1986年、1本の映画がスクリーンという大空ヘテイクオフしました。その映画の名前は『トップガン』。北米公開から40周年を迎える今、世代も時代も超えて愛される映画となった同作の魅力に、改めて迫ります。(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部/カバー写真・『トップガン』© 1986,2020 Paramount Pictures.)

PART2 あの頃とそれから──『トップガン』の立役者たち

主人公マーヴェリック役を演じたトム・クルーズの大出世作となった本作。物語を彩ったキャストたち、そして監督トニー・スコットの当時とその後を追ってみましょう。

プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと故ドン・シンプソンが雑誌の記事に発想を得て、“戦闘機版『スター・ウォーズ』”を目指して作られた『トップガン』。この映画がとてつもない魅力を放った背後には、多くの貢献者が存在する。そんな関係者たちのその後の歩みについて、俳優を中心に振り返ってみよう。

画像: トム・クルーズ © 1986,2020 Paramount Pictures.

トム・クルーズ © 1986,2020 Paramount Pictures.

まずは何と言ってもマーヴェリック役のトム・クルーズ。当時リドリー・スコット監督の『レジェンド/光と闇の伝説』に出演していた彼は、最初は気乗りしなかったというが、トニー・スコット監督の兄であるリドリーに説得され、引き受けることに。これがトムの俳優人生を飛躍的に押し上げるのだから、世の中わからない。以後、ハリウッドを代表するスターとして君臨し続けているのはご存じのとおりだが、出世作『トップガン』への思い入れは強く、36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』では製作も兼任し、前作を上回るスケールの作品に仕上げて世界的な大ヒットに導いた。まだまだ“伝説”を更新しているのだから恐れ入る。

画像: ヴァル・キルマー © 1986,2020 Paramount Pictures.

ヴァル・キルマー © 1986,2020 Paramount Pictures.

ヴァル・キルマーも当初は出演を渋ったひとりだが、彼の静かな知性がクールなアイスマンに命を吹き込んだことを思うと、他の役者が演じる姿はもはや想像できない。情熱的なマーヴェリックとの対比を鮮明にした点でも貢献度は大。彼もこの後、主演級のスターとなり『ドアーズ』や『バットマン フォーエヴァー』などのメガヒット作に出演。晩年は病気により声を失う困難に直面したが、『トップガン マーヴェリック』ではアイスマン役に復帰し、観客に深い感動をあたえた。これが結果的に遺作となったことを思うと、涙なしでは見られない。

画像: ケリー・マクギリス © 1986,2020 Paramount Pictures.

ケリー・マクギリス © 1986,2020 Paramount Pictures.

チャーリー役のケリー・マクギリスは続編に出演することはなかったが、『トップガン』にもたらした、成熟したロマンスの要素は忘れ難い。彼女は大人のインテリジェンスを漂わせながらこれを体現。どこか子どもっぽいマーヴェリックを大人に成長させる役割を、しっかりと務めた。この後、『告発の行方』でも大役を務め、演技派として高く評価される。現在はハリウッドとは距離を置き、福祉活動に従事しながら舞台にも立ち、俳優としてのキャリアをマイペースで進めている。

画像: トム・クルーズと話すトニー・スコット Photo by Paramount Pictures/Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images

トム・クルーズと話すトニー・スコット
Photo by Paramount Pictures/Sunset Boulevard/Corbis via Getty Images

トニー・スコット監督は2012年の段階では続編にも携わる予定だったが、急逝によってかなわずに終わった。それでも、彼が『トップガン』で果たした貢献は誰もが認めるところ。MTV的な映像美とスピード感を映画に持ち込み、80年代アクションの新しいスタイルを確立。戦闘機の空撮を“体感映像”として成立させたのは彼の功績であり、軍と連携した大胆な撮影手法は後のアクション映画に多大な影響を与えた。本作の後も『トゥルー・ロマンス』や『クリムゾン・タイド』『デジャヴ』などヒット作を連発し、映画界に強烈な足跡を残した。それだけに、早すぎる死が惜しまれる。

画像: アンソニー・エドワーズ © 1986,2020 Paramount Pictures.

アンソニー・エドワーズ © 1986,2020 Paramount Pictures.

画像: メグ・ライアン(右から2人目) © 1986,2020 Paramount Pictures.

メグ・ライアン(右から2人目) © 1986,2020 Paramount Pictures.

