



ディスコでミラーボールが煌めき、日本が好景気に沸いた1989年。寝ぐせ頭で法廷に駆け込む日々を送り、お金にならない案件ばかりを受けてしまうお人好しの弁護士・朝日道子(綾瀬はるか)。そんな彼女のもとに、職場で理不尽な嫌がらせを受け、大好きな仕事をも奪われたとして、会社と上司を相手に提訴をしたいという女性・恵(ファーストサマーウイカ)が訪れる。しかし、それは誰も戦ったことのない前例なき「ハラスメント」を巡る裁判。新人弁護士の栞(松本穂香)は「勝ち目がない」と反対するが、朝日は「この裁判は必ず未来に繋がる」と立ち上がる。彼女たちの前に立ちはだかるのは、“常識”という巨大な壁。それでも踏み出した勇気ある一歩と最初の一声“ファーストボイス”が、日本社会を揺り動かしていく――!
100%負けると言われた裁判に挑む弁護士・朝日道子を綾瀬はるかが演じ、朝日の事務所で働く“意識高め”の新人弁護士・藤野栞役を、NHK連続テレビ小説「ブラッサム」(26)への出演も控えるなど確かな表現力で存在感を放つ松本穂香が演じる。
本作のメガホンをとった『九十歳。何がめでたい』、『そして、バトンは渡された』の前田哲監督は松本穂香とは初タッグ。「コメディもできるし、シリアスなお芝居もできる。本当にすごいなと思いました。あの年齢でこれだけのポテンシャルをお持ちの俳優さんはなかなかいないと思います」と連続ドラマ「嘘解きレトリック」(24/CX)での松本の印象を明かす。
ファーストサマーウイカ演じる上原恵が強い意志で声を上げ、《日本初》のハラスメント裁判という未知なる挑戦を前に「始めてみなければ、始まらない。レッツ・ビギンよ!」とその弁護を引き受け、前向きな綾瀬はるか演じる朝日。そんな二人とは対照的に、最初は少し戸惑っていた栞はこの裁判を通して変化・成長していく役どころ。前田哲監督も「目の表現がすばらしく惹きつけられますね。」というように、松本は大きな瞳に感情の揺らぎを映し出しつつ、栞を観客にとって応援したくなるキャラクターとして作り上げた。「栞はハラスメントに対する考え方が変化していくキャラクターで、本作の中で一番振り幅のある役柄でもあります。映画を観る方にとっては彼女の目線で物語を追いかけているので、松本さんが感情の変化を見事に演じてくれたことが物語の推進力になっています」と前田哲監督も太鼓判を押している。
自身が演じた栞について「一人の人間として自分の力で自分の道を切り開いて生きたいという気持ちがすごく強い」とその印象を明かす松本。
この度到着した場面カットからも栞の内側にある揺らぎと覚悟を垣間見ることができる。寝ぐせ頭で法廷に駆け込んできた朝日の身なりを見て、半ば呆れつつも襟を直してあげる姿や、支援団体の女性たちに真摯な眼差しを向ける姿、緊張した面持ちで裁判官を見つめる姿、事務所で朝日のあまりのお人好しぶりに思わず不安そうな表情を浮かべるカットなど、何気ない瞬間を切り取った場面カットから、彼女の人柄がふっと身近に感じられる。また本作では20代の彼女がナレーションを担当して当時の状況を説明することで、若い世代にとっても作品の描く世界との距離を縮めてくれる。
30年以上前、理不尽な状況に声を上げた人々の勇気をいまにつなぎ、声を上げることに迷う人の背中をそっと押してくれる本作。その希望と勇気を観客が“自分ごと”のように感じ楽しむことができるのは、松本穂香演じる栞の成長していくその変化が物語と私たちの日常との距離をぐっと引き寄せてくれるからだろう――。『ファーストボイス』は、10月2日(金)より公開。
『ファーストボイス』
2026年10月2日(金)全国ロードショー
配給:松竹 / ワーナー・ブラザース映画
©2026「ファーストボイス」製作委員会
