どんな役にも溶け込み、見るたびに印象を塗り替えてくる変幻自在の俳優、セバスチャン・スタン。最新作『顔を捨てた男』では“セバスタ史上最高の演技”と絶賛される熱演を披露し、話題を呼んでいます。そんな彼がこれまでどのような“顔”を見せてきたのか、印象的な役柄を通して辿ってみましょう。(文・山崎ともみ/デジタル編集・スクリーン編集部)
リー・ボーデッカー保安官(『悪魔はいつもそこに』)
“体当たり”の役作りによる汚職保安官役で異彩を放つ

『悪魔はいつもそこに』
どうしようもない大人が沢山登場する本作での役どころは、売春組織と癒着があり選挙で勝つことしか頭にない“汚職保安官”。実はスケジュールが合わなくなったクリス・エヴァンスに代わって出演することになったセバスタ。監督の思い描くボーデッカーの体型になるべく、限られた時間の中で体重を増加。新しいことに挑戦したかったと語る彼は、肉体改造や新鮮な役柄にやりがいを感じたそう。そうやって仕上げられた角刈りにもちっとお腹の保安官は、人間臭くどこか憎みきれない複雑なキャラクター。曲者揃いの作中でも存在感を放つセバスタの演技力はさすが!
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』
独占配信中
TJ・ハモンド(「ポリティカル・アニマルズ」)
揺れる心情を表情で語るセバスタの感情芝居の真骨頂

「ポリティカル・アニマルズ」
ホワイトハウスを舞台に政治家と家族たちに焦点を当てた政治コメディドラマで、元大統領夫人の国務長官エレインの息子のひとりTJを演じます。ゲイをカムアウトしており、薬物依存の問題を抱え、おばあちゃんや双子の弟と仲良しで、ピアノが上手…要素もりもりのキャラクター。政治家の息子としてプライバシーの無い人生と批判にさらされ、スキャンダルの餌食にされがちなTJ。奔放に振る舞うも実は繊細な性格で、人懐っこく微笑んだり、目に涙を溜めて訴えたり、傷心の表情を浮かべたり、セバスタの豊かな表現力が存分に発揮された役柄です!
「ポリティカル・アニマルズ」
U-NEXTにて配信中
©Warner Bros. Entertainment Inc.