現地参加の松居大悟監督をレポート!
「第27回ウディネ・ファーイースト映画祭」は、4月24日(木)から5月2日(金)まで、テアトロ・ヌオーヴォ・ジョヴァンニ・ダ・ウディネ劇場とヴィジョナリオ映画館で開催され、アジア映画の新たな視点を提供し、9日間にわたってウディネをヨーロッパにおけるアジア映画の中心地へと変貌させる映画祭。今年の開催には、日本からは吉田大八監督の『敵』や城定秀夫監督の『悪い夏』『嗤う蟲』、矢口史靖監督の『ドールハウス』、武内英樹監督による『はたらく細胞』など、作家性あふれる作品から国内の大ヒット作まで、さまざまなジャンルの日本映画が上映された。


松居監督は、まずは4月30日(現地時間)に行われたマーク・シリング氏が司会を務めるパネルディスカッション「FEFFトーク」に参加。『Good Luck』の足立紳監督、足立晃子プロデューサー、『ほなまた明日』の道本咲希監督、市橋浩治プロデューサー、出演の田中真琴さん、重松りささんと共に登壇した。
映画『リライト』は最終日となる5月2日(金)にテアトロ・ヌオーヴォ劇場にてワールドプレミア上映が行われた。上映前に舞台に登場した松居監督はイタリア語で「13年ぶりにウディネに戻ってきました。ただいま!」と挨拶、その後「ウディネに現地参加するのは『アフロ田中』以来13年ぶりで、僕が参加した初めての国際映画祭。『リライト』は、ウディネ映画祭で生涯功労賞を受賞した大林(宣彦)監督をリスペクトして作ったので、この地でワールドプレミアするなんて、運命のようなものを感じます。」と喜びの声を披露した。

上映後は、1階から3階席まで連なる約1200席を埋め尽くした観客から、鳴りやまない拍手と喝采が贈られ、ロビーでは長打の列が続く観客から、「アイラブユアフィルム!」とサインや写真撮影を求められ大きな笑みがこぼれる松居監督。上映終了後のインタビューでは「初上映が海外映画祭、しかも大林監督が愛したウディネの街の映画祭。また、デビュー作の『アフロ田中』以来の参加になるので懐かしさも感じつつ、用意していたイタリア語での挨拶や、いろいろなことが重なって本当に胃がちぎれるくらい緊張しました。『アフロ田中』はコメディでしたが、『リライト』はわかりやすく笑えるようなタイプの映画ではないから、しっかりお客さんに届くといいなとずっと不安でした」と実は不安と緊張の中での舞台挨拶だったことを告白。「でも会場の空気からも“おかえりなさい”というムードを感じて、一気に安心しました。上映中、ストーリーが進むにつれて、どんどん観客から渦のような反応が起こって。積極的に楽しもうというムードを感じました!」と来場した観客の熱に嬉しさをにじませた。上映後は3分ほどの鳴りやまない拍手喝采に迎えられた松居監督は「20秒くらいは感激していましたが、そのあと2分間くらいはどうしていいか分からなかったです。(笑)」と不安と緊張を完全に払しょくする初の海外プレミア上映は幕を閉じた。


『リライト』
6月13日(金)全国公開!
出演:池田エライザ、阿達 慶、久保田紗友、倉 悠貴、山谷花純、大関れいか、森田 想、福永朱梨、若林元太、池田永吉、晃平、八条院蔵人
篠原 篤、前田旺志郎、長田庄平(チョコレートプラネット)、マキタスポーツ、町田マリー、津田寛治、尾美としのり、石田ひかり、橋本 愛
監督:松居大悟
脚本:上田 誠
原作:法条 遥 「リライト」(ハヤカワ文庫)
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2025『リライト』製作委員会