ダークコメディからドラマ、アクションまで、多彩な役柄で魅せるマッツ。北欧の名匠とのタッグや国際的ヒット作など、これから公開されるマッツの最新出演作を先取りで紹介! まずは日本公開が決定した話題作『The Last Viking(英題)』から。(文・デジタル編集/スクリーン編集部)
カバー画像:『The Last Viking(英題)』より ©ZENTROPA ENTERTAINMENT APS &ZENTROPA SWEDEN AB

ブラックユーモアが炸裂する、人間味あふれる兄弟の物語
『The Last Viking(英題)

マッツ・ミケルセンが『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(20)ぶりに盟友アナス・トマス・イェンセン監督と6度目のタッグを組む最新作『TheLastViking(英題)』。

本作でマッツが演じるのは、精神疾患を抱えた兄マンフレッド。壊れた現代を象徴する男として、自らの理想像と他者の目に映る「自分」とのギャップに苦悩する人間像を体現する。共演には、アンカー役のニコライ・リー・カースや、マルグレーテ役のソフィー・グローベールら北欧映画界の実力派俳優が名を連ね、個性的なキャラクターたちが物語に深みを与えている。

監督が本作の着想を得たのは、「人々の視点が外から内へと向かう現代の変化」を見つめたことから。“世界を見る”時代から、“自分を記録し、発信する”時代へ。その移り変わりの中で、人は何を失い、何を見つけるのか。兄弟であるマンフレッドとアンカーは、互いに向き合いながら、自分らしく生きる道を模索していく。

撮影はデンマークのフュン島と、スウェーデン・ヴェストラ・イェータランド地方トレードの森で敢行された。製作は、ラース・フォン・トリアーらを擁するZentropaによるデンマーク=スウェーデン共同制作で、北欧映画界の才能が結集している。その奇妙で愛おしい旅路の結末を、日本の劇場でぜひ確かめて、その余韻に浸ってほしい。

あらすじ

15年の服役を終えたアンカー(ニコライ・リー・カース)は、かつて強盗事件で奪った金を隠した兄マンフレッド(マッツ・ミケルセン)と再会する。しかし兄は心の病を患い、金の隠し場所を忘れてしまっていた。二人は金を探す旅に出るが、その過程で自分たちの「本当の姿」やアイデンティティとも向き合うことに。ブラックユーモアと風変わりな展開が交錯する、痛快で人間味あふれるコメディ。

欠点も魅力に変える、人間味あふれるマッツに注目!

今作で注目したいのは、マッツ演じるマンフレッドの「完璧さをあえて崩したキャラクター造形」と、イェンセン監督の演出哲学。監督は「笑いより感情を優先する」と明かしており、陰惨で深いドラマに滑稽なユーモアを巧みに織り込んでいる。また、マンフレッドのぎこちない行動や欠点は単なる笑いのネタではなく、キャラクターの人間らしさを際立たせるための工夫だという。さらに、デンマーク映画らしい家族視点を大切にしつつ、予想外の展開や音楽で観客を驚かせる演出も今作の見どころの一つ。

アナス・トマス・イェンセン監督 コメント

『The Last Viking』は、
アイデンティティをテーマにした寓話的ダークコメディである。
人は他者の視線によって形づくられる存在であり、
その中で「本当の自分」を見つけようとする物語だ。
人間は一面的ではなく、多面的な存在である。
それを理解することで、他人にも自分にも寛容でいられる。
また、自分が“ひとつではない”と知ることで、
他人の言葉に傷つきにくくもなる。

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『The Last Viking(英題)』
原題:Den sidste viking
監督・脚本:アナス・トマス・イェンセン
出演:マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース、
ソフィー・グローベール
配給:スターキャット・ケーブルネットワーク(株)

©ZENTROPA ENTERTAINMENT APS &ZENTROPA SWEDEN AB

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