彼女の生き様は、誰よりもロックだった‼
「ロ-リング・ストーンズの女」アニタ・パレンバーグ。
始まりはブライアン・ジョーンズとの恋、ブライアン没後はキース・リチャーズと運命的な絆を結び、3人の子をもうける。
映画で共演したミック・ジャガーをも虜にしてしまう魔性の女。
しかし彼女は単なる彼らの「女」ではない。
創造の源となり、ファッションを一変させ、音楽そのものにかかわり、誰の影にもならず自分を生きた。
スカーレット・ヨハンソンの声で蘇る、反逆の女神。
ローリング・ストーンズのミューズであり共作者、女優、モデル、ボヘミアン・ロック・シックを生み出したファッションアイコン、そして愛情深い母親でもあったアニタ・パレンバーグ(1944-2017)。
1960年代から70年代の文化や風俗に多大な影響を与えた彼女の、波乱に満ちた人生が明らかになる。彼女は1965年ストーンズの公演を観に行き、リーダーのブライアン・ジョーンズと恋に落ちる。横恋慕するキース・リチャーズ、映画で共演したミック・ジャガーも彼女のとりこに。ブライアンの死後、キースとの間に三児をもうけるが末っ子を生後10か月で亡くす。ドラッグの問題もあり、逃げるように引っ越しを繰り返すファミリーには、さらなる決定的な悲劇が待っていたー。しかし嵐の渦巻く地獄からアニタは不死鳥のごとくよみがえるー。
本人の死後発見された未発表の回顧録の言葉(声:スカーレット・ヨハンソン)を用いながら、息子マーロン、娘アンジェラ、そして彼らの父キース・リチャーズが、愛おしくも痛切な家族の秘話を語る。先ごろ(2025年1月30日)亡くなった、ミックの恋人であり、アニタと親友でもあったマリアンヌ・フェイスフル、アニタを崇拝するケイト・モスらがアニタの影響力のとてつもない大きさ深さを物語る。
未公開のホーム・ムービーや家族写真から浮かび上がる、ストーンズと過ごした激動の日々とその後の年月。アニタ・パレンバーグは常に状況に立ち向かい新しい価値観を創造する女性だった。
出演者は、アニタの回想録の言葉で声の出演をしている「アベンジャーズ」シリーズの俳優スカーレット・ヨハンソンの他に、かつてのパートナーキース・リチャーズ、息子マーロン・リチャーズ、娘アンジェラ・リチャーズ、そして90年代スーパーモデルを象徴する存在であるケイト・モス、『ブリキの太鼓』でカンヌ国際映画祭パルムドール、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画監督フォルカー・シュレンドルフ、著名な画家バルティスの息子スタニスラス・クロソウスキー・ド・ローラ、ローリング・ストーンズのメンバー、ブライアン・ジョーンズ、ミック・ジャガー、俳優、作家、政治活動家など様々な顔を持ち戦後アメリカ文化の象徴的存在であるジェーン・フォンダ、ビート・ジェネレーションの象徴的人物で、詩人、作家、政治活動家のアレン・ギンズバーグ、アメリカを代表する現代美術家ジャスパー・ジョーンズ、1960年代のポップアートの旗手で彼のスタジオ自体がカルチャー発信地となったアンディ・ウォーホルなど、アニタの幅広い交友関係を証明する出演者が揃う。また、彼らの背景に映る映像やその言葉から、当時の社会、文化が垣間見えるのも魅力だ。
監督は、アレクシス・ブルームとスヴェトラーナ・ジル。本作は、息子マーロン・リチャーズが母に捧げるべく製作総指揮を務めた。また、今回公開された日本版ビジュアルは、本国版の写真を使用し、ファッションアイコンらしく、アニタのファッションセンスと美しさが際立つビジュアルとなっている。
アニタ・パレンバーグ
1942年生まれのイタリア系ドイツ人のモデル、俳優、ファッションアイコンであり、1960-70年代のロック文化における象徴的存在。多言語を操り、反体制的で自由奔放。彼女は、自身のペルソナとクリエイティビティで時代を体現した先駆者。彼女がいなければ、ローリング・ストーンズのイメージも、ロックとファッションの結びつきも大きく違っていたかもしれない。周囲からは「ミューズ」「It Girl」「ロック界のワルキューレ」と称された。2017年没。
『アニタ 反逆の女神』
第76回カンヌ国際映画祭クラシック部門正式出品
10月25日(土)より新宿K’s cinema、アップリンク吉祥寺他にて順次公開予定
監督:アレクシス・ブルーム/スヴェトラーナ・ジル
出演:アニタ・パレンバーグ/キース・リチャーズ/マーロン・リチャーズ/アンジェラ・リチャーズ/ケイト・モス/フォルカー・シュレンドルフ/スタニスラス・クロソウスキー・ド・ローラ/サンドロ・スルソック/ジェイク・ウエバー/ブライアン・ジョーンズ/ミック・ジャガー/マリアンヌ・フェイスフル/ジェーン・フォンダ/ジェイムズ・フォックス/アレン・ギンズバーグ/ジャスパー・ジョーンズ/アンディ・ウォーホル
声の出演:アニタ・パレンバーグ:スカーレット・ヨハンソン、キース・リチャーズ:本人、マリアンヌ・フェイスフル:本人
2024年/アメリカ/英語・フランス語・ドイツ語/113分/1.78:1/原題:CATCHING FIRE: The Story of Anita Pallenberg/日本語字幕:福永詩乃
配給:オンリー・ハーツ
©2023 Brown Bag Productions, LLC