スクリーンを鮮やかに彩ったあの衝撃から、20年の月日が流れました。2026年、ついに幕を開ける『プラダを着た悪魔2』という新たなランウェイを前に、アン、エミリー、メリル、そしてスタンリーが歩んできた、輝かしくもドラマチックな20年間の軌跡を振り返ります。(文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photos by Getty Images

エミリー・ブラント(エミリー役)

変幻自在、なのに揺るぎない!
「プラダ」の助演から、ハリウッドを象徴する主演俳優へ

画像3: Photos by Getty Images

Photos by Getty Images

今や世界的トップ俳優の一人であるエミリー・ブラントだが、『プラダを着た悪魔』以前は、映画ファンにもほぼ無名の存在だった。その後、ハリウッドでの活躍を見てきた人には、そもそも彼女がイギリス出身ということすら知らない…というケースも多い。

「プラダ」でゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたことで、ブラントのこの20年は、トップスターへの道を絵に描いたような軌跡となった。

「プラダ」の後、その演技力を見せつけたのは『ヴィクトリア女王 世紀の愛』で、タイトルのヴィクトリア女王を堂々の貫禄で演じ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞(ドラマ部門)にノミネート。そこからは多彩なジャンルの作品で活躍していく。

『ウルフマン』ではモンスターホラー、『ガリバー旅行記』ではコメディ、『LOOPER/ルーパー』ではSF、トム・クルーズと共演した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ではアクション、『スノーホワイト/氷の王国』ではファンタジー、『ガール・オン・ザ・トレイン』ではスリラー……と、どんな要望にも応え、役になりきってしまうブラントの持ち味が、多くの作り手のラブコールを誘うことになる。

中でもミュージカルでは『イントゥ・ザ・ウッズ』や『メリー・ポピンズ リターンズ』でその才能を最大限に発揮。メリー・ポピンズ役には、イギリス出身ならではの魅力も加味させた。

公私ともに最高のパートナーを得て
そのキャリアはさらなる成熟の時へ

画像: 夫婦でタッグを組んだ『クワイエット・プレイス』(18)が大ヒット!シリーズ第3作目は、この春撮影開始見込みで、米公開は来年春の予定 Photo by Gary Miller/FilmMagic

夫婦でタッグを組んだ『クワイエット・プレイス』(18)が大ヒット!シリーズ第3作目は、この春撮影開始見込みで、米公開は来年春の予定
Photo by Gary Miller/FilmMagic

そしてブラントのキャリアに大きな影響を与えたのが、2010年の俳優ジョン・クラシンスキーとの結婚だ。彼が脚本・監督を務め、ふたりで主人公の夫婦を演じた『クワイエット・プレイス』が大ヒットを記録。続編も作られた。

クラシンスキーの監督作『ブルー きみは大丈夫』にも声優として参加するなど、ふたりは私生活だけでなく、クリエイティヴの面でも最高のパートナーとなっている。2人の娘の母親として、家族との時間も重視しているせいか、ここ数年は俳優業でも選りすぐりの作品をチョイスしている印象。

結果的にアカデミー賞作品賞に輝いた『オッペンハイマー』では、ブラントも助演女優賞でオスカー初ノミネート。日本ロケにも参加した『スマッシング・マシーン』、今夏はスピルバーグの超大作『ディスクロージャー・デイ』で主演を務めるなど、「プラダ」から20年でハリウッドの頂点を極めたと言えそう。

画像: 2024年、SAG賞(全米映画俳優組合賞)でプレゼンターとして、揃ってステージに登場。『プラダを着た悪魔』で演じたキャラクターのなりきりコントをして会場を沸かせたことも話題に Photo by Matt Winkelmeyer/Getty Images

2024年、SAG賞(全米映画俳優組合賞)でプレゼンターとして、揃ってステージに登場。『プラダを着た悪魔』で演じたキャラクターのなりきりコントをして会場を沸かせたことも話題に
Photo by Matt Winkelmeyer/Getty Images

2026年、エミリー出演の日本公開待機作

画像: 『スマッシング・マシーン』

『スマッシング・マシーン』

5/15(金)公開
伝説の格闘家、マーク・ケアーの実話を描く
『スマッシング・マシーン』(配給:ハピネットファントム・スタジオ)
©️2025 Real Hero Rights LLC

画像: 『ディスクロージャー・デイ』

『ディスクロージャー・デイ』

7/10(金)公開
スティーヴン・スピルバーグ最新作全人類が目撃する“真実”に迫る
『ディスクロージャー・デイ』(配給:東宝東和)
© Universal Studios. All Rights Reserved.

