“痛み”と“後悔”を背負った高校教師が
少年時代の日記をきっかけに記憶を辿っていく-
監督を務めたのは『SPL 狼たちの処刑台』で脚本を書いたニック・チェク。本作で監督デビューを果たし、脚本と編集も自らが務めた。苛烈な競争社会において子供が受けるプレッシャーや家庭内暴力など痛切な現実を描きながら、兄弟が魅せる純粋で切ない幼少期の記憶に胸を打つ。その巧みな構成と細やかな表現がアジア圏の映画祭を中心に高く評価され、第60回金馬奨で観客賞と最優秀新人監督賞を、第17回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を受賞。第36回東京国際映画祭の上映時には、「今年のベスト」「涙が止まらない」と称賛され、多くの観客を魅了した。
主演は『ある殺人、落葉のころに』や『母性のモンタージュ』に出演し、監督・撮影監督としても活躍するロー・ジャンイップ。
今回解禁された予告では、高校教師のチェンが少年時代の日記を見つけ、自身の痛切な過去をよみがえらせていくシーンをとらえた。厳格な父のもと、ピアノも勉強も兄弟で比べられ涙を浮かべる少年は、日記を綴りながら自身の将来に不安を抱く。後悔を背負いながらも生徒を励ますチェンの姿と「閉じていたページに隠された苦しみの真相に、あなたも心を震わせる」というナレーションが、痛みを紐解きながらも今を生きようとする主人公を想像させる。
6月6日(金)公開 『年少日記』|本予告
www.youtube.com同時に解禁となった日本版ポスターには、大人になったチェンが何かを回顧するような眼差しの写真の下に、うつむいた顔で屋上の淵に座る少年、そして「僕は、どうでもいい存在」というキャッチコピーが添えられ、青い空とは裏腹に痛みと後悔を感じさせるデザインとなっている。
【STORY】
高校教師のチェンが勤める学校で自殺をほのめかす遺書が見つかる。私はどうでもいい存在だ――幼少期の日記に綴られた言葉と同じだった。彼は遺書を書いた生徒を捜索するうちに、閉じていた日記をめくりながら自身の幼少期の辛い記憶をよみがえらせていく。それは、弁護士で厳格な父のもとで育った兄弟の記憶だ。勉強もピアノも何ひとつできない兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、出来の悪い兄は家ではいつも叱られていた。しつけという体罰を受ける兄は、家族から疎外感を感じ…。
『年少日記』
6月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
監督:ニック・チェク
キャスト:ロー・ジャンイップ、ロナルド・チェン、ショーン・ウォン
2023年|香港|広東語|95分|ユニビジウム|5.1ch|原題:年少日記|英題:TIME STILL TURNS THE PAGES|字幕翻訳:小木曽三希子|映倫:PG12
配給:クロックワークス
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