(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
© 2024 CaesarFilm LLC
イントロダクション

『ゴッドファーザー』などの巨匠フランシス・フォード・コッポラが80代を迎え、その映画人生の全てを賭けて挑んだ野心的な大作。40年も前に彼がローマ共和国の貴族ルキウス・セルギウス・カティリナが国家転覆を目論んだ「カティリナの陰謀」に関する本を読んだことをきっかけに着想した壮大なストーリー。21世紀、アメリカ共和国の大都市ニューローマを舞台に、すべての人々が幸福に暮らせる理想社会“メガロポリス”開発に挑む天才建築家の姿を描く。本作製作のためにコッポラは自己資金のみで製作することを決意し、ワイン事業の一部を売却、前代未聞のインディペンデント超大作となった。
キャスト陣も豪華で、主人公を演じるアダム・ドラヴァーのほか、ジャンカルロ・エスポジート、ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイアらベテラン勢が共演し、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフらがコッポラ作品初参加を果たしている。撮影には『コッポラの胡蝶の夢』以来4度目のコラボとなるミハイ・マライメアJr.、衣装には『タッカー』のミレーナ・カノネロなど信頼のおけるスタッフ陣が集結している。
あらすじ
享楽的な富裕層と苦しい生活を送る貧困層の激しい格差が社会問題化している21世紀、アメリカ共和国の大都市ニューローマ。時を止める特殊能力を秘かに持ち、新素材メガロンを発明した天才建築家で都市計画局局長のカエサル・カティリナ(ドライヴァー)は、名門クラッスス一族の一員でもあり、伯父クラッスス3世(ヴォイト)の後ろ盾を受け、メガロンを利用した新都市メガロポリス開発を推進する。それは全ての人間が幸福に暮らせる理想社会だった。
しかし財政難という課題を現実的に解決しようとする新市長キケロ(エスポジート)はカジノ建設を計画し、カエサルと真っ向対立していた。またかつて妻殺害容疑で無罪判決を受けたカエサルとこれを糾弾した元検事のキケロには確執もあった。そんなキケロの娘ジュリア(エマニュエル)はカエサルと対話し、メガロポリスの着想に共感し、彼と父との仲を取り持とうと考える。
やがてクラッスス3世の孫クローディオ(ラブーフ)の罠で逮捕されたカエサルをジュリアが救出。彼女の愛に支えられ、カエサルは再びメガロポリス開発に邁進するが、そんな時、メガロポリス構想を大きく動かす事態が起き、すべてが順調に見えたカエサルが銃撃される事態が発生する…。
格差が進むニューローマで秘かな野心を抱く者たち
カエサル・カティリナ(アダム・ドライヴァー)
カエサル・カティリナ(アダム・ドライヴァー)
天才建築家で理想的社会メガロポリスの構想を持つ複雑な性格の主人公。秘かに時間を止める特殊能力を持っている。
フランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)
フランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)
ニューローマの現実的で道徳心が強い市長。元検事でカエサルを妻殺害容疑にかけながら敗訴した過去がある。
ジュリア・キケロ(ナタリー・エマニュエル)
ジュリア・キケロ(ナタリー・エマニュエル)
キケロ市長の娘。パーティガールのようでいて人々の未来を案じている。カエサルを支えるうちに愛情が芽生える。
ワオ・プラチナム(オーブリー・プラザ)
ワオ・プラチナム(オーブリー・プラザ)
カエサルの恋人だが野心的な女性で、大金持ち一族になることに興味があり、クラッスス3世と結婚することに。
クローディオ・ブルケル(シャイア・ラブーフ)
クローディオ・ブルケル(シャイア・ラブーフ)
従兄弟のカエサルに狂おしいほどの嫉妬心を持つ狡猾な人物。ジュリアにも執着しており2人を破滅させようと画策。
ハミルトン・クラッスス3世(ジョン・ヴォイト)

ハミルトン・クラッスス3世(ジョン・ヴォイト)
カエサルの銀行家の伯父で大富豪。ニューローマ一番の権力者で天才肌の甥カエサルには目をかけている。
『メガロポリス』
2025年6月20日(金)公開
アメリカ/2024年/2時間18分/配給:ハーク、松竹
監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ
出演:アダム・ドライヴァー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン
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