今から半世紀前の昭和五十年。一本の青春ドラマが当時の若者たちの心を強く捉えました。そのTVドラマ「俺たちの旅」は番組終了後も多くのファンに愛され、主人公たちのその後はスペシャル・ドラマなどで描かれてきましたが、いよいよ放送開始50周年を記念して待望の映画化!(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『五十年目の俺たちの旅』より ©️「五十年目の俺たちの旅」製作委員会

イントロダクション

カースケ、オメダ、グズ六の若者3人が織りなす青春ドラマ「俺たちの旅」は1975年10月にスタートし、当時の現役大学生や中高生を中心に大きな反響を呼び、一年間の放送が終了した後もスペシャルドラマが製作され、ファンたちの人生に寄り添う存在になった。そんな日本のテレビ史に残るドラマがスタートから50年を記念して待望の映画化。

カースケこと津村浩介役には中村雅俊、オメダこと神崎隆夫役には田中健、グズ六こと熊沢伸六役には秋野太作と、おなじみトリオが揃い、オメダの妹、真弓役の岡田奈々も加え、懐かしい顔ぶれでその後の彼らの物語が描かれる。彼らの現在と共に20代から今に至るまで、50年前の連続ドラマや3本のスペシャルドラマから過去の名シーン映像がふんだんに使用され、登場人物の人生をたっぷりと振り返ることができ、本作が3人の50年目の物語であると同時に、3人が歩んだ50年間の物語でもあることを感じさせる。

またシリーズのメインディレクターだった斎藤光生が死去したこともあり、今回の監督を務めるのは主演でもある中村雅俊で、彼にとって初の監督作になる。企画・脚本は連続ドラマからのメインライター、鎌田敏夫が担当している。70年代に青春時代を送った3人の熱い友情や恋愛、そして変わらない生き様は、意図的に濃密な人間関係を避けることが多い現代を生きる人々に様々な問いを投げかけることだろう。

ストーリー

70代になったカースケは都内で町工場の経営者として働いている。オメダは鳥取県米子市の市長を務めながら、知事選の出馬準備を進めている。グズ六はビジネスを拡大する妻のおかげで介護施設の理事長となっていた。しかし久々にカースケと再会したオメダは、どうも知事選に出ることで悩みを抱えているようだ。またある時、カースケの工場で製作中のポットが大量に割られる事件が起き、そこには見覚えのある砂時計が落ちていた。それはカースケが20年前に亡くなった元恋人の洋子と行った鳥取砂丘で買ったものだった。そんなカースケの元にグズ六から電話が入り「洋子が生きている」という。

カースケとグズ六は洋子が目撃されたという温泉地を訪ねると、洋子と名乗っていた女性が住む部屋には、たしかに大学時代に撮った写真も飾ってある。訝しんでいるところに帰って来た女性はオメダの妹、真弓だった。彼女は以前カースケに淡い恋心を抱いていたが精神を病んで、亡くなった洋子が憑依しているかのようだった。取り乱した真弓は所持していた銃であわやカースケを撃ってしまいそうになるが、オメダが駆け付け事なきを得る。そんなオメダはかつて一家で住んでいた思い出の家を取り戻そうとしていた……。

帰って来た懐かしのキャラクターたち

カースケ/津村浩介(中村雅俊)

カースケ/津村浩介(中村雅俊)

思い込んだら命がけ、瞬間湯沸かし器のごとくすぐにカーっとなることでカースケと呼ばれている。大学卒業後は「なんとかする会社」を自ら立ち上げたりしたが、その後も様々な職を経験し、今では東京で小さな町工場を経営して、従業員たちから慕われている。

オメダ/神崎隆夫(田中健)

オメダ/神崎隆夫(田中健)

カースケとは大学のバスケットボール部の同級生。すぐに「自分はダメだ」と思いがちで、あだ名はダメオを逆から読んだオメダになった。鳥取県で結婚して婿養子になり、現在は米子市長になっている。昔、母や妹と住んでいた神楽坂の家に執着がある様子。

グズ六/熊沢伸六(秋野太作)

グズ六/熊沢伸六(秋野太作)

カースケの小学校の4つ年上の先輩で、何事にもぐずぐずして優柔不断な性格のためにグズ六と呼ばれている。しかしなぜか女性にはよくモテるタイプで、現在は手広くビジネスを展開する愛妻・紀子が経営する介護施設の理事長になって悠々自適なご身分? 

中谷真弓(岡田奈々)

中谷真弓(岡田奈々)

オメダの妹で、50年前は天真爛漫な高校生だった。当時からカースケに淡い恋心を持っていた。今回は山奥の温泉地の旅館で仲居として働いていたところ、カースケたちと再会する。亡くなったカースケの恋人・洋子に憑依されたかのように精神的に病んでいた?

一世を風靡した「俺たちの旅」とは?

©ユニオン映画

50年前の1975年に放送された青春ドラマ「俺たちの旅」。大学生のカースケ(中村雅俊)と同級生のオメダ(田中健)、同郷の先輩グズ六(秋野太作)の3人が中心となって、彼らの友情、生きることの意味や、等身大の悩み、喜びなどを描き、主人公らと同世代の若者たちから絶大な支持を得た連続シリーズで、番組終了後も反響が大きく、続編となるスペシャルドラマが、1985年、1995年、2003年に放送され、3人のその後の人生が描かれた。3人の他にカースケに思いを寄せる洋子(金沢碧)、オメダの妹・真弓(岡田奈々)、カースケたちと同じ下宿に住むワカメ(森川正太)らの重要なキャラも忘れられない。中村が歌う主題歌「俺たちの旅」(作詞作曲・小椋佳)も大ヒットした。

今回の見どころ

何と言っても50年前の連続ドラマのオリジナル・メインキャストがそのまま元気に結集しているところがファンにとって喜ばしいところ。20代の青春真っ盛りだったカースケ、オメダ、グズ六は、今や70代だが、それでもまだ悟りの境地にはほど遠く、カースケは新たな仕事に全力投球、グズ六は相変わらず飄々とし、オメダはやはり人生について悩んでいると、若いころとほぼ変わりがない。そんな彼らの物語を演出する監督に、カースケを演じる中村雅俊が就任したことは本人もびっくりと発言。「俺旅」のテイストを築いた故・斎藤光生の演出を肌で修得してきた中村監督の手腕を味わいたい。また真弓役の岡田奈々の登場も意表を突く形で歳月の重みを感じさせ、「俺旅」に欠かせない洋子(金沢碧)やワカメ(森川正太)たちも、過去の名シーン映像で登場し往年のファンを喜ばせてくれる。

『五十年目の俺たちの旅』
2026年1月9日(金)公開
日本/2026年/1時間49分/NAKACHIKA PICTURES配給
監督・出演/中村雅俊
出演/秋野太作、田中健、岡田奈々、前田亜季、水谷果穂、左時枝、福士誠治

©️「五十年目の俺たちの旅」製作委員会

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