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マシュー・マコノヒー (ケビン役)
Matthew McConaughey
実の息子と母が出演した経緯は?

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──あなたが演じたケビンは息子との関係がぎくしゃくした状態で、いきなり22人の子供たちの命を守る使命を託されます。
「(山火事を知り)ケビンは自宅に戻り、息子と母親を安全な場所に連れていこうとします。しかし、そう決意した約30秒後に、取り残された子供たちのためにスクールバスの出動要請を受けるわけです。内心では他のドライバーが応じないかと思いつつ、そうならない。ひとつの大きな決断をした直後に、別の大きな決断を強いられ……と、このように短時間で激しい葛藤や大きな決断が連続して降りかかるシーンは後半にもあり、演じながらも初めての経験になりました」
──ケビンの息子を演じたのは、あなたの実の息子であるリーヴァイです。
「僕はどんな映画に出る時も、家族に脚本の内容を教えます。今回、ケビンに13歳か14歳の息子がいるという話をすると、ちょうどその年代の息子リーヴァイが、オーディションを受けたいと言い出しました。最初は僕も渋っていたのですが、4回も聞いてきたのでキャスティング・ディレクターに息子の動画をiPhoneで撮って送ったのです。そうしたら『監督に見せてもいいレベルだ』と言われ、何も知らない監督のポールはリーヴァイを選んだそうです。キャスティング担当が『これはマシューの息子です』と告白すると、ポールは『なおさらいいじゃないか』と喜んでくれたみたい(笑)」
──さらにケビンの母親も、実のお母さんが演じていますが、その経緯は?
「ポールとの打ち合わせで難点だったのは母親役のキャスティングでした。そこで彼は僕の母を候補に挙げたのですが、当時彼女は兄の家で転んで、尾てい骨を折り、車椅子生活だったのです。そうしたらポールは『その状態で演じるのは最適かも』と言い出し、やはりオーディションテープを作って、母親役が決まりました。つまり息子も母も、ポールの判断で出演が決まったのです。僕自身もまさか共演できるとは思ってもみませんでした」
──教師のメアリー役、アメリカ・フェラーラとの共演はいかがでしたか?
「アメリカは、すべてに対して肯定的な人。撮影現場での彼女は、メアリーの視点を通じて会話してくれ、考えを深く知ることができました。こうした俳優同士の関係は理想的です。ケビンとメアリーは、考えが平行線ながら協力し合う関係であり、立場が違う分、秘めた何かを共有した時に強い絆が生まれる。それを実現できたアメリカの演技力に感謝しています」
プロフィール)
1969年11月4日、米テキサス州生まれ。『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(13)でオスカー主演賞受賞。俳優活動を休止していたが本年復帰した。
ジェイミー・リー・カーティス(製作)
Jamie Lee Curtis
映画のモデルたちとの不思議な縁
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「ワシントン・ポストの記事とTVのインタビューで、本作の原作となる本について立て続けに知り、運命を感じてジェイソン・ブラムに権利を買ってもらおうと電話しました。『映画製作者として人生で一番大切な作品になる』と説得したのです。プロデューサーとしての私の役割は、モデルとなる実在の人たちと、映画化する物語の架け橋になること。私は彼らに嘘をつかず、(被害を受けた町の)パラダイスの英雄を讃えると約束しました。ケビンのお母さんは火事の直後に亡くなっていますが、ケビンが“母との最後の良い思い出は、2018年にあなたの映画『ハロウィン』を観に行ったこと”と明かしてくれました。さらに驚いたのは、メアリーのお父さんが、私の母親ジャネット・リーと付き合っていた事実。そのお父さんが人生で2回泣いたのが、メアリーのお母さんが亡くなった日、そして私の母が亡くなった日だそうです。こんな風に彼らと不思議な縁でつながっていたわけです」
プロフィール)1958年11月22日、米ロサンゼルス生まれ。1978年『ハロウィン』で映画デビュー。2023年にオスカー初受賞。本作にはプロデューサーとして参加。
ポール・グリーングラス(監督・共同脚本)
Paul Greengrass
迫力の山火事シーンの裏側
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「山火事のシーンは当初、バスの周りをバーチャルなセットで囲んで表現しようとしました。しかし私のスタイルに合わないと感じ、ニューメキシコ州の廃校の広大な敷地に、道路が何本も走るセットを作りました。セットにはガス管も走らせ、そのガスで炎を作り出したのです。本物の炎と特殊効果を組み合わせる作業は、かなり難しかったですね。山火事の際の明るさを再現するうえで、夕刻の『マジックアワー』の30〜40分に集中してカメラを回しました。バスの中は人の顔も見えないほど暗く、通路も細いなど撮影の制約は多かったのですが、全員で恐ろしい体験を共有し、リアルな感情を表現するために、こうした制約は有効でした。演技未経験の子供たちも短い撮影時間に集中し、迫力のある表情を見せてくれました。マシューも実際にバスを運転しています。そして実際にあの日、消火活動に参加した消防士たちも出演してくれました。消火の過程を正確に描くうえで、どうしても彼らが必要だったのです」
プロフィール)1955年8月13日、英国サリー州生まれ。1989年に長編監督デビュー。代表作に「ボーン」シリーズ、『ユナイテッド93』(06)など。
ABOUT MOVIE
全米最悪級の山火事が発生。子どもたちを救うため、1台のスクールバスが走り出す──!
Apple Original Films『ロスト・バス』

カリフォルニア州北部の町が、アメリカ史上でも最大規模という山火事に見舞われる。実話を基に、スクールバスの運転手ケビンと、小学校の教師メアリーが、学校に取り残された22人の子供たちを避難場所へ届けようとする決死のサバイバルが展開。監督は「ボーン」シリーズや『ユナイテッド93』などリアリティ満点の骨太作品を得意とするポール・グリーングラス。製作にジェイミー・リー・カーティスも参加した。過去の映画で観たことのない衝撃の火災映像が続き、子供たちの命を預かるヒロイズムを体現したケビン役マシュー・マコノヒーの熱演に心が震える!
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