『燃ゆる女の肖像』(2019)

© 2019 Lilies Films / Hold-Up Films & Productions / Arte France Cinéma

永遠でないとわかっていても“魂”を揺さぶる恋をする

18世紀のフランスの孤島が舞台で、一瞬だけ、情熱的にひかれあう女性たちの物語。画家の主人公(ノエミ・メルラン)は、ある伯爵夫人の依頼で彼女の娘(アデル・エネル)の肖像画を描くことになる。令嬢には気の進まない結婚が待っている。主人公は自分が画家であること隠して彼女に近づくが、やがて、ふたりは愛し合う関係となる。しかし、絵が完成すれば別れが待っている。限られた時間内での濃密な関係が詩的な映像で綴られ、世界中で絶賛された作品。監督はフランスの女性監督、セリーヌ・シアマ。ふたりの女性たちの繊細な心模様に魅せられる。

POINT )一緒にいた時間を忘れたくない。そんな思いを託して、主人公の画家は自分の持ち物や令嬢の本に人物像をスケッチ。それがふたりの愛の証となる。

『燃ゆる女の肖像』

発売中、Blu-rayコレクターズ・エディション:6,380円(税込)
発売・販売元:ギャガ

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(2011)

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』U-NEXTにて配信中
©2011 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

運命の人は、意外と近くにいるのかもしれない

ある男女の20年以上に渡る関係をみつめた作品で、1980年代から2010年代まで特定の1日だけが描かれる。大学の卒業式で出会ったふたりはひかれるものを感じるが、恋人ではなく、友人のままでいることを選ぶ。男性は別の女性と結婚するが、その後もふたりの関係は続き、新たな変化を迎える。英国の作家、デイヴィッド・ニコルズの小説の映画化で、映画版はジム・スタージェスとアン・ハサウェイ主演。2024年のNetflix版ドラマ「One Day/ワン・デイ」(14話、レオ・ウッドール、アンビカ・モッド主演)では、ふたりの関係がさらに掘り下げられ、完成度の高い仕上がり。

POINT )作家として成功する女性と結婚につまずく男性。ふたりの関係が変化するパリでの描写が印象に残る。今の自分の気持ちに素直になることで関係が変わる。

『エターナル・サンシャイン』(2004)

Film © 2004 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

一緒に過ごすかけがえのない時間の大切さ

恋の記憶をテーマにしたミシェル・ゴンドリー監督作で、それぞれの愛の時間、その重さについて考えさせる。主人公は奔放な性格の恋人にふりまわされつつも、彼女を愛していた。しかし、ある時、彼女が自分のことを完全無視。実は彼女は恋の思い出を削除する特殊な治療を受けていた。ショックを受けた彼は同じ治療を受けるが、大切な思い出もそこに含まれていることに気がつく…。ふだんは派手な演技が得意なジム・キャリーが、内省的なロマンティスト役で、ケイト・ウィンスレットは衝動的な性格の恋人役の役。凝った構成でひっぱる異色の愛の物語。

POINT )記憶に刻みこまれた愛の時間。最高に幸せな物も、最悪で忘れたい物があるが、実はどちらもかけがえがない。それぞれの時間と記憶の大切さが伝わる。

『エターナル・サンシャイン』

Blu-ray: 2,075 円 (税込)
DVD: 1,572 円 (税込)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント

『ファイブ・フィート・アパート』(2019)

『ファイブ・フィート・アパート』U-NEXTにて配信中
© 2019 Granville LA LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

大切な人と、触れ合えるという“幸せ”

お互いに嚢胞性線維症という難病をかかえ、決められた距離以上は近寄ってはいけない恋人たちの物語。長年、病院での日々を余儀なくされた主人公(ヘイリー・ルー・リチャードソン)は、同じ病気で絵が得意な青年(コール・スプラウス)と出会う。治療に対して積極的ではなかった彼は、前向きな性格の彼女と出会うことで少しずつ変わる。ふたりはやがて恋に落ちる。難病を背負い、どこまで命が続くのか分からないまま、愛によって希望をつなごうとするふたり。実話を基にしたそんな設定は命の大切さについて改めて気づかせる。

POINT )いつもよりおしゃれな服に着替え、病院でデートをする恋人たち。明日の命も保証されていないふたりだが、限りある時間を大切にする姿が印象的。

『ある愛の詩』(1970)

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世界一愛する人と、人生を共にするという覚悟

1970年代に社会現象的な大ヒットとなった難病系ラブストーリーの古典。名門の裕福な家庭で育ち、ハーバード大学に通う主人公の青年は、庶民的な家庭で育った知的な女子大生と出会う。タフな性格で、自分をからかう言葉を投げてくる彼女に反発しながらも、やがては恋におちる。階級差を乗り越え、ふたりは結婚するが、彼女は白血病で倒れる。主演のライアン・オニールとアリー・マックグローは、当時、この映画の大ヒットで注目された。ふたりは自然体の演技を見せる。フランシス・レイの有名なテーマ曲の響きも美しく、詩的な情緒が漂う。

POINT )20代で世を去ろうとする妻を見守ることで、主人公は時間の大切さをかみしめる。この作品から「愛とはけっして後悔しないこと」の名セリフも誕生。

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