独りぼっちの少年が何光年も離れた星で、本当の居場所、大切なつながりを見つける『星つなぎのエリオ』

2025-07-30

スクリーン編集部 @ SCREEN

（文・米崎明宏／デジタル編集・スクリーン編集部）
カバー画像：『星つなぎのエリオ』より　©2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

イントロダクション

大切な人と一緒にいるのにふと寂しさを感じてしまうのは、きっと「ありのままの自分」に自信が持てず、自分を装って心の壁を作っているからかも？　そんな人たちに「そのままでいいんだよ」と気づかせてくれるディズニー＆ピクサー最新作が誕生。『リメンバー・ミー』のスタッフが再結集して贈る優しさと感動の物語は、カラフルな星々の世界を背景にした、エイリアンに誘拐されることを夢見ているちょっと変わった少年エリオと、外の世界を見たことがないエイリアン、グロードンの「はじめての友情」を描いたファンタジー・アドベンチャー。

監督は『リメンバー・ミー』のマデリーン・シャラフィアン、エイドリアン・モリーナ、そして『私ときどきレッサーパンダ』のドミー・シーのトリオ。声の出演は、エリオ役をヨナス・キブレアブが演じるほか、彼の叔母で空軍少佐のオルガを『エミリア・ぺレス』でアカデミー賞助演女優賞受賞のゾーイ・サルダナが、グロードンにはレミー・エジャーリーが当たっている。また日本の渡辺直美がエイリアンのアンバサダーの一人、オーヴァの声を演じているのも注目されている。音楽は『デッドプール＆ウルヴァリン』のロブ・シモンセンが担当している。

あらすじ

「地球のエリオ・ソリースです。
仲よくしよう。仲間になりたいんだ。独創的で、頑張り屋。ムキムキ。
迎えに来て。またね、じゃ、大好き！」（エリオ）

1 ）宇宙に向けてメッセージを送った孤独な少年エリオ

一番の理解者だった両親を失い、唯一の親族オルガと暮らす少年エリオは、寂しさを心に抱えながら大好きな宇宙に思いをはせる毎日。エイリアンにさらってほしいと広大な銀河に向けて交信を続けていたエリオは、ある日、オルガの勤める空軍基地で、かつて地球が発信したメッセージに反応した何者かから帰って来たコンタクト・サインに「仲よくしよう。僕を迎えに来て」と応答してしまう。

2 ）星々のアンバサダーから招待を受けたエリオ

この広い世界のどこかに自分の本当の居場所があるはず──と信じるエリオに、星々の代表が集う夢のような“コミュニバース”という空間に“地球の代表者”として招待される奇跡が起きた。もちろんこれを受けたエリオは、各星の友好的なアンバサダーに歓迎されるが、コミュニバース入りを拒否されて怒る攻撃的な将軍エイリアン、グライゴンと地球の大使として対決する事態に！

3 ）自分と同じような孤独な心を抱えた友人との出会い

そんなエリオはグライゴンのハイラーグ星に渡り、そこで将軍の息子グロードンと出会う。攻撃的な父と違って心優しく親切なグロードンは、エリオと同じように心に寂しさを抱えていて、2人はあっという間に親友同士に。ところが2人の冒険は将軍の怒りに火をつける事態になり、コミュニバースに大きな脅威が迫る。すべてを救うカギはグロードンがエリオに打ち明けたある秘密にあった…。

Memo

2つの異なる世界の創造

プロダクションデザイナーのハーレイ・ジェサップは本作で2つの全く異なる世界をデザインすることがわかっていたという。一つは人間の世界でカリフォルニア州北部の海岸にある軍事基地で、こちらは全体的に鋭角的でモノクロームに近い世界。もう一つはエイリアンたちの世界コミュニバース。色彩的で活気に満ちた世界を描くためにジェサップたちは顕微鏡で覗いた小さなキノコや菌類から結晶、海の生き物たちまであらゆるものからインスピレーションを受けたという。エイリアンのアンバサダーたちが同時に複数登場するシーンでは、彼らの色がすべて調和されているように見せるため、1年をかけて慎重にカラフルなエイリアンのデザインを行っていったという。