『ロングレッグス』などのオズグッド・パーキンス監督長編4作目となるホラー映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』が全国公開中。本作はスティーヴン・キングの短編小説「猿とシンバル」を映画化したもの。原作から大きなアレンジを加えられた本作だが、パーキンス監督は、原作に触れた時に感じたことを大切にしかったという。(取材:SCREEN編集部)

“二面性”を表現するために、主人公を双子に

——本作で描かれるのは本能で感じる恐怖というよりは、記憶が生む恐怖だと思いました。恐怖と記憶について、どんな関係性があるとお考えですか。

「いい質問ですね。“記憶”と“恐怖”の関係についてはあまり考えたことがないかもしれません。“記憶”は我々の現在地に間違いなく影響を与えるものですよね。経験した何かが記憶として刻まれて・・・・・・我々に張り付いて。記憶は、いつまでもついてくる幽霊のようなものなんでしょうね」

——ハルとビルを演じたテオ・ジェームズの演じ分けが素晴らしかったです。双子なのは映画独自の設定です。

「このキャラクターは僕の経験から出てきたものなんです。実際に兄弟がいて、身近な人の死を経験した際、反応が対照的でした。もちろん、どちらが良い悪いとかではないですよ。その対称性をハルとビルに分けて描いているんです。

自分の中の二面性もあります。身近な死を経験した後、自分もこどもを授かり、家族を築きましたが、ビルの様に内側に籠り、狂ったり、怒ったりしている自分もいました。(それを表現した)テオは素晴らしい役者でしたね」

画像1: “二面性”を表現するために、主人公を双子に

——物語の序盤というわずかな時間で“喪失の恐怖”を描く上で、母親を演じるタチアナ・マズラニーが見事です。役者の方たちとはどんな話を?

「僕は あまり“指図”するように指示をしません。脚本にすべて書き込まれていますから。もちろん俳優の提案は受け付けますが、細かくこちらから“指示”をするのはレアかもしれません。幸い僕は、自分の書いた脚本を基に映画づくりができているので、自分のやりたいことは脚本の中に細かく言語化しています。それが俳優たちへのガイドラインになっているかもしれません。それに俳優へのリスペクトをしっかり見せれば、彼らも期待に応えてくれるものなんです」

画像2: “二面性”を表現するために、主人公を双子に

——最後に、あなたが本作で一番描きたかったことを聞かせてください。

「ありきたりな言い方かもしれませんが、いずれ別れがやってくるということに囚われすぎずに、大切な人と過ごす“今”を大事に生きていこう、ということです。それを、いささか、オーバーながら、ギフトとしてリボンを結んで観客の皆さんにお届けしたのが、この映画です」

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『THE MONKEY/ザ・モンキー』
新宿ピカデリー他全国公開中

監督・脚本:オズグッド・パーキンス 
原作:スティーヴン・キング
製作:ジェームズ・ワン
出演:テオ・ジェームズ、タチアナ・マズラニー、クリスチャン・コンヴェリー、
コリン・オブライエン、アダム・スコット、イライジャ・ウッド
原題:THE MONKEY/2025年/アメリカ映画/98分/R-15作品
配給:KADOKAWA

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