2033年、巨大彗星の衝突でほぼ壊滅状態にある地球。わずかに残った水はすべて、巨大な独占企業ウォーター ・アンド ・パワー社が支配していた。そのボス=ケスリー(マルコム・マクダウェル)によって仲間を無残に殺された上、少女サムまで誘拐された反乱軍のレベッカ=タンク ガール(ロリ・ペティ)は、ジェット・ガール(ナオミ・ワッツ)、カンガルーのDNAを取り入れた半人半獣の超人兵士軍団=リッパーズと手を組んで、ウォーター ・アンド ・パワーへ勇猛果敢な戦いを挑んでいく———1988年、イギリスのコミック誌に初登場。その後シリーズ化され人気が爆発! 勢いそのままに1995年に映画化されたのが、『ヘア・スプレー』(1988)や、ジョニー・デップ初主演作『クライ・ベイビー』(1990)等をプロデュースしてきたレイチェル・タラレイ監督作品『タンク・ガール』(1995)だ。映画の本編は実写ものだが、随所にコミックの原画を挿入、全編を通して流れるオルタナティヴ・ロック、登場人物らの個性的なパンク・ファッションなど、その独創的かつエキセントリックな演出は、興行的にこそ一般ウケの大ヒットとはいかなかったものの、反面、熱烈なファンからは高い支持を得るに至った。
今回、SCREEN Collectionsがギャラリーで公開するのは、<タンク・ガール&ジェット・ガール>のコンビと共に、ウォーター ・アンド ・パワーの独裁政権へ立ち向かうリッパーズのメンバー=ブーガを演じたジェフ・コーバーが劇中で実際に使用していたオリジナルのリッパーズ・ヘルメットになります。リッパーズの特殊メイクを担当したのは、『シザーハンズ』(1990)を手掛けたスタン・ウィンストン・スタジオで、このプロジェクトに非常に乗り気で前のめりだったスタン・ウィンストンは、『タンク・ガール』の少ない予算に合わせるため、わざわざ製作費を通常の半値で請け負うほど気合の入り様でした。