画像: ティム・ロビンス(1列目右端)© 1986,2020 Paramount Pictures.

ティム・ロビンス(1列目右端)© 1986,2020 Paramount Pictures.

本作をステップにしてスターとなった、他の役者たちにも触れておこう。マーヴェリックの相棒であるレーダー要員グースにふんしたアンソニー・エドワーズは、温かみとユーモアのあるキャラクターを演じて、マーヴェリックの人間味を引き出す働きを見せた。劇中での殉職シーンも鮮烈で、観客の感情を鷲掴みに。エドワーズはこの後、TVシリーズ「ER 緊急救命室」で主要キャストとして成功を収め、エミー賞を受賞するなどテレビ界で確固たる地位を築いた。また、出番は少ないが、その妻キャロルにふんして映画に家族愛を添えたメグ・ライアンは、この後『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』などでラブコメの女王として大ブレイク。こちらも出演シーンは少ないが、別機のレーダー要員としてマーヴェリックを叱咤するマーリン役のティム・ロビンスも、本作での戦闘シーンの熱演によって大躍進。『ショーシャンクの空に』で主演を務め、『ミスティック・リバー』ではアカデミー助演男優賞を受賞したばかりか、監督としても『デッドマン・ウォーキング』などの力作を放っている。

画像: トム・スケリット(右端)、マイケル・アイアンサイド(右から2人目) Photo by CBS via Getty Images

トム・スケリット(右端)、マイケル・アイアンサイド(右から2人目) 
Photo by CBS via Getty Images

画像: ジェームズ・トールカン Photo by CBS via Getty Images

ジェームズ・トールカン 
Photo by CBS via Getty Images

最後に、マーヴェリックの上官にふんしたベテラン俳優たちにも触れておきたい。教官ジェスターにふんしたマイケル・アイアンサイドは、それまではホラーの悪役が多かったが、本作を経て『スターシップ・トゥルーパーズ』でも熱い上官を演じた。飛行教官である元トップガンパイロット、ヴァイパーにふんしてカリスマ性を発揮したトム・スケリットはすでに92歳だが、今も映画やテレビで活動を続けている。空母司令官スティンガーを演じたジェームズ・トールカンは今年3月に94歳で世を去ったが、威厳ある姿は本作で永遠となった。

読者のみなさんの『トップガン』の思い出

*一部編集して掲載させていただいています。ご回答ありがとうございました。

●公開当時は社会人になったばかりでしたが、最新の戦闘機が出ていることもあって、自衛隊の方がたくさん観に来ていました。
●学生の頃は着信音などを『トップガン』のBGMにしていました。
●ED曲「Mighty Wings」を歌っていたチープ・トリックがラジオでかかるたびにテープで録りまくりました。
●サントラ(レコード)を毎日聴き、トム・クルーズのポスターを部屋中に貼りまくっていました。
●「トップガン」という飲み屋で昔働いておりました!
●とにかくサントラを何度もリピート。ベルリンの曲は大好きでした。
●映画もさることながらサウンドトラックが良く、ドライブでカセットテープで流してよく聞きました。
●初めて『トップガン』を観た時に「かっこいい」と印象に残ったのは、戦闘機パイロットではなく、空母の甲板作業員の姿でした。きびきびとした動きや的確なハンドシグナル、その一つひとつがかっこよく見えて、この人たちが現場のすべてを支えているのだなぁと感じたのを覚えています。
●当時は上も下もケミカルウォッシュのGジャンとズボンでした。
●ヴァル・キルマーが演じたアイスマンとの友情や絆。『トップガン マーヴェリック』でも涙を誘われました。
●トムがバイクに乗ってるのを観て、バイクの免許を取ろうと思いました。結局、取ってませんが‥‥‥。
●『トップガン マーヴェリック』公開に合わせて、当時付き合っていた今の夫とそれぞれ『トップガン』を見直してからデートで『~マーヴェリック』を観に行ったこと。『トップガン』公開時はまだ幼かったのでキャスト陣や自分の成長を感じた。
●数年前に亡くなった父親とリバイバル上映を映画館で一緒に観た、思い出の映画です。

画像: その伝説は翼をもっている! 公開40周年!『トップガン』

『トップガン』

TV吹替初収録特別版
4K Ultra HD+ブルーレイ:7,689円(税込)
ブルーレイ:2,075円(税込)
DVD:1,572円(税込)
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング
© 1986,2020 Paramount Pictures.

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