本作の監督を務めるのは、オリジナルドラマ「マンダロリアン」シリーズのキーマンであるジョン・ファヴロー監督。映画公開を前に、改めて「マンダロリアン」に込められた「スター・ウォーズ」愛や日本文化へのリスペクト、そして映画に期待してほしいことを語ってくれました。(デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』より ©2026 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

※本記事は2026年5月21日発売のSCREEN掲載の記事をWEB用に再構成したものとなります。

——そもそも「スター・ウォーズ」は、あなた自身にとってどんな作品ですか?

「私に影響を与えた作品ですね。父と一緒に観たのを覚えていますよ。見たことのないビジュアル・エフェクト(視覚効果)や希望を描く物語は心に響きました。古典的なスタイルに新しいテクノロジーが融合した作品だったんです。

それをきっかけに、日本の映画や黒澤明など、ジョージ・ルーカスや彼が影響を受けたものを通じて、映画と神話について学ぶ道が開けました。父は『隠し砦の三悪人』が『スター・ウォーズ』の基になっていることを教えてくれたりもしました。観るとも思っていなかった1950年代の白黒の字幕映画に、少年の私はすっかり夢中になりました。『七人の侍』や黒澤明の全ての作品にです。西部劇も同じように学びました。『スター・ウォーズ』が私にとっての扉を開いてくれ、それが今のキャリアにつながっているんです。

(今の)私は父親です。『マンダロリアン』はクールな賞金稼ぎの話であると同時に、父親の物語でもあります。私の世代の『スター・ウォーズ』ファンは今や父親世代。素晴らしいのは、子供たちはグローグーに共感し、親たちは父親であるマンダロリアンが様々な困難に向き合う姿に共感できる点なんです」

——今回のグローグーの活躍にも期待が寄せられています。

「私たちが初めて彼に出会った時、彼はとても無防備でした。守られ、救われる必要のある存在でした。その後、少しずつ彼がフォースの能力を持ったり、かなり前に訓練を受けたことが明らかになります。ルーク・スカイウォーカーのもとでしばらく修行を積み、アソーカとも出会い、他の有能なジェダイとも交流してきました。そして今、彼は自分自身で修行を続けています。だから、もはや足手まといではありません。今の彼は、真のパートナーなんです。この二人はとても強力なチームなんです」

——本作で意識的に取り入れた日本文化の要素は?

「たくさんあります。『This is the way(我らの道)』の『The Way(道)』という言葉の使い方は、武士道などのドウ(道)から来ています。ジェダイは禅の影響を強く受けていますが、マンダロリアンには、より武士道や他の文化、ストイシズム(禁欲主義)の影響も取り入れたかったんです。

今回は、それと鎧と戦士の精神ですね。予告編でも見られるように、グローグーが瞑想しているシーンがあります。彼がより深く傾倒しているのは、ジョージが、フォースに惹かれた部分、つまり日本文化に強く影響を受けている要素なんです。『ボバ・フェット/ TheBookofBoba Fett』では、ルークがグローグーにライトセーバーか鎧のどちらかを選ばせるシーンが
あります。それは『子連れ狼』のワンシーンに影響を受けたものなんです。

デイヴ・フィローニも日本文化の大ファンですよ。私たちは、常に日本文化に惹かれたり、触れる機会がありました。そして今、大谷選手がいます。もう言うまでもありません。ロサンゼルスは今、日本にいるような感じなんです」

——ジョージ・ルーカスとは今回の作品について何か話しましたか。

「助言をくれました。実は昨日も彼に会ったばかりなんです。彼がロサンゼルスにオープンする『The Museum of Narrative Art』を訪問しましたよ。でも彼は、撮影現場は訪ねてきませんでした。

デイヴと彼の関係は、私が彼と会話をしたり会うのよりもっと社交的な場なんです。彼はいつも非常に寛大に助言をくれます。素晴らしいメンターなんです。特に今ルーカスフィルムを率いているデイヴにとっては。彼らの間には築かれた絆があります。デイヴは、アニメーションスタジオで、長年ジョージの元で鍛えられた経験がありますから。

私もまた、現場で彼に会う機会はありましたが、少し会っただけです。ジョージは、『スター・ウォーズ』の本質について、とても寛大に助言をくれたり、説明をしてくれます。そして、私たちはそれを忠実に守ろうとしているんです」

——「スター・ウォーズ」にとっては7年ぶりの劇場用の新作です。劇場で「スター・ウォーズ」を観る際、観客にどんな体験をしてほしいですか。

「今回の映画では、映画を観る全員が『マンダロリアン』のドラマシリーズを知っている、と決めつけないことに特に気を配りました。そして私たちは大スクリーン向けに今回の映画をつくりました。最初からIMAXと提携し、そのアスペクト比を最大限に活かす方法や、映画館でどれだけインパクトのある体験を提供できるかを検討しました。そして、テレビシリーズで得た知見を全て活用し、それをさらに次のレベルに引き上げられるようにしたかったのです。なので(映画館で)観客と共に鑑賞することが、この作品を観る最も満足できる方法になることを願っています。

今回はより多くの時間とリソースがあったので、より多くのクリーチャー、より多くのセットをもって、劇場用のスペクタクルになる作品を創り上げました。この作品を持って日本へ赴き、日本の観客の皆さんと共に鑑賞できることを楽しみにしています。先日セレブレーションで訪れた際、日本の観客の皆様の姿を目の当たりにして、このシリーズへの深い愛情が伝わってきました。皆様の期待に応え、彼らが『スター・ウォーズ』に注いだ時間と情熱に敬意を払うことは、大きな責任だと感じています。私たちも同じくらいそのこと(『スター・ウォーズ』)を大切に思っていることを、ぜひお伝えしたいのです」

ジョン・ファヴロー
Jon Favreau

1966年、アメリカ・ニューヨーク州生まれ。2008年の『アイアンマン』の監督を務めMCUの基礎を築く。オリジナルドラマ「マンダロリアン」には製作総指揮・脚本・監督として参加。

画像: 【インタビュー】ジョン・ファヴロー監督/『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』

『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』
全国公開中
アメリカ/2026年/2時間12分/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
監督/ジョン・ファヴロー
出演/ペドロ・パスカル、シガー二ー・ウィーバー
声の出演/ジェレミー・アレン・ホワイト、マーティン・スコセッシ

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