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Profile )ローズ・バーン
オーストラリアのシドニーで1979年に誕生。ニューヨークの劇団で学んだ後、母国に戻り『トゥー・ハンズ』(99日本DVD公開)などに出演。2002年に『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でハリウッドに進出し、TV「ダメージ」でエミー賞やゴールデングローブ賞候補になって注目され、『トロイ』(04)『インシディアス』(10)『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(11)『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)などで人気を獲得した。『ピーターラビット』(18)のヒロインなどで世界的に知られるような俳優になり、『ワンオペレーション』(25)の名演で演技派としての名を高めている。
“リンダが狂気の中で下す酷い選択を、もう笑い飛ばすしかなかったわ”
『ワンオペレーション』でローズ・バーンが演じるのは、母親でありセラピストでもあるリンダという女性。幼い娘が謎の病気で改善の兆候が見えず、夫は長期出張中。仕事でもイライラが募る中、アパートの天井が崩落するという事件が発生。次々と襲い来るトラブルと闘いながら心の平穏を崩していく女性を主人公にした脚本を読んだ時の気持ちをバーンはこう語る。
「脚本を読んで、まるでジェットコースターみたいと思ったわ。安全ベルトを締めて乗り込み、ふらふらになって降りて来たような感じというのか。その後メアリー(監督)に会って話すと、あの物語が完全に彼女の個人的なもので、頭の中に明確なビジョンがあり、もう映画全部が彼女の中で出来上がっていたの。私はそこにぜひ加わりたいと思った」
そして運命的な役に選ばれたバーンだが、リンダをどのように捉えたのだろう。
「私がリンダについて掴んだのは、ただもう逃げ出したいという、彼女の血迷ったような欲求だった。物理的にモーテルから出たいとか、ハイになりたいとか、何もかも拒絶する心理状態に留まりたいとか。彼女はすべての事柄からもう逃げられないという地点まで追い込まれようとしている。それが絶え間ない緊張感や不安、怒りといったものを生み出す。時々そこにユーモアのようなものが混ざるのは、私がダーク・ユーモアの虜だから(笑)。でもそれさえリンダの中にある様々な要素のバランスを取ることでもあった。いくつか極端なシーンがあるけど、リンダが狂気の中で下す酷い選択を、もう笑い飛ばすしかなかったの」
と説明してくれるバーンだが、監督のブロンスタインから得た着想はあるのだろうか。
「メアリーが美術や視覚効果的なものについてDIY的であるように見せようとしているところに影響を受けた。リンダは身辺のものに完全に慣れておきたい人で、それが彼女の心的外傷の源になっている。なので、(娘の体に取り付ける)栄養管や、機械音など細部について小道具チームと何度も話し合ったわ。それが演じる上でとても役立った。観客がリンダに出会う瞬間から、すでに彼女はこうした世界にどっぷり浸かりきっているのだから」
美術といえば、部屋の天井に空いた大きな穴は、劇中とても印象的に使われている。
「偶然同じ経験をした友人から、それがどんなにトラウマになる出来事だったか聞いたわ。リンダにとってあれはもう平常に戻れないのだと気づく瞬間。彼女のあらゆる場所にブラックホールがあるという発想は、とても興味深いテーマよね」
『ワンオペレーション』
If I Had Legs I’d Kick You
ローズ・バーンが世界の映画賞を席巻したA24製作による問題作
これが長編2作目となるメアリー・ブロンスタインが、自らの体験を基に監督と脚本を兼ね、現代人を蝕む問題に取り組んだ衝撃作。本来、何人かが分担して行う業務、育児、介護などをたった一人で強いられるワンオペ(=ワンオペレーション)。和製英語だが、家庭や職場で孤立した人が、常に疲労とストレスを抱え込むという、この世界的な社会問題に切り込むA24製作の注目作。プロデューサーとして『ワン・バトル・アフター・アナザー』のサラ・マーフィー、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のロナルド・ブロンスタイン、ジョシュ・サフディらが参加。
また主人公リンダを演じるローズ・バーンが熱演を見せ、第75回ベルリン国際映画祭で銀熊賞、第83回ゴールデングローブ賞主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したほか、第98回アカデミー賞でも主演女優賞候補となった。他に第98回アカデミー賞授賞式の司会を務めたコメディアンのコナン・オブライエン、人気ラッパーのエイサップ・ロッキー、TV「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」のクリスチャン・スレーターらが共演。ブロンスタイン監督も医師役で出演している。
あらすじ
出張中の夫が不在の中、家事と育児に追われつつもセラピストとして働くリンダ(バーン)。原因不明の摂食障害で医師の治療を受けている幼い娘の世話だけでも手一杯なのに、手のかかる事情を持つ顧客たちの対処、娘の担当医からの叱責、心配症の患者からの度重なる電話などでストレスが溜まる中、なんと自宅アパートの天井の一部が突然崩落。修繕する間、リンダは娘を連れて格安のモーテルに避難することに。唯一のストレスのはけ口は、同僚セラピスト(オブライエン)に溜まったうっぷんをぶちまけることくらい。誰にも頼れない状況の中、限界が迫っていた彼女は、やがて思いもよらぬ事態に飲み込まれていく…。
『ワンオペレーション』
2026年9月18日(金)公開
アメリカ/2025年/1時間53分/東京テアトル、シンカ配給
監督・脚本:メアリー・ブロンスタイン
出演:ローズ・バーン、コナン・オブライエン、エイサップ・ロッキー、ダニエル・マクドナルド
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