カバー画像:『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 © 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.
第98回アカデミー賞9部門ノミネート
作品賞、監督賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、キャスティング賞
イントロダクション
舞台は1952年、戦後の熱狂に沸くニューヨーク。ロウアー・イースト・サイドの靴屋で働く青年マーティは、得意のマシンガン・トークと卓球の天賦の才を武器に、敷かれたレールからの脱出を企てていた。本作は、実在の天才卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て、アドレナリン全開で駆け抜ける“最高の最低男”が、野心と再生を胸に世界へ挑む姿を描いた物語。
製作は革新的な意欲作を放つA24。鬼才ジョシュ・サフディが約8年に及ぶ膨大なリサーチをもとに、卓球をかつてない緊張感に満ちた映画的スペクタクルへと昇華させた。米レビューサイトのロッテントマトで97%を記録した本作は、米国内わずか6館での先行公開ながら1劇場あたりの興行収入で『ラ・ラ・ランド』以来の最高記録を樹立。さらに全米公開後の初動でA 24史上最高の興収を記録する大ヒットを飛ばし、本年度アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む9部門にノミネートの快挙を達成した。
主人公マーティを演じるのは、現代映画界の至宝ティモシー・シャラメ。『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のボブ・ディラン役を経てさらに進化した彼が、栄光を追い求める男を熱演。共演は、元大物女優ケイ役に6年ぶりのスクリーン復帰となるグウィネス・パルトロウ、恋人レイチェル役に『アンティル・ドーン』のオデッサ・アザイオン。
さらに世界的ラッパー、タイラー・ザ・クリエイターが親友ウォーリー役でスクリーンデビューを飾り、日本人卓球選手エンドウ役には、東京2025デフリンピックの卓球日本代表・川口功人(トヨタ自動車)を抜擢。プロの俳優と本物のアスリートが火花を散らす、独創的なキャスティングも見どころだ。
あらすじ
1952年のニューヨーク。靴屋の店員マーティは、世界一になり一発逆転を狙う天才卓球プレイヤー。野望を抱き挑んだ世界選手権だったが、宿敵エンドウの前に惨敗。帰国した彼を待っていたのは、旅費を盗んだことによる親類からの強盗告発と、恋人の妊娠という逃げ場のない現実だった。どん底から雪辱を果たすべく、彼は日本行きの資金を求めて奔走する。
登場人物
マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)
女ったらしで 嘘つきで自己中な “サイテー男”
叔父の靴屋で働く23歳。店長への昇進話を蹴り、店の金を盗んで海外遠征へ向かう野心家。類まれな技術と人を食ったような自信を武器に、金と名誉を求めて「底辺」から世界の頂点を目指す。
マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)
ケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)
かつての熱狂を夢見る女優
資産家との結婚で引退した元大物女優。華やかな生活の裏で役者業への未練を抱える彼女は、奔放なマーティに魅了され、自らの情熱を取り戻そうとする。
ケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)
ミルトン・ロックウェル(ケビン・オレアリー)
野心を飼い慣らす、非情な資産家
傲慢な資産家でケイ・ストーンの夫。マーティの後援者となるが、日本遠征の支援と引き換えに非情な契約を突きつける。
ミルトン・ロックウェル(ケビン・オレアリー)
コト・エンドウ(川口功人)
突如現れた最大のライバル
世界選手権に突如現れた日本人選手。常識を覆すスピードを見せマーティを圧倒する。マーティの前に立ちはだかる最大のライバル。
コト・エンドウ(川口功人)
レイチェル(オデッサ・アザイオン)
嘘と秘密を抱え、彼の夢に賭ける 共犯者
マーティの幼馴染。自身は既婚者だが、身勝手なマーティを最も理解し支え続ける。妊娠を隠したまま、機転を利かせて彼の野心を助ける。
レイチェル(オデッサ・アザイオン)
ウォーリー(タイラー・オコンマ/タイラー・ザ・クリエイター)
どこまでも無茶に付き合う一番の相棒
タクシー運転手でマーティの親友。高額な遠征費を稼ぐための奇想天外な計画に巻き込まれながらも、マーティの野心を一番近くで支える。
ウォーリー(タイラー・オコンマ/タイラー・ザ・クリエイター)
エズラ・ミシュキン(アベル・フェラーラ)
執拗に追いまわす愛犬家
愛犬を異常なほど溺愛する男。行方不明になった愛犬を巡り、マーティと激しく対立することになる。
エズラ・ミシュキン(アベル・フェラーラ)
伝説の男マーティ・リーズマンとは?
