“皆さんに楽しんでいただけるのが、一番嬉しい”
F1®の全面バックアップを得て制作された映画『F1®/エフワン』は、世界各国の本物のサーキットコースを使い映画史上類を見ない規模で撮影を実施。出演者本人が数か月の厳しいトレーニングを積みF1®マシンを実際に操縦するなど限界までリアルさを追求。プロデューサーには世界チャンピオンの称号を持つ現役スターF1®レーサーのルイス・ハミルトンも名を連ねている。ブラッド・ピットは、常識破りの元カリスマF1®レーサーのソニーを演じている。

舞台挨拶は映画上映後に実施。歓声に包まれ登場したピットが「皆さん楽しんでいただけました?」と呼びかけると、観客は割れんばかりの拍手で応答した。
「この映画を携えて来日できて本当に嬉しく思います。“本物の車”に“本物の俳優”を乗せて“本物のレーストラック”で走らせるというアイデアは、ジョセフ・コシンスキー監督が考えました。レースを体感できる映画にしたいと思ったんです」とピットが原点を語った『F1®/エフワン』。

試写会で本作を観た観客からは日本でも世界でも絶賛の声が相次いでいるが、そういった反応についてピットは「本当に皆さんの反応を見るのが嬉しいんです。すごく誇りに思いますし、実際のF1®のシーズン中に実際のサーキットで走るという映画は前例がありません。それに、すべての俳優たちがとても頑張りましたし、カメラも撮影のために新しく開発しました。そういったことが、観てお分かりになると思います。皆さんに楽しんでいただけるのが、一番嬉しいです」と喜びを見せた。
作品の内容だけでなく、先日開催されたUKプレミアでは『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(94)で共演したトム・クルーズとの再会も話題に。ピットも嬉しかったとのことで「トムは旧友なんです。彼はモータースポーツのファンでもありますよ。90年代にはゴーカートで一緒にレースしたこともあるんです。ジョセフ・コシンスキー監督もプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーもトムと一緒に仕事をしていますし、家族のような感じなんですよ。来てくれて本当に嬉しかったです」と再会を振り返った。

激しいトレーニングを積み、実際にマシンを運転したピット。レースシーンで印象に残っていることについて問われると「僕とダムソンは練習から始めて2年で6000マイル(約9656キロメートル)くらい走ったんです。でもひとつ悔いが残っていて、鈴鹿サーキットでは走っていないんです。プロのドライバーに聞くと一番のお気に入りは鈴鹿だってみんな言うんですよ。素晴らしいトラックだと。ここに誰か関係者いませんか?(笑)」と、日本の鈴鹿サーキットでの運転を熱望した。
ソニーという役柄については「ソニーは負け犬なんです。90年代にF1®でチャンスがあったけども、うまくいなくて挫折を経験している。でも、そんな彼にチャンスが巡ってくる。こういうストーリーにみんな共感できると思います」とキャラクターの魅力を分析。
また、作品でキーとなるのがドライバーやピットクルーらたちの“チームワーク”。F1®チームと映画撮影のチームワークには共通点も感じるようで「F1®のサーキットでは500人くらいの人が関わっています。(角田)裕毅さんもそうですし、戦略を生み出すひと、車を作る人、デザインする人、メンテナンスする人など色んな人が。本当にチームスポーツなんです。映画も同じですよね。短いシーンでも400人、500人と関わることはザラにあります。そういう意味で非常に似ていると思います」と語った。
舞台挨拶では、事前にXで集められた質問に答える時間も。「日本でまた行ってみたいところは?」との質問には「本当に日本は大好きなんです。行きたいところはたくさんありますよ。特に郊外に行ってみたいですね」と日本通ぶりを感じさせる回答を。
また、「撮影期間中に一番楽しかったことは?」との質問には「もう、とにかく運転することが1番楽しかったですね。180マイルから250マイルぐらいまでスピードが出るので、ブレーキングもコーナリングも、すべてを含めて最高でしたよ」と回顧。そんなレースシーンの準備について「映画を観て皆さんも感じられたと思いますが、Gがかかるんです。なので、首をなんかをはじめ体を鍛える必要があります。1時間半から1時間45分ずっと走って、Gがかかり続けるのは本当に大変なことなんです。実際のプロレーサーの方はアスリートなんですよ」とプロへのリスペクトとともに語った。
本作のキャッチコピー「昨日までの自分を超えろ」にちなみ、“自分を超えられた瞬間”を問われる一幕も。ピットは「やっぱり運転の度に、毎回毎回、自分をもっと良くしたいと思いましたね。『はい、終了』と言われるのはイヤで、自分を高めたいという気持ちでやってました。最初の頃はダムソン(・イドリス)も僕も秒単位でタイムが縮まったんですが、最終的には零コンマ何秒を争っていました」と語り、大迫力のレースシーンの裏にある多大な積み重ねをうかがわせた。
最後に「今回は陸でのアクションだったが、海や『トップガン マーヴェリック』のように空のアクションに挑戦したい気持ちは?」と問われると「それはトムに任せます(笑)。彼に近づける人はいないでしょう。僕は陸が好きです(笑)」と語り場内を湧かせ、トークは終了した。

最後に法被を着て、観客とともに日本伝統の三本締めを。ヒットを祈願したのち、フォトセッションを行い、イベントは終了した。

映画『F1®/エフワン』
6月27日(金)全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.