「(サメは)少し誤解されているところもあるように思う」
——この映画の中で、サメは恐怖の対象でもありますが、モンスターではなく、神聖なも存在にも見えて新鮮でした。
「サメを無差別殺人をするようなモンスターとして描くのではなく、血の匂いで獲物を認識するというような実際に沿ったような見え方になるよう描くようにしたよ。海に囲まれているオーストラリアでは日常的にサメが近くにいて、ライフスタイルの一部でもあるんだ(注:監督はオーストラリア出身)。実際にサメに襲われる事故も年間10件はいかないくらいだけど、『JAWS』以降サメはモンスターとして扱われることが多く、危険な存在であるという認識が世界共通かもしれない。だから、少し誤解されているところもあるように思う」

——サメ×シリアルキラーというジャンルの組み合わせもユニークですね。
「私が考えた、と言いたいところだけど(笑)、ニック(・レパード)の脚本に書かれていて、素晴らしいアイデアだと思った。サメ映画、シリアルキラーものという二つのサブジャンルの映画ファンに受け入れられると思ったし、倫理的にもサメをモンスターとして描いていないところにも共感したんだ」
——サメの質感がリアルでした。見せ方にもこだわりを感じます。
「4Kのサメのドキュメンタリー映像のフッテージを利用してサメの美しさや神々しさを出そうとしたよ。(登場シーンには)オペラを合わせたり、音楽もこだわったんだ」
——サメ以外のことも聞かせてください。主人公のゼファーと、シリアルキラーのタッカー。この2人のキャラクターを作る上で大切にされたことは何でしょうか。また、どんなキャストを探していたのでしょうか。
「ゼファーもタッカーも幼少期の家庭環境に恵まれないなどあり、社会になじめなくて孤独であり海が家族という点は共通しているんだ。ただ、ゼファーは健全に海と向き合っているのに対し、タッカーは悪として海と向き合っている。もちろんゼファーとタッカーは敵対しているけど、海を家族のように接するというゼファーの姿勢をタッカーがリスペクトしているところもあるんだ。

ゼファー(ハッシー・ハリソン)
ゼファー役のハッシー(・ハリソン)は、テキサス出身で“強さ”を感じた。まどろっこしいことが嫌いで、タッカーをも出し抜こうとする強さが感じられる役にぴったりだと思ったよ。

タッカー(ジェイ・コートニー)
タッカー役のジェイ(・コートニー)は元々知っていて好きだったんだ。ハリウッドの大作にも出演しているけど、その中でも変人の要素があるんじゃないかと感じていたし、肉体的にも威圧的で今回の役にぴったりだと思って声をかけたんだ。彼もノッてくれたよ。
タッカーのバックボーンなども話しあって、タッカーがサメに襲われても生き延びた、怖かったとともにゾクゾクした、孤独で世間にはなじめない、特に母親と折り合いがつかなくてその復讐も含んでいる、などキャラクターを掘り下げたけれど、撮影中は彼の中にあるものを尊重したよ」
『デンジャラス・アニマルズ 絶望海域』
5月8日(金)全国公開
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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