日本はもとより世界20カ国以上で販売される国民的おかし「たべっ子どうぶつ」がまさかのアニメ映画化を果たした『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』。「たべっ子どうぶつ」たちが世界滅亡のピンチを救おうと奮闘し、大冒険を繰り広げる今作で、メンバーいちの頭脳派・ぞうくんを演じるのは⽔上恒司。声優初挑戦となった彼に、アフレコで印象に残ったことや演じる上で心がけたこと、ワクワクする映画などを語ってもらった。(文・タナカシノブ/写真・新井裕加/ヘアメイク・Kohey(HAKU)/スタイリスト・藤長祥平/デジタル編集・スクリーン編集部)
衣装協力/シャツ¥61,600(キャバン/キャバン丸の内店 ☎03-3286-5105)ニット¥49,500(ギャルリー・ヴィー/ギャルリー・ヴィー 丸の内店 ☎03-5224-8677)帽子¥9,350(カシラ/CA4LA プレスルーム ☎03-5773-3161)その他はスタイリスト私物

水上恒司 プロフィール

1999年5月12日生まれ、福岡県出身。TBS系テレビドラマ「中学聖日記」(18)で主人公の相手役に抜擢され俳優デビュー。『望み』(20)で日本アカデミー賞新人俳優賞、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)で同賞優秀主演男優賞を受賞。主な出演作は、「MIU404」(20)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『死刑にいたる病』(22)、『OUT』(23)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23)、『八犬伝』(24)、『本心』(24)など。待機作は今年夏公開予定の『九龍ジェネリックロマンス』、今年10月公開予定の『火喰鳥を、喰う』。

ぞうくんの表現として意識したのは等身大であること。僕の声を使って表現するぞうくんのイメージは相棒というより女房

画像1: ぞうくんの表現として意識したのは等身大であること。僕の声を使って表現するぞうくんのイメージは相棒というより女房

──本作で声優に初挑戦。出演にあたりどのような準備をしましたか?

「僕ができるのは、今までやってきた役者としてのアプローチだけ。声の仕事においては、経験もなく、オーディションにも落ちてきたので、活かせるスキルも器用さもないということをしっかりと認めた上で、現場でのリクエストに少しでも臨機応変に対応できるように、なるべく柔らかい状態でいることを意識していました。かつ、自分のやりたいことはなあなあにならないように心がけていました」

──これまでもオーディションを受けていたとのこと。声の仕事のどのようなところに興味を持っていたのでしょうか?

「あくまで僕のイメージですが、役者というのは体が9割で声が1割。でもこの1割にはとんでもない技術があって、奥深さがあることを声優の世界で知ることができます。

もし僕がこの1割を少しでも深くすることができたら役者という仕事にどんな影響をもたらすのだろうという期待を持って、チャンスがあれば掴みにいきたいという思いでオーディションを受けてきました。やったことのない作品、役、知らない世界に足を踏み入れ一度咀嚼することは、役者としてやっておくべきとても大事なことだと思っています」

──実際に経験した声優のお仕事はいかがでしたか?

「なかなか難しかったです。正直、アフレコで楽しいと感じる瞬間はありませんでした。改めて日本のアニメ作品のクオリティ、プロのレベルの高さを痛感したというのが率直な感想です。

わにくん(CV:立木文彦)の声を聴きながらのアフレコだったのですが、僕は初めてなのでリップシンク(キャラクターの口の動きとセリフを合わせること)など、基本的なところからという意識で挑んでいたのですが、わにくんの口と声はそこまで合っていないんです(笑)。

でも、すごく魅力的だし、これでOKになっていることを考えると、表現の奥深さを思い知らされたと言いますか……。すごいとは分かっていたけれど、想像をはるかに超えるすごさでした」

──ぞうくんを演じるうえで心がけていたことを教えてください。

「ぞうくんは体が大きいので声が体全体に響いている、僕の中では“声がこもっている感じ”をイメージしたのですが、今回それは結果的には採用されず。やはり、素人の悪あがきでしたね(笑)。役によって声を変えて表現をして、観るに値するレベルに持っていくプロのスキルには到底敵わないし、初挑戦でそんなことが十分にできるわけもない。そう思うと時にぞうくんの表現として意識したのは等身大であること。

僕の声を使って表現するぞうくんのイメージは相棒というより女房。家を守っているメスライオンみたいなイメージです。映画では、自由奔放で自分のやりたいことをやりに行って帰ってくるらいおんくんを、自分の人生を生きながらも支え、そこによろこびや使命を感じているキャラクターをイメージしました」

画像2: ぞうくんの表現として意識したのは等身大であること。僕の声を使って表現するぞうくんのイメージは相棒というより女房

──“支える”というイメージは、割とすんなり出てきたのでしょうか?

「子どもの頃から野球をやっていて、僕はキャッチャーだったのですごくイメージしやすかったです。それこそ野村克也さんのおかげでID野球が定着し、古田敦也さんがID野球の申し子と言われていたのが昭和後期から平成前期。野球を知らない人にもキャッチャーのすごさをイメージしやすくしてくれた方たちです。

でも最初に花形として注目されるのはピッチャーで、キャッチャーはどこまでいっても二番手。だけど縁の下の力持ちでとても重要なポジションであることを経験して知っているからこそ、理解できる部分はあったと思います。平成生まれで、結婚もしていないけれど、キャッチャーは女房役とも言うのでイメージはしやすかったです」

──アフレコで特に印象に残っていることを教えてください。

「飛行機の中で『食べ過ぎは体に毒だよ』と言うぞうくんの最初のセリフです。二次元の世界ならではのテンポを、三次元で生きている僕がどう表現していけるのか。

緊張感はもちろん、自分にできること、自分のやりたいことも反映させたい気持ちもあったので、すごく印象に残っています。下手くそなりにできる限りのことはやったというのが映画の中にあると思っています」

※全文はSCREEN2025年6月号に掲載

たべっ子どうぶつ THE MOVIE

画像: たべっ子どうぶつ THE MOVIE

1978年の発売以降、長きにわたり愛され続けるギンビスの国民的おかし「たべっ子どうぶつ」が、まさかの初のフル3DCGアニメーション映画化。描かれるのは、“笑顔・仲間”、そして成長を大事にした相互理解の物語。「たべっ子どうぶつ」たちが世界滅亡のピンチを救おうと奮闘し、大冒険を繰り広げる!

おかしと人間が仲よく暮らすスイーツランドでは、歌って踊るスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」が大人気。しかし、世界征服を目論む最凶のわたあめ軍団によって、ぺがさすちゃんが囚われてしまう! かわいいだけが取り柄のたべっ子どうぶつたちに課せられたまさかの救出ミッション。武器なし、策なし、意気地なしのたべっ子どうぶつたちは、仲間を助けて世界を救えるのか?!

画像: “ありのまま魅せる、新たな挑戦”『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』水上恒司 インタビュー

ぞうくん(声:水上恒司) 

いつも沈着冷静で、みんなを陰から支える頼れる存在。作戦立案など、頭脳を使った動きが得意。愛読書はミステリー小説。らいおんくんとは旧知の仲。

『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
2025年5月1日(木)公開
日本/2025/1時間30分/配給:クロックワークス=TBSテレビ
監督:竹清仁
声の出演:松田元太、水上恒司、髙石あかり、藤森慎吾、蒼井翔太、小澤亜李、水瀬いのり、東山奈央、立木文彦、間宮くるみ、大野りりあな、関智一、大塚明夫、大塚芳忠

©ギンビス ©劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

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