カバー画像:『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』より © 2023 Paramount Pictures.
※本記事には前作のネタバレが含まれています。鑑賞前の方はご注意ください。
イーサン・ハントの知られざる過去とは?
前作『デッドレコニング』で大きな注目を集めたのが、主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)の知られざる“過去”に初めて本格的に踏み込んだこと。スパイ組織IMF加入以前のイーサンについてはこれまでのシリーズでは謎に包まれてきたが、回想シーンの中で、彼が終身刑を免れる代わりにIMFエージェントとなった経緯が明らかに。ただしその詳細については謎のまま残されている。“最強スパイ”イーサン・ハントは、いかにして生まれたのか。そのルーツに迫ることこそが、本作の大きな見どころの一つになりそうだ。
敵役ガブリエルはなぜ“それ”に選ばれた?
イーサンの過去に深く関わっていたのが、本作の宿敵・ガブリエル(イーサイ・モラレス)。彼の素性は多くが謎に包まれているが、イーサンが「奴の行為を見て僕はIMFに入った」と語っていることから、その存在がイーサンの人生を大きく変えたことは間違いない。本作では、そんな二人の過去が掘り下げられるはず。なぜガブリエルがAIである“それ(エンティティ)”に“暗黒の救世主”として選ばれたのかという理由も、彼の過去、そしてイーサンとの因縁に深く結びついている可能性もある。
ミステリアスな女性マリーの正体とは?

イーサンの過去を知るうえで、ガブリエルのほかにもう一人、重要なキーパーソンとなるのが、前作で初登場したマリー(マリエラ・ガリガ)。彼女はイーサンにとって大事な女性であり、ガブリエルによって命を奪われたことが回想シーンで描かれたが、その経緯や背景については多くが語られないままに終わっている。本作の予告編では、水中で横たわるイーサンにマリーが空気を吹き込むような印象的なシーンが登場。これは過去の出来事なのか、それともイーサンの夢の中の出来事なのかは不明だが、彼女とイーサンの間にあった“何か”が本作のドラマをより深いものにするに違いない。
イルサは本当に死んだのか?

前作で最も衝撃的だった展開のひとつが、イルサ(レベッカ・ファーガソン)の死。イーサンとともに幾度も死線をくぐり抜けてきた彼女は、ガブリエルとの戦いで致命傷を負い、“それ”の予知通り、命を落とすことになった。監督のクリストファー・マッカリーやファーガソン本人は、この死が物語の流れや契約上の事情から“避けられない決断だった”ことを語っているが、ファンの間では「イルサは実は生きているのではないか?」という説も根強く囁かれている。その根拠のひとつが、イーサンが序盤で彼女に口にする「君は死んだ。死んだままでいろ!」というセリフ。この言葉が、彼女の“生存”を匂わせる伏線ではないかという声も。こうした説が浮かぶのも、それだけ彼女の再登場を願う声が根強いという証でもある。
グレースの“選択”の行方は?

前作で初登場した新キャラクターのグレース(ヘイリー・アトウェル)は、ラストシーンでスリからIMFエージェントへと一歩を踏み出すことになった。本作の予告編ではイーサンとともに行動し、すでにチームの一員として任務に加わっている様子が確認できる。“それ”の仕掛けた謎かけに誰よりも早く答える彼女の頭の回転の速さや、ときにイーサンをも翻弄するほどの鋭い機転は、IMFにとって大きな戦力となりそうだ。グレースがどのように成長し、IMFの中でどんな役割を担っていくのか、その描かれ方にも注目が集まる。
諜報部員二人組は敵か味方か?

前作でイーサンを執拗に追っていた二人組の諜報部員、ジャスパー・ブリッグス(シェー・ウィガム)とドガ(グレッグ・ターザン・デイヴィス)には、いまだ多くの謎が残されている。 ブリッグスは当初「(イーサンに)会ってはいない」と言いつつ、個人的な恨みを抱えているような言動を見せており、その理由が気になるところ。彼の苗字が、オリジナルのTV シリーズの IMF チームの創設者で初代リーダーであるダン・ブリッグスと同じであることは、単なる偶然ではなく、“仕掛け”の可能性もありそう。一方のドガは前作の時点で「(僕は)世界の破滅を防いでくれる奴らの味方」とイーサンに対して一定の理解を示す発言も。二人の動向がどのように描かれるのかも注目ポイントだ。
「俺は消える」と宣言したルーサーの行方は?
イーサンの最も古くからの盟友であるルーサー(ヴィング・レイムス)は前作の終盤で「俺は消える」と宣言。“それ”の追跡を避けるため、オフライン環境に身を潜め、エンティティの痕跡を独自に解析するとイーサンに告げた。そのまま最後の戦いには登場しなかったが、本作の予告編にはイーサンとの再会シーンが含まれており、いよいよ始まる“それ”との決戦において重要な役割を担うことが期待される。さらに予告編では、ルーサーがイーサンに「お前はいつも正しい」と語りかける場面も登場。長年の厚い信頼関係が感じられる感動的な瞬間になりそうだ。
“裏切り者”パリスはIMFの仲間となるか?

