短編アニメ『蒸気船ウィリー』(1928)でデビューしたミッキーマウス。米国における著作権保護期間が2023年末で終了し、“ミッキー史上初のホラー映画”が登場。“ヤツ”が猟奇的殺人を繰り広げるスラッシャー描写、逃げ場のない密室シチュエーションからのサバイバル、そして事件の全貌が明かされていくサスペンスフルな構成。さらに誰もが仰天する大ドンデン返しや数々のオマージュ描写など、娯楽映画としての醍醐味がギュッと凝縮した21世紀最大の問題作が誕生した。
本作をはじめ、近年“悪夢の国”ホラー映画が続々登場している。世界中で愛されてきた明るくポジティブなキャラクターが、一転して恐ろしい殺人鬼へと変貌。不気味でショッキングな姿には、タブーに触れるような独特の魅力が漂う。その火付け役となったのが『プー あくまのくまさん』。原作「Winnie-the-Pooh」の著作権保護期間が終了し、パブリックドメイン化したことによりホラー実写化が実現。続編が作られるほどの人気を誇り、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「こんなプーさん、見たくなかった」とコメントするほど。
映画『プー あくまのくまさん』本予告 6月23日(金)公開
www.youtube.comまた話題になったのが『シン・デレラ』。夢にあふれた物語や美しいドレス、妖精や馬車といった要素で、多くの子どもたちの憧れの存在であるシンデレラ。しかし、この作品では彼女が舞踏会で王子と結ばれるどころか、顔に唾を吐きかけられ、笑いものにされた挙句、ドレスまで破かれてしまう。復讐を誓ったシンデレラは、ガラスの靴を凶器に変え、血に染まったプリンセスへと姿を変えるのだ。過激な内容ながら、どこか爽快感もあり、ただ後味の悪さだけが残る作品ではない。こうした“悪夢の国ホラー”には、熱狂的なファン層がいることを改めて感じさせる作品だ。
【公式】映画『シン・デレラ』ティザー予告編 “ホントはクソ恐ろしいお姫様、これガチもんの姿――” 2024年10月25日(金)全国ロードショー!
www.youtube.comそして、真打として登場する最新作が『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』だ。ウォルト・ディズニー社が1928年に公開した映画『蒸気船ウィリー』が、公開から95年を迎えついに著作権での保護期間が終了し、アメリカでパブリックドメインとなった。こうして“自由”となったミッキーは主人公アレックスの誕生日パーティーに現れ大暴れ。聞きなれた口笛と共に若者たちは悪夢の世界へと誘われる。返り血を浴びたミッキーの姿は、見る者に強烈な衝撃を与えるだろう。
【公式】『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』特報 こんなミッキーが見たかった!?著作権が切れたミッキーが大暴走!
www.youtube.com『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』のジェイミー・ベイリー監督は、悪夢の国ホラーが続々と製作されていることについて「通常、映画を作る場合、特にインディペンデントの映画監督であれば、最初に聞かれるのは“誰か有名な役者が出演しているのか”ということだ。もし誰も出演していなければ、それは映画の価値を下げることになる。ホラーの素晴らしいところは、ジャンルそのものが主役という、ある意味それを覆すところだ。だから、ミッキーマウスのような世界的に有名なキャラクターをホラーというジャンルに取り込むことは、映画のための超強力な燃料みたいなものなんだ。ミッキーを知らない人なんていない。さらに、この無邪気な子どもの頃の愛するべきアニメのキャラクターが、反転してティーンエイジャーたちを殺すという付加価値もある。どんなものか観たいってなるよ!」と語る。
『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』は、3月7日(金)より全国公開。
『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』
3月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ハーク
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