『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督が、現代のリアルな婚活市場を描くロマンティック・ラブストーリー。ダコタ・ジョンソン、クリス・エヴァンス、ペドロ・パスカルという豪華キャストの共演が放つ、本作の魅力をお届けします!(文・デジタル編集/スクリーン編集部)
カバー画像:『マテリアリスト 結婚の条件』より Copyright 2025 © Adore Rights LLC. All Rights Reserved

イントロダクション

最先端の街ニューヨークを舞台に、現代の婚活市場とマッチメーカーの恋を描くロマンティック・ラブストーリー『マテリアリスト 結婚の条件』。2025年6月の全米公開後、世界興収において『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』等に並ぶA24製作作品歴代3位の記録を樹立した話題作が、ついに日本公開を迎える。

主人公ルーシーを演じるのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)でスターの座を獲得したダコタ・ジョンソン。恋愛を感情だけでなく“資産価値”でも冷静に判断できる才能を活かし、凄腕マッチメーカーとして多忙な日々を送るルーシー。そんな彼女が、二人の男性との出会いと再会によって条件よりも大切な自分の本心に気づかされていく。洗練された外面の裏に脆さを隠したヒロインを、ダコタが細やかな演技で体現する。

彼女を惑わせる二人の男性もまた、豪華な顔ぶれが揃った。元カレのジョンは「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エヴァンス、完璧な富豪ハリーには『エディントンへようこそ』(25)のペドロ・パスカル。真逆のチャームを持つ二人の実力派俳優が、観る者の胸をときめかせ、ルーシーと私たちに選択をつきつける。

監督・脚本のセリーヌ・ソンは、自身がマッチメーカーとして働いた実体験を基に執筆。「恋愛がビジネスライクに商品化されている」現代の矛盾を鋭く突きながら、パートナーシップの本質を問い直していく。スタッフ陣には、撮影のシャビアー・カークナー、編集のキース・フラース、衣装のカティナ・ダナバシスら『パスト ライブス/再会』の精鋭が再集結。全編35ミリフィルムで撮影された映像と、ダニエル・ペンバートンによる音楽が、都会的でビターな余韻を添えている。

あらすじ

ニューヨークの結婚相談所で、恋愛を感情ではなく“資産価値”で判断する凄腕マッチメーカーとして働くルーシー。そんな彼女の前に、完璧な条件を持つ大富豪ハリーが現れ、情熱的なアプローチを仕掛けてくる。しかし時を同じくして、俳優の夢を追い続ける元カレのジョンと再会。ハリーとの真剣交際に踏み出しながらも、ジョンへの想いが再燃し、心は激しく揺れ動く。仕事でも恋愛でも岐路に立たされた彼女が、最後に辿り着く「人生の選択」とは ── 。

登場人物

愛の“資産価値”を揺るがす、三角関係
マテリアリストのヒロインが直面する、贅沢で切実な二択!

ルーシー(ダコタ・ジョンソン)
NYで働く凄腕マッチメーカー。恋愛を“資産価値”で冷静に判断するマテリアリストとしての才能を活かし活躍している。二人の男性との出会いと再会を通じ、自身の価値観を揺さぶる大きな変化を経験することになる。

ジョン(クリス・エヴァンス)
ルーシーの元カレで、夢を追う売れない俳優。バイトを転々とし、友人とルームシェアをして暮らしている。経済的な理由でルーシーと別れた過去を持つが、その純粋な生き方が、再会した彼女の心を激しく惑わせる。

ハリー(ペドロ・パスカル)
ルーシーのクライアントの兄で大富豪。身長180cm、家柄も人柄も学歴もすべてが“完璧”なルーシーの恋人。結婚相手として非の打ち所がない存在だが、ルーシーの元カレであるジョンの出現により恋の行方は混迷する。

画像: (左から)ジョン(クリス・エヴァンス)、ルーシー(ダコタ・ジョンソン)、ハリー(ペドロ・パスカル)

(左から)ジョン(クリス・エヴァンス)、ルーシー(ダコタ・ジョンソン)、ハリー(ペドロ・パスカル)

CHECKPOINT

マッチメーカーという数奇な実体験が宿す、
現代の愛のリアリティ

本作の背景には、セリーヌ・ソン監督が売れない劇作家時代に生活のため「マッチメーカー(結婚紹介所の職員)」として働いた実体験がある。そこで目にしたのは、年収や身長といった条件でパートナーを「商品化」し、投資対象のように品定めする人々の姿だった。この経験から監督は、現代の恋愛が抱える「ビジネスライクな冷徹さ」と、それでもなお「運命の相手」を求めてしまう人間の矛盾を、等身大の視点で鋭く描き出している。

画像: マッチメーカーという数奇な実体験が宿す、 現代の愛のリアリティ

現代の恋愛と結婚の
問題点に斬りこむテーマ

セリーヌ・ソン監督が本作の指針としたのは、現代のロマンティックストーリーではなく、階級や社会的な現実を直視していたヴィクトリア朝時代のロマンスだ。特に『プライドと偏見』が描いた「最愛の人は、現実的な問題をすべて解決してくれる人と同一人物である」というファンタジーは、形を変えて現代の婚活市場にも息づいている。監督は、メディアが作り上げた「理想の恋愛」という幻想に鏡を突きつけ、資本主義社会におけるパートナーシップの冷徹な真実をあぶり出した。

画像: 現代の恋愛と結婚の 問題点に斬りこむテーマ

「恋愛映画」の地位を再定義する覚悟

「なぜ恋愛映画は、非常に暴力的な戦争映画やポルノ映画よりも浅薄なものとして扱われるのか」という監督の根源的な疑問が本作の骨格を成している。世に溢れる恋愛映画が「浮ついたファンタジー」として消費される現状に対し、監督は恋愛こそが人間の普遍的な真実と経験に最も深い影響を与えるものであると確信している。ジャンル全体に漂う「軽さ」を排し、人間のエゴや残酷さまでをも直視するその姿勢は、既存のロマンスの枠組みを根底から揺さぶる。

画像: 「恋愛映画」の地位を再定義する覚悟

『マテリアリスト 結婚の条件』
2026年5月29日(金)公開
アメリカ/2025年/1時間56分/ハピネットファントム・スタジオ配給
監督:セリーヌ・ソン
出演:ダコタ・ジョンソン、クリス・エヴァンス、ペドロ・パスカル

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