本作のモデルとなったのは、アスリートの枠を大きく踏み出した型破りな生涯を送った実在の卓球選手、マーティ・リーズマン。全米選手権を3度制し、世界選手権でも複数のメダルを獲得した真の実力者でありながら、その素顔は稀代のエンターテイナー。名門バスケチーム「ハーレム・グローブトロッターズ」のツアーに帯同し、フライパンやスニーカーをラケット代わりに操るパフォーマンスで観客を沸かせた。
その一方で、ストッキングやクリスタルを密輸・売買して遠征資金を稼ぎ、時には国家元首にさえ高額の賭け試合を挑むなど、恐れ知らずなハスラーとしての顔も持っていた彼は、まさに波乱万丈を地で行く男。かつてリーズマン本人が自叙伝の映画化に際し、ロバート・デ・ニーロへ主演を依頼したという逸話もあるが、実現には至らなかったそうだ。
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ジョシュ・サフディ監督インタビュー
“彼(シャラメ)はドリーマーだと感じたから、
この役にピッタリだと思ったんだ”
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── なぜマーティ・シュプリームなのでしょうか? このストーリーを伝えたかった理由は?
「前作の『アンカット・ダイヤモンド』は、僕が10年かけて実現させた“夢”だったんだ。最初は誰も信じてくれず、“これだけの規模のこういう映画を撮りたい”と説明しても嘲笑された。“希望の5パーセントの額を出資しよう、君にはそこまでの価値がないから”とか、“DIY的なインディペンデント映画を作り続けるべきだ”とか言われ続けた。その度に、この夢を叶えないといけないという思いが強まった。実現できなければ、僕に屈辱を与えている人々を満足させるだけだったからだ。どれだけ大切な作品か証明するために、他の作品を作り続けたくらいだ。そのために僕は人生を犠牲にしてきた。僕にとって、その作品以外、何もなかったんだ。
当時、隣で僕をずっとサポートしてくれていたのが、今の妻だった。そんな彼女がある本を見つけてきてくれたんだ。20世紀半ばのニューヨークで活動していた卓球選手たちについてだった。彼らは定職に就けず、ハスラーで、社会からも見放されたはみ出し者で、誰も彼らの夢を信じていなかった。でも彼らは自分たちのことを猛烈に信じていた。月曜は寝る所がなくても、火曜にはパリのリッツ・カールトンに泊まっていたりする。そのグローバルな規模が面白かった。アメリカでは蟻のような存在なのにね。真剣に夢を追い続けていたんだ。彼らが生きていた時代を知り、一気に世界が広がったのさ」
── すべてを懸けてアメリカン・ドリームを実現する主人公に、ティモシー・シャラメを起用した理由は? キャスティングの経緯を教えてください。
「ティモシーと初めて会ったのは、ロバート・パティンソン主演の『グッド・タイム』のプレミア上映の時だった。“次世代のスーパースター”と紹介されたんだ。そう言われると普通は懐疑的になるんだけどね。実際に会ってみると、彼は自分が置かれている現状に満足していない少年で、“これは本来の僕じゃない、僕はティミー・シュプリームだ”と僕に言い聞かせてきたんだ。抑えきれないエネルギーが彼の中で爆発していて、落ち着きがなかったが、本人はすごく真剣だった。でも同時にふざけて冗談を言ったりして、彼のそういう複雑な内面に魅了された。偉大な何かを追い求めていて、彼はドリーマーだと感じたから、この役にピッタリだと思ったんだ」
ジョシュ・サフディ監督プロフィール
1984年4月3日、米・NY出身。弟ベニーとコンビを組み『神様なんかくそくらえ』(14)で注目を集める。その後『グッド・タイム』(17)『アンカット・ダイヤモンド』(19)など、焦燥感溢れる傑作を連発。待機作はドゥエイン・ジョンソンが伝説の格闘家マーク・ケアーを演じる『スマッシング・マシーン』(日本公開は5月15日)。
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
3月13日(金)公開
アメリカ/2025年/2時間29分/ハピネットファントム・スタジオ配給
監督:ジョシュ・サフディ
出演:ティモシー・シャラメ、グウィネス・パルトロウ、オデッサ・アザイオン、ケビン・オレアリー、 タイラー・オコンマ、アベル・フェラーラ
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