ガブリエルの部下であるパリス(ポム・クレメンティエフ)は、前作でイーサンに命を救われ、その後、裏切りを察知したガブリエルによって重傷を負うことに。ラストシーンでは、イーサンとグレースを救い、“鍵”についての重要なヒントを提供した。その後絶命したかに見えたが、ドガは彼女の脈が残っていることを発見。本作の予告編ではパリスがイーサンと一緒にいる姿が確認できるので、彼女が一命をとりとめ、IMF側に寝返る可能性が高いことがうかがえる。イーサンに匹敵するほど戦闘能力の高い彼女が、今後どのような活躍を見せるのかも楽しみなポイント。
3分でわかる! 前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』あらすじ
ロシアの潜水艦「セヴァストポリ」は、航海中に突如制御不能に陥り、自らの魚雷によって自爆する。原因は、艦内に搭載された高度な新型AIシステム「エンティティ」にあった。自らの意志を持ち、暴走した“それ(エンティティ)”は世界中のあらゆるネットワークに侵入し、“真実”を思うがままに操作できる脅威的な存在へと変貌していく。
世界の覇権を左右するこのAIを各国が手中に収めようと動き出す中、IMFエージェントのイーサン・ハントは、“それ”の制御に必要な鍵の奪取を命じられる。その鍵は、二つを揃えて初めて意味を成す。イーサンはその力が誤った手に渡れば人類の危機を招くことを悟り、誰にも鍵を渡さず“それ”を破壊することを決意。IMFの仲間ベンジー、ルーサーとともに、鍵を追う独自のミッションを開始する。
手掛かりを求めて訪れたアブダビ空港で、イーサンは謎の女スリ師グレースと遭遇し、入手していた鍵の半分を盗まれてしまう。“それ”や米諜報部員らの介入で現場が混乱に陥る中、最終的にグレースは鍵を持って逃走。その後、イーサンはローマで彼女を追跡するも、敵たちが入り乱れる激しいカーチェイスの末に再び取り逃がしてしまう。
イーサンは仲間たちとともにグレースの行方を追い、ベネチアへと向かう。そこで対峙したのは、グレースの雇い主である武器商人ホワイト・ウィドウと、IMF加入前のイーサンの過去を知る因縁の男ガブリエル。ガブリエルは“それ”の使者として鍵を狙っていた。ベネチアの夜の街で激しい戦いが繰り広げられ、イーサンの長年の盟友イルサがガブリエルとの死闘の末に命を落とす。深い悲しみを抱えながらも、イーサンたちはホワイト・ウィドウが鍵の取引を行うというオリエント急行へ向かう。
オリエント急行で鍵を狙う者たちの様々な駆け引きと思惑が交錯する中、不測の事態で列車に乗り込めなかったイーサンはバイクで崖からジャンプし、パラシュートで列車内に突入するという命懸けの作戦を決行。ガブリエルによるオリエント急行の破壊という未曾有の危機を乗り越えながら、ついに鍵を手に入れる。しかし、その鍵の使用方法や、“それ”の真の目的は何なのかは依然として謎に包まれたまま。世界の命運を握る戦いは、まだ終わっていなかった──。
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
5月23日(金)公開
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、マリエラ・ガリガ、ヘンリー・ツェニー、ホルト・マッキャラニー、ジャネット・マクティア、ニック・オファーマン、ハンナ・ワディンガム、アンジェラ・バセット、シェー・ウィガム、グレッグ・ターザン・デイヴィス、チャールズ・パーネル、フレデリック・シュミット
配給:東和ピクチャーズ
© 2023 Paramount Pictures.