
コウイチ監督は、YouTubeチャンネル「kouichitv」を運営し、若者を中心に熱狂的なファンがつく動画クリエイター。コウイチが監督を手掛けた初の短編映画「最悪な1日」が札幌国際短編映画祭で特別賞を受賞、短編映画「消えない」は、21年YouTubeで公開されるやすぐさま話題となり、再生回数は460万回を越え、新作のショートムービー「バニーキッチン」が好評配信中、そしてこの度、監督・脚本のオリジナル作品で初の劇場長編映画監督デビューを果たす。
ジャンルは得意とするホラー。主演は彗星の如く現れた期待の新星・中島瑠菜。「新幹線大爆破」(25)、『蔵のある街』(25)、『TOKYOタクシー』(25)など話題作に続々と出演し、本作にて長編映画単独初主演を飾る。出演は、まいきち、和田雅成、宮地真緒、奥菜恵という個性豊かなキャストが顔を揃えた。コウイチ監督でしか撮ることができない、怖くて、少し笑って、爽やかな、神様+心霊=新感覚の青春ホラー映画がここに誕生!
YouTubeのその先へ──
動画クリエイター・コウイチが長編映画『とれ!』に辿り着くまで

『とれ!』
(C)2025 「とれ!」製作委員会
主人公の高校3年生の美咲(中島瑠菜)はシングルマザーの母にこれ以上負担をかけまいと、高校卒業後は就職を考えて日々アルバイトに励んでいた。ある日、親友の皐月(まいきち)がSNSに投稿したVLOGでお小遣いを稼いでいることを知り、美咲も興味本位でVLOGをアップしてみることに。すると、美咲の背後に“霊”のようなものが映り込んでいたことで、VLOGがまさかの大バズり。思わぬ“怪奇バズり”に勢いづいた二人は、さらに面白い心霊動画を撮ろうと廃墟でのフェイク動画の撮影を計画するが、廃墟に足を踏み入れたその日を境に、美咲は自分にしか見えない“お面を被った神様”に取り憑かれてしまう──。
青春ホラー映画『とれ!』は、ホラーを軸にしつつ、現代のSNS社会と若者の現実を鋭く、そしてどこかユーモラスに映し出す作品だ。そのメガホンを取ったのは、登録者数89万人を超えるYouTubeチャンネル「kouichitv」を運営する動画クリエイター・コウイチ。本作は、彼にとって初の劇場長編映画監督作となる。
YouTubeから始まった映像表現
コウイチ監督が映像を撮り始めた理由は、決して「映画監督になるため」ではなかった。高校1年生の時にスマートフォンを手にした監督は、当時はまだ新しい表現の場だったYouTubeで動画投稿を開始する。その後10年以上にわたり、企画・撮影・編集・発信のすべてを一人で担いながら「自分が“何を面白いと感じるのか」「どこに違和感を覚えるのか」を探り続けてきた。その積み重ねが、結果的に映像作家としての視点を形づくっていった。
YouTubeで発表した短編ホラー映画『消えない』は約500万回再生(※2026年1月現在)を記録し、札幌国際短編映画祭で特別賞を受賞。これが、コウイチ監督にとって大きな転機となった。再生回数が伸びたら同作を長編化する案もあったというが、監督は「短編で完結している物語を、無理に引き延ばしても面白くならない」と判断し、制作チームと何度もプロットを練り直し、最終的に“神様に見つかることから始まる怪異譚”という新たな物語『とれ!』へと辿り着いた。
動画と映画、編集の決定的な違い
YouTubeと長編映画における編集の違いについて、コウイチ監督は、「編集は基本変わらない気はしますが、映画の間というのは、やはりあるなと感じました。YouTubeは会話と会話の間を基本的にジャンプカットで詰めていくことが多いので、最初それをやったらかなり短くなっちゃったんです。これだと長編映画にはならないと思って、間を大切にしました。」と明かす。
さらに、短編作品と、本作のような長編映画との違いについては、「短編は1発アイデア勝負だと思うのですが、長編映画はそれだけだと成立しない。例えば神様にずっと取り憑かれる話だけだったら短編でも成立するかもしれないですけど、そこに高校生が学費を稼ぐとか、母親が実はトラウマがあって、というようなキャラクターの物語を加えるというのは、やはり長編作品でしかできないですよね。物語に深みを持たせられるところが、長編の魅力だと思います。」と語った。
SNSと「バズる」という沼
本作が描く大きなテーマの一つが、「SNS」と「バズること」だ。自身も「バズりで人生が変わった」と語るコウイチ監督は、「選択肢が増えるだけで人生の風向きが変わると思うんです。今はインターネットで高校生でも稼げてしまう時代で、この作品でいうと主人公の高校生が大学進学っていう、当初予定していなかった選択肢が増えるんです、本当にチャンスだらけな気がしているんです。」と、SNSがもたらす可能性について話す。
しかし一方で、動画投稿に関しては、「自分の価値が数字でみんなに丸見えっていう状況に、多くの人は耐えられないと思うんですよね。動画はずっと残りますし、発信すること自体、自分の価値観みたいなものが世間とすり合わせできていないとすぐ炎上してしまう。インターネットに常に触れている人じゃないと、何が反感を買うかわからないので、正直あまりおすすめはしないですね。」と、その裏にある怖さも語っている。
動画クリエイターとして、バズによって人生の選択肢が広がった経験を持つコウイチ監督だからこそ描けた、SNS時代の光と影。監督がカメラで撮り続けてきた日々の延長線上にあるバズることの怖さと、そこに添えられた少しの笑い、そして観終わった後に残る爽やかな後味。それらすべてが詰まった新感覚の青春ホラー映画『とれ!』は、2026年1月16日(金)公開。
『とれ!』
2026年1月16日(金)テアトル新宿他全国公開
配給:KADOKAWA
(C)2025 「とれ!」製作委員会

