2021年にNHK で放送されたオダギリジョーが脚本・演出・編集を務めたオリジナルのテレビドラマ「オリバーな⽝、(Gosh!!)このヤロウ」。鑑識課警察⽝係のハンドラー・⻘葉⼀平(池松壮亮)だけには、なぜか相棒の警察⽝・オリバーが、酒と煙草と⼥好きの欲望にまみれた⽝の着ぐるみのおじさんに⾒えてしまう(⼀平以外の⼈間には⽝に⾒えている)、しかもその着ぐるみのおじさんオリバーをオダギリジョー⾃⾝が演じるという奇抜な設定に話題を呼んだ伝説のドラマ。ドラマ版から引き続き主演を務める池松壮亮に、オダギリジョーが作り上げる“オリバー”の世界観とその魅力をたっぷり語ってもらった。
(撮影/久保田司 ヘアメイク/内藤歩 取材・文/柳真樹子)
画像2: ――え!? 1時間も一平みが出ちゃうものなんですね。

――「オリバー」の現場は、“帰ってきた”気分になるのでしょうか?

なります。長年同じ役を演じる経験がこれまでなかったので、2年置きにこうして同じ作品に戻れるというのは、自分にとってかけがえのない幸せな経験です。この現場に戻って来られたこと、今回映画になったこと、そしてついに出来上がってこれから公開を控えていること、向き合ってきた時間のぶんだけとても嬉しく感じています。

――ドラマからお馴染みのキャラクターも映画から参加した新しい方たちも、どの方もクセが強い方ばかりです。個人的に気になるキャラクターはいますか?

選び難いですが……、やっぱりオリバーじゃないでしょうか。なんでおじさんに見えてしまうんだろう……。

――そもそもですよね(笑)。街中で犬の散歩とか見かけると、自身の中で視点が変わったりとか……

ないですね(笑)。おじさんにも見えてないです。でも、犬に対しての愛着は少し変わりました。シェパード好きになりました。

――クセだらけな登場人物が予想以上のことをされていて思わず笑っちゃったんですけど。映画をご覧になって、池松さんが思わずツボったシーンはありますか?

いっぱいありますね~。ずっと笑っていました。今この瞬間でいちばん最初に思い浮かぶのは、麻生さんたちがドッグカフェで踊るくだりです。本当に唐突過ぎて意味わかんなかったです(笑)。麻生さんがすごく踊りを練習されていると聞いていたんですが、まさかあそこまでのことをやられているとは思っておらず。ものすごい長尺で踊られていて、あのシーンを観て笑いながら感動しました!

――みなさんの芸達者な面を見れました(笑)。

よそではなかなかこんなことやらないだろうなという方たちが、この作品のもとでは自由に楽しそうに、時にやり過ぎるくらい演じていることが印象的です。きっと、みなさん、オダギリさんの美意識やセンスに呼応しているのだと思います。

――脚本・監督・編集、そしてオリバーとして共演されているオダギリさん。そのパワフルな仕事ぶりを間近で見てこられていかがでしょうか?

表目にはとても冷静な方ですが、情熱があって冒険心があって、いつも面白いことを考えている人です。とても強い信念とこだわりがあるからこそ、誰もがその作品の一部となることを楽しむことができ、仕上がりに後悔することがありません。芸術的な心を持って、真剣に内なる探究を繰り返し、唯一無二の作品を生み出してくれます。ドラマから映画になって、さらにそのことが強く現れていると思います。

――オダギリさんから学んだことはありますか?

たくさんありますが、真似したところで違いますし、そもそも真似できるものでもないと思っています。ただ、オダギリさんの姿勢や考え方にこれまでたくさん勇気づけられ、さまざまな影響を受けてきたと思っています。

――やっぱり唯一無二な方?

