いまから半世紀前の1975年夏。一本の映画がそれまでの全米興行成績を一変させるような空前の大ヒットを記録し、そのムーブメントは世界中に波及していきました。その歴史的ヒット作品『ジョーズ』が誕生して今年で50年。これを記念して当時の反響やその後の映画界に与えた影響などを振り返ってみましょう。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)

スティーヴン・スピルバーグの伝説はここから始まった!

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まだ無名に近かった20代のスティーヴン・スピルバーグ監督が、ハリウッドの歴史を塗り替えるような大ヒット作を生み出したのは1975年のことだった。巨大な鮫が海水浴客でにぎわう観光地に突如出没し、人々をパニックに陥れ、3人の男たちがこの恐るべき鮫を退治するため小型船で海洋に出るが…というストーリーを、巧みなサスペンス演出で観客を震え上がらせる一大エンタテインメントに仕上げ、映画界に留まらないブームを呼び、名もなき若手監督は一躍アメリカ映画界の寵児となった。

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そしてその映画『ジョーズ』は今でも“サメ映画”の代名詞として老若男女がそのタイトルやジョン・ウィリアムズ作曲の音楽を知っているだけでなく、多くの映画作家が影響を受けた映画史に残る傑作として認知されている。原作はピーター・ベンチリーのベストセラー小説で、ユニバーサル社は『激突!』などで才能を認められていた若きスピルバーグを監督に抜擢。主役である“ホオジロザメ”を余り登場させず、徐々にサスペンスを盛り上げていくスタイルの演出は王道でありながら新鮮で、若いながらも奥深いスピルバーグの映画研究家ぶりを際立たせている。キャストには『フレンチ・コネクション』でアカデミー賞助演賞候補になったロイ・シャイダー、『スティング』などの英国俳優ロバート・ショウ、『アメリカン・グラフィティ』で脚光を浴びたリチャード・ドレイファスら、ビッグネームを避けた実力派が選ばれ、彼らの代表作のひとつになった。

この映画が夏興行になるまでのアメリカでは、ビッグヒットを狙う作品は冬場に公開するのが定番だったが、本作は完成の遅れもあって6月20日に公開され、常識破りの大ヒットを記録。それまで歴代1位だった『ゴッドファーザー』を抜き、初めて北米興収が1億ドルを越えた映画になった。これ以降、年間トップクラスの大作映画はサマーシーズンに公開されるのが米興行界のルーティンとなっていく。

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後に『ジョーズ2』など続編も3本作られ、“ポスト・ジョーズ”を狙うアニマル・パニック編や亜流作品も数多く製作されたものの、いまだにサメ映画の金字塔といえば、『ジョーズ』を置いてほかにないと言われるほどの“絶対に見ておくべき名作”となっている。また第48回アカデミー賞では作品賞を含む4部門で候補になり(スピルバーグは若すぎたせいか監督賞候補入りを逃している)、編集賞、作曲賞、録音賞を受賞した。

画像: 【『ジョーズ』製作50周年記念特集】スティーヴン・スピルバーグの伝説はここから始まった!

『ジョーズ』

4K Ultra HD+ブルーレイ:6,589 円
Blu-ray:2,075 円
DVD:1,572 円 (税込み)
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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