「長年付き合ってきた友人との関係性こそが、自分の姿を映す鏡になっていたんじゃないかなって。そんな風に感じながら撮影していたよ」(キアヌ)
──最初に脚本を読まれた際に、ご自身の演じる役柄に対してどのような印象を持ちましたか?
キアヌ・リーヴス(以下、キアヌ)「僕が演じたリーフは、国民的俳優として活躍してきたにも関わらず、突然キャリアが絶たれるかもしれないという恐ろしい状況に陥り、振り回されるのですが、それがとても可哀想に思えてならなかったです。彼は確かに人から見て“嫌だな”と思われる面もあり、過ちもたくさん犯してきましたが、完全な悪人ではないんです。正直、リーフを演じていてすごく居心地が悪かったです(笑)」
キャメロン・ディアス(以下、キャメロン)「そんなキアヌを現場で見ていてちょっと気の毒だなと思いました。私とマットはリーフを応援して支える友人を演じましたが、撮影はキアヌに比べて随分と気が楽だったんです」
マット・ボマー(以下、マット)「僕はザンダーとして、キャメロンはカイルとして『私たちが側にいるから大丈夫だよ』ってリーフをただ励ませばよかったからね」
キャメロン「そうそう。これから人生まるごと破壊されかねない、そんな境遇にいる男を、キアヌは戦々恐々としながら演じていたのが印象的でしたね」
キアヌ「僕はカイルとザンダーがいたからこそ、リーフは大事なことに気付けたと思うんだ。二人はリーフに対して正直に意見や気持ちを言ってくれるしね。長年付き合ってきた友人との関係性こそが、自分の姿を映す鏡になっていたんじゃないかなって。そんな風に感じながら撮影していた。ただ、この二人はちょっとリーフに甘い気もするね(笑)」
キャメロン「あはは(笑)。でもね、聞く耳を持たない人に説教しても仕方がないし、カイルとザンダーは破滅まっしぐらの友人を黙って見ることしかできなかったんだと思う。周りがいくら言っても本人が自覚するまで止められない、そういうものですよね。カイルとザンダーだってまだ成長の途中で、完璧な人間じゃないですから。ただ、辛い状況に陥っているリーフを見ているのはカイルとして辛かったです」
キアヌ「そうだよね。リーフはあくまでも自己中を貫くし…。そんなリーフですが、二人が自分にとってどれほど大切なのかということに気付く展開もあるので、期待していてほしいです」
「私が印象に残っているのは、マットがシーンごとに違う演技をしていたこと。ザンダーの場面だけを繋ぎ合わせた映像を見てみたいぐらい(笑)」(キャメロン)
──この三人だからこそ成立したこと、遠慮せずにお芝居でぶつかり合えたと思うエピソードがあれば教えていただけますか。
キアヌ「どんなシーンでも、表面下で何が起こっているのか、どんな心理が働いているのかなど、脚本や台本に書いてあることから一歩踏み込んで考えなければならなかったんです。でも、ジョナ(・ヒル監督)がしっかりと環境を整えてくれたおかげで、役や作品と向き合うことができたように思います。撮影中は、僕らは常に前のめりになって“ここでいよいよこいつが白状するぞ”とか“これから真実を告白するな”などを意識しながら集中して演じることができました」
マット「最初は脚本通りに演じてみて、そのあとジョナが自由にやらせてくれたおかげで、自然と僕らの息も合っていったというか。プロ中のプロが三人揃っていることも大きいですが、脚本が優れていたのと、ジョナの現場だったからこそ僕らの間で素晴らしいケミストリーが起きたんじゃないかなと思います」
キャメロン「私が印象に残っているのは、マットがシーンごとに違う演技をしていたこと。ザンダーの場面だけを繋ぎ合わせた映像を見てみたいぐらい(笑)。そういえば、実はカイルとザンダーはジョナの高校時代の友人たちがモデルになっていて、実際にお二人は現場にいらしていたんです。撮影中に彼らがモニターで私たちの芝居を見ている時は、すごくメタ的な感覚を覚えました」
マット「ちなみにザンダーは、ジョナと共同脚本を担当したエズラ(・ウッズ)がモデルで、カイルの職業はコンサルタントだったっけ?」
キャメロン「ええっと…ジョナとエズラのミューズであることは間違いないね」
「最初は脚本通りに演じてみて、そのあとジョナが自由にやらせてくれたおかげで、自然と僕らの息も合っていったんだ」(マット)
──本作にはマーティン・スコセッシ監督が出演されていますが、ジョナ監督はスコセッシ監督をどのように演出されていましたか?
キアヌ「ジョナはスコセッシ監督に対してものすごいリスペクトを持っていて、それと同時に楽しそうに演出していました。スコセッシ監督は俳優として作品に関わった経験もあるからか、いちいちジョナに確認していましたね。『今のどうだった? オッケー。もうワンテイクやる?君に任せるよ』(スコセッシ監督の真似をするキアヌ)って(笑)」
キャメロン「スコセッシ監督は演出され慣れているからジョナに委ねる余裕があったんじゃないかな。ジョナは演出の仕方もしっかりと心得ていますしね。彼の演出はすごく楽しかった」
マット「ジョナは俳優に対して自分の思った方向に無理やり導くことはせず、俳優自身が自分で最適解を見つけられるように泳がせる余裕を持っているんです。“絶対に脚本を変えたくない!”という方ではないので、僕ら俳優にとって最高の監督でした」
PROFILE
キアヌ・リーヴス:1964年9月2日生まれ。カナダで育ち、16歳でTV作品に出演。80年代からハリウッドで活躍。直近の主演作に天使を演じた『グッド・フォーチュン』(2025/配信中)もある。
キャメロン・ディアス:1972年8月30日生まれ。『マスク』(1994)でスクリーンデビューを果たし、一躍トップスターに。2018年に俳優引退宣言をしたが、2023年の『バック・イン・アクション』で復帰した。
マット・ボマー:1977年10月11日生まれ。2009年放送開始の「ホワイトカラー」で一躍人気を集めた。ほか映画「マジック・マイク」シリーズ、TV「フェロー・トラベラーズ」(2024)に出演。
4/10(金)配信開始 Apple Original Films『アウトカム』
ジョナ・ヒル監督脚本&キアヌ・リーヴス主演で贈るダークコメディ。国民的俳優・リーフの元に、衝撃的な“謎のビデオ”が届いたことをきっかけに、自身の過去と向き合いながら魂の“謝罪行脚”を行う主人公の姿を描く。主演のキアヌ・リーヴスがリーフを演じ、リーフの生涯の親友であるカイルとザンダーをキャメロン・ディアスとマット・ボマー、危機管理専門の弁護士アイラをジョナ・ヒル、リーフの元エージェント役をマーティン・スコセッシ監督が演じている。

Apple Original Films『アウトカム』
監督:ジョナ・ヒル
出演:キアヌ・リーヴス、キャメロン・ディアス、マット・ボマー
Apple TVにて4月10日(金)より世界同時配信開始
画像提供 Apple TV