唯一無二ですね。自らの意思や哲学を徹底的に突き詰められています。だからこそ滲み出る表現は誰にも触れられるものではありません。その上とてつもなく遊び心があります。俳優や監督という枠を超え、表現者・アーティストのような存在に近いんじゃないかなと思っています。

――今回、映画化に関して何かお話しましたか?

いろいろ話したと思います。いつもそうですが、様々なコミュニケーションの先に映画が出来上がって、自分たちがどんな手順で、どんな話をしてどこを通ってきたのか、迷路のようでさっぱり覚えていないんです(笑)。映画を観終えたとき、本当に遠いところまできてしまったなと思いました。オダギリさんのイマジネーションがあり、それについて僕の感じることを話したり、感想を伝えたり、そういうことを繰り返していました。

――オダギリさんのディレクションで特に印象的だったことはありますか?

常に笑っているような気がします(笑)。そんなこと考えてるんですか、というようなことを真面目な顔で話されるので。この作品では、「オダギリさん」と「作品世界」と「オリバー」という物語と一緒に戯れているような感覚があります。それが僕にとって他では得られないほど楽しくて幸せな時間です。

――映画の媒体なので、池松さんの映画ライフも伺いたいです。最近、スクリーンで観た作品って何かありますか?

最近、劇場に行けてないのですが、『スーパーマン』が待っていますね。『ルノワール』も楽しみです。他にもまもなく公開作だと『I’m Still Here』や『遠い山なみの光』、『ふつうの子ども』、『BLACK DOG』がとても楽しみです。つい最近ひと足先に拝見した、『私たちが光と想うすべて』と、『バード ここから羽ばたく』はとても素晴らしかったです。上半期は、『教皇選挙』や、ロウ・イエ監督の『未完成の映画』、若きボブディランを描いた『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』がとても記憶に残ってます。

――劇場には足を運んでるんですね。

大河ドラマの撮影でなかなか行けない日々が続いていますが、時間が許せばなるべく行きたいですね。

画像2: “本当に遠いところまできてしまったなと思いました”
『THE オリバーな⽝、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』池松壮亮インタビュー

<PROFILE>
池松壮亮
生年月日:1990年7月9日
出身地:福岡県

<近年の主な出演作>
映画『フロントライン』(25年)
映画『本心』(24年)
映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(24年)
映画『ぼくのお日さま』(24年)
映画『白鍵と黒鍵の間に』(23年)
ドラマ「ホットスポット」(25年)
ドラマ「海のはじまり」(24年)
ドラマ「侵入者たちの晩餐」(24年)
ドラマ「季節のない街」(23年)

<待機作>
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(26年放送)

『THE オリバーな⽝、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』
9月26日(金)より全国公開

画像3: “本当に遠いところまできてしまったなと思いました”
『THE オリバーな⽝、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』池松壮亮インタビュー

配給:エイベックス・フイルムレーベルズ
© 2025「THE オリバーな⽝、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE」製作委員会

<STORY>
狭間県警鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮)。一平の相棒は、数々の難事件を解決に導いた伝説の警察犬・ルドルフの子供であるオリバー。しかし、一平には、どういうわけか、オリバーが口が悪くやる気がない、女好きで慢性鼻炎の着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えている。
ある日、一平や鑑識課メンバーの前に、隣の如月県のカリスマハンドラー・羽衣弥生(深津絵里)がやってきた。如月県でスーパーボランティアのコニシさん(佐藤浩市)が行方不明になったため、一平とオリバーに捜査協力を求めてきたのだった。

脚本・監督・編集・出演:オダギリジョー
出演:池松壮亮 ⿇⽣久美⼦ 本⽥ 翼 岡⼭天⾳
⿊⽊ 華 鈴⽊慶⼀ 嶋⽥久作 宇野祥平 ⾹椎由宇
永瀬正敏
佐藤浩市
吉岡⾥帆 ⿅賀丈史 森川 葵
髙嶋政宏 菊地姫奈 平井まさあき(男性ブランコ)
深津絵⾥

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