唯一無二と言われた存在、マイケル・ジャクソンを誰が演じられるのか?『Michael/マイケル』の製作が決まった時、誰もがそのことを考えたに違いありません。その超難役を見事にこなしたのが、マイケルを叔父にジャクソン家で育ったジャファー・ジャクソンでした。本作の大ヒットで一躍注目の人になったジャファーの魅力に迫ると共に、キャスト陣が集結し大熱狂に包まれたベルリン&ロサンゼルス・プレミアの様子をお届けします。(文・米崎明宏/デジタル編集・スクリーン編集部)
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ジャファー・ジャクソン クローズアップ

画像: ジャファー・ジャクソン Photo by Christopher Patey/Getty Images for Lionsgate

ジャファー・ジャクソン
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製作者も監督も彼の中に何か特別なものを見たという

『Michael/マイケル』で世界で最も成功したミュージシャン、マイケル・ジャクソンを演じるのは、彼の甥にあたる新星ジャファー・ジャクソンだ。マイケルの兄ジャーメイン・ジャクソンを父に、1996年7月25日ロサンゼルスで誕生。12歳のころから歌とダンスを始めたが、もともとプロゴルファーになりたかったのだそう。それでも2019年にはデビュー・シングルとなる「Got Me Singing」をリリースしている。演技経験はほとんどなく、TVリアリティーショー「The Jacksons : Next Generation」やもうひとりの叔父ティト・ジャクソンのミュージックビデオに参加したという程度だった。

画像: 『Michael/マイケル』撮影合間のジャファーとアントワン・フークア監督

『Michael/マイケル』撮影合間のジャファーとアントワン・フークア監督

そんなジャファーにマイケル役のオファーが来たのは、最初から決められていたことではなかった。だがスタッフが何年にも渡ってキャスティング作業をした結果、たどり着いたのがジャファーだったという。またジャファー自身も「まさか自分がマイケルを演じることになるとは思っていなかった」と語る。「子供の頃、僕はマイケルに夢中だった。彼が座っていたリビングルームで、ただひたすらツアー映像やビデオを見て、この畏敬の念を抱かせるようなエネルギーに浸っていたいと思っていた」と打ち明けるジャファー。そんな彼にプロデューサーのグレアム・キングは「自分の長いキャリアの中でも数度しか感じたことのない強烈な直感が働いた」と言う。「ジャファーには何か言葉にできないスピリチュアルな魅力があり、彼とマイケルの話をするだけで胸が熱くなった」と明かす。監督のアントワン・フークアもジャファーの存在感に強く惹かれたと言う。「初めて会った時、ジャファーが演技しているのではないかと思ったんだ。だってマイケルそのもののようだったから。でもそれが彼の素の状態だと気づいて、スクリーンテストをするとスタッフもみんな圧倒された」と回想するが、それほどジャファーとマイケルには似たところがあった。

画像: LAプレミアで製作総指揮を務めたマイケルの息子プリンスと

LAプレミアで製作総指揮を務めたマイケルの息子プリンスと

脚本を読んで蘇ったのは自分が幼いころの記憶

そしてジャファー自身もひとたび出演が決まると「鏡に映った自分を本当のマイケルと信じられるようになるまで、2年に渡って毎日何時間も一切手を抜かずにリハーサルを続けたんだ」と言うように、不断の努力を惜しまず訓練につぐ訓練を重ねた。ダンスも最初はマイケルのレベルに到達するのは不可能と思われたが、最終的に全員を驚かせる成長ぶりを見せた。ジャファーは「マイケルはいつも自分に刺激を与えるアーティストを見て、その仕事を分析し、何が彼らを偉大にしているのか理解するように努めて、そこから得たものを自分に吸収していた。僕も同じやり方をしたんだ。トレーニングに加えて、膨大なインタビューやプライベート映像を見て、細かい仕草やニュアンス、その人間性も吸い込もうとしたよ」と演技法を考えていた。

画像: 『Michael/マイケル』でジャファーが見せる「スリラー」パフォーマンス・シーン

『Michael/マイケル』でジャファーが見せる「スリラー」パフォーマンス・シーン

またベルリンの記者会見で彼は初めて脚本を読んだ時のことも思い出していた。「何度も涙が止まらなくなったんだ。本当に感情が高ぶり、この物語と自分が深くつながっていると感じた。特に“デンジャラス・ツアー”の中で、僕が子供のころ一番好きだった『スムーズ・クリミナル』の映像を繰り返し見て、その動きを真似しようとしていた記憶が蘇ったんだ。脚本を読む間そうした記憶が次々思い出され、これから数か月をかけてそのプロセスを経験していくこと自体に特別な意味を感じないではいられなかった」とエモーショナルな思い出を語ったジャファーは、マイケルの衣装に全身を包んだ時のことも「一生忘れられない」と断言する。「“バッド”のパフォーマンスシーンを撮影初日に演じ、なかなか実感がわかなかったんだけど、早くステージに上がって最高のショーを見せてやるぞという気持ちで挑みたかった。ステージに上がって“バッド”を歌いだすまでの間、ずっとマイケルに思いを馳せていたんだ」と力を込める。そしてそんなジャファーの思いは「観客の皆さんに持ち帰ってほしい最大の願いは、マイケルの本質と存在感を感じてもらうこと。そして彼という人間、その核心にある魂について、より深く理解してもらい、映画館を後にしてほしいと考えているんだ」ということだった。劇中いくつものパフォーマンス・シーンを演じているが、最も印象に残っているのは「スリラー」のMV撮影シーンだったそう。本物のマイケルが蘇ったかのように感じられるジャファーの素晴らしいパフォーマンスをぜひ大画面で体験してほしい。

『Michael/マイケル』
2026年6月12日(金)公開
アメリカ/2026/2時間8分/配給:キノフィルムズ
監督:アントワン・フークア
出演:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、コールマン・ドミンゴ、ニア・ロング、マイルズ・テラー

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