スタンリー・トゥッチ(ナイジェル役)

どんな役も血肉に変える圧倒的な演技力!
名助演から監督、美食の世界まで極める多才

画像4: Photos by Getty Images

Photos by Getty Images

『プラダを着た悪魔』以前も、名バイプレイヤーとしてハリウッドでは欠かせない存在となっていたスタンリー・トゥッチ。特に「プラダ」直前は、『ターミナル』での仕事にシビアな空港の国境警備局主任や、日本のオリジナル版で竹中直人が演じた役を引き継ぐ『Shall We Dance?』など、主役をしのぐ存在感を放っていた。

そこへきて「プラダ」での、アン・ハサウェイのアンディを、時に優しく、時に冷静にサポートするナイジェル役は、俳優としてのトゥッチの魅力が最大限に発揮された。「プラダ」出演は、トゥッチのプライベートも大きく変える。

共演で親しくなったエミリー・ブラントの紹介で、彼女の姉のフェリシティと2011年に婚約し、翌2012年に結婚したのだ。「プラダ」当時、トゥッチには妻がいて、ふたりの間には3人の子供が誕生。しかしその妻が2009年に乳がんによってこの世を去り、ブラントの姉と第2の人生を送ることになった。

画像: エミリー・ブラントの姉フェリシティとは今年、結婚14周年。2人の間にはマッテオ(15年生)とエミリア(18年生)の2児がいる Photo credit should read Wiktor Szymanowicz/Future Publishing via Getty Images

エミリー・ブラントの姉フェリシティとは今年、結婚14周年。2人の間にはマッテオ(15年生)とエミリア(18年生)の2児がいる
Photo credit should read Wiktor Szymanowicz/Future Publishing via Getty Images

人間の深淵を覗かせる
圧倒的な表現力

俳優としては『ラブリーボーン』でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。主人公の14歳の少女の隣人で、おとなしそうに見えながら、彼女を殺害するという役で、観る者の背筋を凍らせた。

どんな役でも、その裏、さらに奥という、多様な面を表現できるのがトゥッチの才能だと同作は証明。この持ち味は大ヒットシリーズ「ハンガー・ゲーム」でのインタビュアー役や、『教皇選挙』で急進的な考えの次期教皇候補ベリーニ枢機卿役などでも生かされた。

「プラダ」の仲間では、『ジュリー&ジュリア』でメリル・ストリープと夫婦役で再共演。状況や関係性はまったく違うけれど、トゥッチは“相手をサポートする”役どころというのが微笑ましかった。そして『魔女がいっぱい』ではアン・ハサウェイと再会する。

画像: メリルと再共演を果たした『ジュリー&ジュリア』(09)のプレミアにて Photo by Alain BENAINOUS/Gamma-Rapho via Getty Images

メリルと再共演を果たした『ジュリー&ジュリア』(09)のプレミアにて
Photo by Alain BENAINOUS/Gamma-Rapho via Getty Images

「プラダ」以前にも監督・脚本作が2本あったが、この20年でも『ジャコメッティ 最後の肖像』を監督・脚本。天才画家の苦闘を描き、ベルリン国際映画祭で喝采を浴びた。

さらに自身がガイド役で出演し、イタリアを案内するシリーズを2021年、2025年と2回も製作。エヴァ・ロンゴリアがメキシコのグルメを紹介するシリーズでも製作総指揮を担うなど、ここ数年は旅行ドキュメンタリーに積極的に関わっている。

Instagram

www.instagram.com

Disney+で配信中の「スタンリー・トゥッチのイタリア料理に恋して」も必見だが、スタンリーの公式インスタグラムでは数々のおいしそうな料理がアップ!これまでに2冊も料理本を出版している。

2026年以降、スタンリー出演の待機作

Prime Video初のフランス・イタリア合作となる強盗アクション映画
『Masterplan(原題)』

画像: ビクター・ベルモンドとシモーナ・タバスコ Photos by Getty Images

ビクター・ベルモンドとシモーナ・タバスコ
Photos by Getty Images

スタンリーは、今作で主人公のレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」を狙う伝説の泥棒を演じる。監督はトーマス・ヴィンセント(「ボディガード -守るべきもの-」)。共演はビクター・ベルモンド(ジャン=ポール・ベルモンドの孫)、シモーナ・タバスコ(「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」S2)ほか。

This article is a sponsored article by
''.