サム・ライミの最新作『HELP/復讐島』は、無人島という極限の舞台で、人と人との関係がどのように崩れていくのかを描いた“復讐エンターテインメント”。本特集では、ライミならではのブラックユーモアとキャスティングの妙に注目しながら、本作の魅力に迫ります!(文・デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『HELP/復讐島』より © 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

イントロダクション

奇才サム・ライミ監督が仕掛ける“復讐エンターテインメント”

『死霊のはらわた』でホラー映画の歴史を塗り替え、「スパイダーマン」シリーズでエンターテインメントの頂点を極め、近年も『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で狂気と映像美を融合させてきたサム・ライミ。常にジャンルの枠を越え、“人間が極限に追い込まれた瞬間”を描き続けてきた彼が、人間の狂気と復讐心を炙り出す。

『HELP/復讐島』の舞台は、逃げ場のない無人島。文明も秩序も存在しないその場所で浮かび上がるのは、人間の本性と抑え込まれてきた感情だ。主人公は、日々パワハラに耐えながら生きる会社員のリンダ。ある飛行機事故をきっかけに、彼女は最も一緒にいたくない存在─横暴な上司ブラッドリーと二人きりで孤島に取り残される。

島に閉じ込められたリンダは生き延びるために食料探しに奮闘する

主人公リンダを演じるのは、『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』や『スポットライト 世紀のスクープ』で繊細さと芯の強さを併せ持つ演技が高く評価されてきたレイチェル・マクアダムス。日常では理不尽なパワハラに耐えながら生きる一人の会社員が、極限状況の中で内に秘めていた怒りと復讐心を解き放っていく難役に挑む。

一方、リンダとともに島に取り残されるパワハラ上司ブラッドリーを演じるのは、「メイズ・ランナー」シリーズで知られるディラン・オブライエン。オフィスでは絶対的な権力を振るっていた男が、文明から切り離された孤島で無力な存在へと転落していく姿を、緊張感たっぷりに体現する。

そして音楽を担当するのは、ライミ作品には欠かせない長年の盟友ダニー・エルフマン。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をはじめ数々の名作を彩ってきた不穏で印象的な旋律が、無人島で追い詰められていく二人の心理を鋭く浮かび上がらせる。

あらすじ

日々、上司ブラッドリー(ディラン・オブライエン)からのパワーハラスメントに耐える会社員リンダ(レイチェル・マクアダムス)は、出張中の飛行機事故で無人島に漂着する。サバイバル能力を発揮するリンダと、怪我で無力な上司。立場は次第に逆転し、抑え込まれていた怒りと復讐心が露わになっていく。逃げ場のない孤島で、人間の理性は崩壊していく──。

登場人物

リンダ(レイチェル・マクアダムス)

理不尽なパワハラに耐える“普通の会社員”。だが無人島では、サバイバル能力を持つ彼女こそが生き延びる鍵となる。抑え込んできた怒りと復讐心が、力関係の逆転とともに静かに目を覚ましていく。

リンダ(レイチェル・マクアダムス)

ブラッドリー(ディラン・オブライエン)

オフィスでは絶対的な権力を誇る横暴な上司。しかし無人島では、怪我を負い、助けを必要とする存在へと転落する。支配者であり続けようとする執着が、状況をさらに歪ませていく。

ブラッドリー(ディラン・オブライエン)

見どころ

サム・ライミが仕掛ける、無人島で加速する“悪夢の関係”

無人島という極限状況は、本作では単なるサバイバルの舞台ではない。ライミ自身が海外インタビューで「脚本を読んだとき、“本当にとんでもない話だ”と思わず笑った」と語っているように、本作が描くのは過剰な恐怖ではなく、人と人の関係性そのものが狂気へ転がっていく過程だ。島で交わされる会話は、生き延びるための手段を巡る応酬であると同時に、価値観や皮肉を削り合うダークコメディとしても機能する。ライミならではの悪意とユーモアが、単純なホラーを超えた快感へと昇華している。

画像: 上司ブラッドリーの命運は、虐げてきた部下リンダの手に

上司ブラッドリーの命運は、虐げてきた部下リンダの手に

キャスティングが生む、意外な緊張感

本作の面白さは、キャストの“イメージ操作”にもある。『きみに読む物語』などで共感性の高い役柄を多く演じてきたレイチェル・マクアダムスと、「メイズ・ランナー」シリーズで危機的状況に置かれた人物を体現してきたディラン・オブライエン。この二人が無人島で向き合うことで、観客は無意識のうちに「どちらを信じるか」「どこまで感情移入するか」を揺さぶられる。ライミは俳優の持つ既存イメージをあえて利用し、そこから少しずつ裏切っていく。二人のスリリングな演技対決を堪能しつつ、キャスティング自体に仕掛けられた心理トラップを体感することで、本作のブラックな余韻はより際立つ!

Rachel McAdams

Dylan O'Brien

『HELP/復讐島』
1月30日(金)公開
アメリカ/2026年/1時間52分/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
監督/サム・ライミ
出演/レイチェル・マクアダムス、ディラン・オブライエン

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