶴瓶さんを意識して演じた部分はありましたか。
「クランクインしてすぐの頃は鶴瓶さんを意識した部分もありましたけど、そこを気にしすぎると迷路に入ってしまうような感覚になったので、すぐに気持ちを切り替えるようにしました。僕が演じるのは鶴瓶さんではないので、西畑保という役と真摯に向き合って、彼の心情や皎子さんを思う気持ちを掘り下げていけば、自然に気持ちを重ねることができるなと、そう気づいて。でも、最初に鶴瓶さんを意識したことや難しく考えすぎたことは決して無駄ではなくて、その過程の中で保という役を掴んでいけたのはよかったんじゃないかなと思います」
──若かりし頃の皎子を演じた上白石萌音さんとは『溺れるナイフ』以来の共演となりますが、久々にご一緒してみていかがでしたか。
「シーンについて、事前に細かい打ち合わせや確認をしなくても、お互いが考えたものを出し合えば大丈夫という安心感があったし、ナチュラルな雰囲気の中でお芝居ができたので、皎子さんの役が上白石さんでよかったと思いました。それは『溺れるナイフ』で築いた信頼関係があったからで、また一緒にお芝居ができてうれしかったです」
──皎子さんからもらったラブレターを「読めん」と言いながら保が一人で泣くシーンが印象的でした。重岡さんの中で特に印象に残ったシーンを教えていただけますか。
「ご覧になる方のためにも詳しい内容は言えませんが、最後の保のとある言葉にグッときました。その言葉から皎子さんへの思いが伝わるし、西畑夫妻の尊くて愛おしい日々を思い出して心を掴まれてしまいました。“この言葉にはそんなに素敵な意味があるのか”と、心が温かくなるシーンなので楽しみにしていただきたいです」
※全文はSCREEN2025年4月号に掲載
『35年目のラブレター』

読み書きのできない夫が最愛の妻へラブレターで感謝を伝えるために、夜間中学で一から文字を習い奮闘した実話ベースのヒューマンドラマ。結婚35年の月日の中で、夫妻が乗り越えてきた困難やかけがえのない幸せな時間を丁寧に描く。主人公・西畑保を笑福亭鶴瓶、その妻・皎子を原田知世、西畑夫妻の若かりし頃を重岡大毅と上白石萌音が演じる。監督・脚本は映画『今日も嫌がらせ弁当』やドラマ「舟を編む ~わたし、辞書つくります~」(NHK)などを手掛けた塚本連平が務めた。
『35年目のラブレター』
2025年3月7日(金)公開
日本/2025/配給:東宝
監督:塚本連平
出演:笑福亭鶴瓶、原田知世、重岡大毅、上白石萌音
©2025「35年目のラブレター」製作委員会

西畑保(重岡大毅)
貧しい家庭に生まれたため文字の読み書きができない青年。苦しい人生を送っていたところ、寿司屋の大将に手を差し伸べられ寿司職人として働き始める。