鬼才ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』以来となる最新作は“使い捨てワーカーvsブラック企業”の逆襲エンターテイメント

主人公ミッキー(ロバート・パティンソン)の前に“もう一人の自分”が現れる
ミッキー(ロバート・パティンソン)
過酷な任務で死と再生を繰り返す“使い捨てワーカー”。
2019年の『パラサイト 半地下の家族』で第72回カンヌ国際映画祭にて韓国映画初となるパルムドールを受賞、第92回アカデミー賞®では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞し、歴史を塗り替えた鬼才ポン・ジュノ監督。そのアカデミー賞®受賞後初となる最新作は、ブラック企業の“使い捨てワーカー”になってしまった主人公が繰り広げる逆襲エンターテイメント。
人生に失敗続きのミッキーは、何度でも生まれ変われる夢のような仕事を手に入れた。しかしそれは身勝手な権力者たちから過酷な任務を命じられ、繰り返し死んでは生き返るという、まさに究極の“死にゲー”だった。そんなミッキーの前に、ある日手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変。使い捨てワーカー代表、ミッキーの反撃が始まる!

主演を務めるのは、『TENET テネット』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』など話題作への出演が続き、これがポン・ジュノ監督と初タッグとなるロバート・パティンソン。ナオミ・アッキー、スティーヴン・ユァン、トニ・コレット、マーク・ラファロら実力派キャストが共演する。
原作はアメリカの作家エドワード・アシュトンの小説「ミッキー7」。これまでも社会問題を織り込みながら、極限状態の人間の本質を鋭く描いてきたポン・ジュノ監督が、過酷な労働環境や権力構造を背景に社会の歪みを描きつつエンターテイメントへと昇華させた一作だ。
STORY “使い捨てワーカー”の前に現れたもう一人の自分

何度死んでも生き返ることができる“究極の死にゲー”の行きつく先は…?
人生に失敗し続けてきたミッキー(ロバート・パティンソン)。そんな彼が手に入れたのは、何度死んでも生き返ることができる“夢のような”仕事。しかし、それは身勝手な権力者たちが支配するブラック企業で、過酷な業務命令のもと、命を使い捨てにされる“究極の死にゲー”だった。
何度も死んでは生き返りながら搾取され続けるミッキーは、ついに“17号”に。しかし、ある日手違いで自分のコピーである“18号”が現れ、運命が大きく動き出す。この狂ったシステムを作り上げ、労働者の命をなんとも思わないのは、強欲なトップのマーシャル(マーク・ラファロ)と、死にゲー任務を強制するマーシャルの妻イルファ(トニ・コレット)。ミッキーは自らの運命を取り戻すために逆襲を開始する。
CHECK
原作「ミッキー7」とは?
本作の原作はアメリカの作家エドワード・アシュトンが2022年に発表した小説「ミッキー7」。映画のタイトルは『ミッキー17』であり、原作とは数字が異なるが、この数字はミッキーが複製された回数を示しており、映画ではミッキーが原作よりも多くの死と再生を経験することを意味している。この改変が物語にどんな影響を与えるか、映画版での描写に注目だ。

「ミッキー7」
エドワード・アシュトン/大谷真弓訳/ハヤカワ文庫SF
パティンソンの役作りのヒントは日本アニメ
本作の最大の特徴は、主人公が“使い捨てワーカー”として何度も死と再生を繰り返すこと。ある日手違いで二人のミッキーが同時に存在してしまったことから、事態は予想外の展開を迎える。ミッキー17&18の両役を演じたロバート・パティンソンは、日本のアニメに着想を得て役作りに挑んだことを明かし、「ミッキー18は、気分が0から100まで急激に変わったりします。僕は日本のアニメのそういう表現が好きで、そこからヒントを得たんです」と語っている。

『ミッキー17』
2025年3月28日(金)公開
アメリカ/2025/2時間17分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ポン・ジュノ
出演:ロバート・パティンソン、ナオミ・アッキー、スティーヴン・ユァン、トニ・コレット、マーク・ラファロ
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