カバー画像:『ハリー・ポッターと賢者の石』
Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.
Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.© 2026 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
魔法世界を余すところなく映しあげた大傑作
映画を楽しむ感覚は、旅を楽しむ感覚に似ている。旅で知らない土地を歩き、初めて違う文化に触れて驚いたり、食べたことのない味を堪能したり。五感を精一杯伸ばして、体験を楽しむのが旅の醍醐味だ。映画もまさにそれ。私達は主人公に自分の視点を重ね合わせ、主人公の経験をあたかも自分の体験のように感じ取る。ただ巨大なスクリーンに映し出される映像を見ているに過ぎないのに、ハラハラドキドキし、時には嗚咽したくなるほど涙を流し、憤りを感じていたたまれないような気持ちになる。2〜3時間の映画の旅で一生分の体験をしてしまう感触があるのだ。
だから初めて『ハリー・ポッターと賢者の石』を観た時、魔法の世界に入り込んでいく感覚に「おおっ、なんと楽しい♫」とウキウキせずにはいられなかった。特に1作目である本作は、ハリーが初めて知る魔法の世界に胸踊らされる様を、自分のこととして体験できるのが素敵なのだ。
伯父・伯母・従兄弟であるダーズリー家の中で冷遇されながら育ってきたハリーが、ある日突然、蛇と会話できた時の驚愕。巨人の血が流れるハグリッドと出会った時、ハリーが感じたように私達も「デカっ!」と感じたものだ。ホグワーツからの手紙を受け取ろうとしないダーズリー家の周辺を取り囲むフクロウの集団に「やーい、大変なことになったぞ」とダーズリー家がキリキリ舞いする様に普段の虐げられているハリーの気持ちを想いつつニヤニヤし、ロンドンの街の裏側に存在するダイアゴン横丁に魅了され、オリバンダーの杖店で杖を買うことになるハリーの姿を見て、自分も杖を持って魔法に挑みたいという胸の高鳴りを感じずにはいられなかった。
人間の住む世界のすぐ横に、魔法世界は実はある……。そんな思いを現実に感じさせるような素晴らしい夢の世界が、本作では描かれているのだ。しかも1作目はそのひとつひとつの魔法世界の描写がとても細かい。初めてホグワーツ特急に乗った時のワクワク感。天井に星空が広がり、無数のキャンドルが浮かぶ、美しい食堂に入った時の感動のため息は、ハリー同様、つかずにはいられない。
1作目の監督だったクリス・コロンバスは、そういう魔法世界の体感を観客に味合わせることにとても長けていた。細かい部分をはしょることをあまりせず、ハリーが素直に驚いたことをすべてピックアップし、ハリーの活き活きとした表情とともにその感動を伝えてみせた。例えば何万本も魔法の杖を所蔵しているオリバンダーの店とか、画面の隅っこに映っているのかどうかもわからない所まで、細かく手を抜かず美術スタッフが作りこんでいたのがわかったし、それを余すところなく写し込もうとするコロンバス監督の意気込みも感じた。
何よりも驚いたのは、自分は原作を先に読んでいたが、その原作を読んだ時のイメージとほぼ遜色なく世界観が作られていたこと。 特にクィディッチの試合などは、文章だとややわかりにくい部分も映像で観ると「こういうスポーツなのか」とやけに納得できた。
もうひとつ映像になった時に思わず唸ったのは、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が、本当にイメージ通りだったこと。いやダンブルドア校長もスネイプもマクゴナガル先生も、誰も彼も見事すぎるキャスティングでここまで原作を立体化できるのかと思った。だからこそより素直に映画の世界に飛び込め、ハリーの見たモノをまんま体験できた。この感覚はまさに魔法のようだったといえる。それを1作目で完遂したからこそ、「ハリー・ポッター」シリーズは大成功を治めることができたのだ。
『ハリー・ポッターと賢者の石』
デジタル配信中
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン
ブルーレイ&DVD 発売元/販売元:ハピネット・メディアマーケティング
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