ある日突然霊が見えるようになった女子高生が、ひたすら霊を無視してやり過ごそうとする姿を描く、泉朝樹による青春ホラーコメディ漫画を実写化した映画『見える子ちゃん』(6月6日公開)。本作でミステリアスなオーラを纏う生徒会長を演じた山下幸輝は映画オリジナルキャラクターをどのように作り上げていったのか。(文・タナカシノブ/写真・久保田司/ヘアメイク・TAKUMA SHINCHI/スタイリスト・DAYOSHI/デジタル編集・スクリーン編集部)
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山下幸輝 プロフィール

2001年11月7日生まれ。大阪府出身。2022年俳優デビュー。ドラマ「君の花になる」の「8LOOM」メンバーに抜擢され音楽活動も行なった。主な出演ドラマは「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」「アンチヒーロー」「ビリオン×スクール」など。映画は『TOKYO, I LOVE YOU』(23)、『マンガ家、堀マモル』(24)などに主演。5人組ボーイズグループ・WILD BLUEのリーダー。

“ホラー作品には苦手意識があったのですが、
もっとやってみたいと思ったのも変化のひとつです。”

画像1: “ホラー作品には苦手意識があったのですが、 もっとやってみたいと思ったのも変化のひとつです。”

──演じるのは映画オリジナルキャラクターと聞いた時の心境は?

「脚本を読んでやりがいを感じたし、演じるのがすごく楽しみでした。読み合わせの時に中村監督に『どんなふうに演じたらいいでしょうか?』みたいな話をした際に、『昔の俳優さんのようにやってほしい』と言われて。具体的にはナルシストとかカッコつけみたいなキーワードをもらった感じです。あとはもう自由にやってもらっていいのでとも言われました(笑)」

──今っぽくナチュラルな雰囲気ではなく、カッコつけるときには思い切りカッコつけるみたいなイメージでしょうか。

「そうそう! セリフの抑揚とかもいつもとは違ってちょっと大袈裟にする感じで。リズム感をかなり意識しました」

──具体的に参考にしたお芝居、作品などはありますか?

「誰かのお芝居を参考にはしなかったのですが、『ロンバケ』あたりの時代の作品をたくさん観ました。キメッキメな感じがすごくカッコいい作品が多くて、僕もやってみたいって思いました。今はカッコつけないのがカッコいい時代だけど、思いっきりカッコつけてる感じが観ていて気持ちよかったです。ちょっとした仕草とかがすごくいいんですよね。例えば頭をかくときも普通にかくのではなく、チェキを使ってかいてみるとか(手元のサイン入りチェキで実演)。本来なら使わなくていいものをわざわざ使って、結果なんかカッコよくキマる。そういうお芝居にすごく興味を持ちました。強くてカッコよくて綺麗な女性が髪の毛をグッとかきあげる姿にもドキッとしながら楽しみました」

──ネタバレにならない範囲で、昭生を演じる上で意識したことを教えてください。

「特に意識したのは視線です。視線の意味や感情を自分なりに解釈してたどり着いたのがあの視線です(笑)。視線を向ける時の感情は自分の中から引き出したもの。学生の頃の僕は目立たないタイプでしたが、ダンス部にも入っていたし、注目されたいという気持ちも結構あったりしたので。そんな思いも視線に乗せてみました。あとは違和感。観ている人が『この人ってなんなのだろう…』と終始違和感を持ってもらえるようなセリフの言い回しや動きをしています。監督から『キモい』って言われたのはすごくうれしかったです。最高の褒め言葉でした。体育館での撮影シーンで、カットがかかるとモニターのある場所から監督がダーっと駆け寄ってきて…」

──何を言われるのかハラハラドキドキですね(笑)。

「カットがかかるたびに広い体育館をダーっと走ってきて、耳元で『キモい!』『気持ち悪かった!』って言いながら『よかったよ!』って(笑)。監督の走る姿に『来るぞ、来るぞ』とワクワクして。今回の現場で印象に残っている思い出のひとつです」

画像2: “ホラー作品には苦手意識があったのですが、 もっとやってみたいと思ったのも変化のひとつです。”

──中村監督のコメントに「相当準備をしてきてくれたので、現場では微調整のみ」とありました。具体的にはどのような準備をして現場に臨んだのでしょうか。

「動きやセリフのリズムや違和感は意識していましたが、現場では思いっきり楽しもうという気持ちで臨みました。事前にいろいろな作品を観る中で、思いっきりやることが大事だと感じたので、プラスのエネルギーを出す気持ちでやり切ろうという気持ちで入りました」

──昭生のキャラクターも相まって、やり切る気持ちにも入り込みやすい気がします。

「そうなんです。昭生を通してプラスのエネルギーを出すことができた気がするし、作品を通して役者として自分自身がすごく成長したと感じています。ホラー作品には苦手意識があったのですが、もっとやってみたいと思ったのも変化のひとつです。ホラー作品の現場はギャップがすごく面白くて好きになりました。今ならこれまでなかなか観られなかった『貞子』とかもいけそうな気がします(笑)」

※全文はSCREEN2025年7月号に掲載

映画『見える子ちゃん』

画像: 映画『見える子ちゃん』

ある日突然、霊が見えるようになってしまった女子高生が、怯えながらも霊を“無視し続ける”というホラーエンターテインメント。ホラーでありながら、コメディや青春、ヒューマンドラマの要素も盛り込まれた斬新な物語となっている。泉朝樹の同名漫画が原作で2021年に放送されたTVアニメも話題に。

あらすじ

ある日突然、霊が見えるようになった女子高生・みこ(原菜乃華)。ヤバすぎる霊たちに囲まれたみこが選んだ生き残り術は、まさかの“見えていないフリ”。ただひたすらに全力スルーしてきたみこだったが、驚くべき事実を知ることに。"見えていないフリ"を貫いてきたみこが、ついに無視できない恐怖に立ち向かう!

権藤昭生(山下幸輝)

画像: 権藤昭生(山下幸輝)

主人公・四谷みこ(原菜乃華)の通う高校の生徒会長。ミステリアスなオーラを纏っている。映画オリジナルキャラクター。

映画『見える子ちゃん』
2025年6月6日(金)公開
日本/2025年/1時間38分/配給:KADOKAWA
監督・脚本:中村義洋 
出演:原菜乃華、久間田琳加、なえなの、山下幸輝、堀田茜、吉井怜、高岡早紀、京本大我、滝藤賢一
原作:泉朝樹「見える子ちゃん」(KADOKAWA刊)

©2025『見える子ちゃん』製作委員会

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