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演出と遊び心で素顔を引き出し極上のドラマへと昇華させた巨匠
ロン・ハワード

ロン・ハワード監督
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『遥かなる大地へ』でロン・ハワード監督が挑んだのは、70mmフィルムでの撮影。1970年のデヴィッド・リーン監督『ライアンの娘』以来のチャレンジで、雄大な映像美を求めるのが第一の目的だが、結婚したばかりのトムとニコールのラブラブ状態を、できる限り高精細な映像で捉えたかったのでは…とも推測される。実際に2人の間のリアルな愛が、70mmの映像に充満。
トムが「元俳優」の名監督と組むのは本作が初めて。俳優の気持ちを深く理解するハワードだからこそ、トムもストレスなく役に入り込んだのではないか。あるシーンでは、ハワードがトムに下着を脱いで本番に臨むように指示。何も知らなかったニコールの驚きの表情がカメラに収められたりも。
トムの出演作はコレ!
『遥かなる大地へ』(1992)
19世紀末、アイルランドの片田舎で生まれたジョセフが、新天地を求めて開拓時代のアメリカへ向かう壮大なストーリー。映像美が圧巻で、トムとニコール・キッドマンが結婚後に共演した作品として話題になった。

『遥かなる大地へ』撮影現場にてニコール・キッドマンと
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ジャック・ニコルソンと渡り合う度胸を授け トムの知性と表現力を極限まで引き出した名匠
ロブ・ライナー

『ア・フュー・グッドメン』撮影中のライナー監督とトム
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『スタンド・バイ・ミー』、『恋人たちの予感』、『ミザリー』と話題作を送り出し、売れっ子監督となっていたライナーだが、『ア・フュー・グッドメン』は興行収入で彼のナンバーワン作品に(全米・世界とも)。自分が主演を務めることで、監督をヒットメーカーに押し上げるというトムの使命も果たされた。
そしてトムにとっては、名優の中の名優、ジャック・ニコルソンとの共演がその後の大きな糧になったはず。劇中でトムがニコルソンの口調をマネするシーンは、トムのアドリブだったとか。トムは法律の専門用語も完璧に頭に叩き込み、ライナーの演出に応えた。2025年末、この世を去ったライナーの悲劇は、トムにも大きなショックを与えた。
トムの出演作はコレ!
『ア・フュー・グッドメン』(1992)
キューバのグアンタナモ米軍基地で殺人事件が起こり、ハーバード大卒のエリートで、法廷未経験のキャフィ中尉が弁護人を任される。軍の規律と正義の間で葛藤する骨太なヒューマンドラマ。キャスト陣の熱演が見もの。

ラストの裁判シーンでのジャック・ニコルソンとのかけあいは圧巻!
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自ら抜擢したサスペンスの巨匠と共にトムが伝説のシリーズ第一歩を刻み込んだ奇跡のタッグ
ブライアン・デ・パルマ

『ミッション:インポッシブル』撮影現場にてデ・パルマ監督とトム
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これまで計8本が作られたシリーズで、トムのキャリアでも最大の当たり役となったイーサン・ハント。その最初の一作は、彼にとっても初のプロデュース作品。サスペンスやスリラーの巨匠であったデ・パルマを監督に呼んだのもトムの意向だった。
有名な床面ギリギリで静止するアクションはトムのアイデアで実現し、クライマックスの列車やヘリコプターを使ったスタントは、デ・パルマと脚本家の意見が激しく対立する状況で、トムがデ・パルマを全面バックアップした逸話が、デ・パルマのドキュメンタリーで語られた。デ・パルマが2作目を撮らなかったことで、トムとの不仲も噂されたが、これは「続編を撮らない」というデ・パルマの主義によるもの。
トムの出演作はコレ!
『ミッション:インポッシブル』(1996)
TVシリーズ「スパイ大作戦」をベースに、IMFのエージェント、イーサン・ハントの活躍を描く、記念すべき第1作。シリーズの近作では「肉体派」が強調されたハントだが、この1作目は「頭脳派」のイメージも濃厚。

地面スレスレ着地はトムのアイディア!
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すべてを捧げさせた異常なまでの演出力でトムに映画の深淵を覗かせた
スタンリー・キューブリック

1980年、『シャイニング』撮影現場でのキューブリック監督
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1996年の前作『ザ・エージェント』から、次の『アイズ ワイド シャット』まで3年。トムの長い俳優人生でも、コロナ禍を除けば“最長”の空白期で、それだけキューブリック作品に全身全霊で身を捧げたことを証明する。撮影だけでも1年以上かかり、トムとニコールは徹底してキューブリックの指示に従い、内容は極秘という取り決めもきっちり守った。
トムは70回ものテイクを重ねたシーンもある。映画完成後、キューブリックは公開を待たずに死去。これが遺作となった。キューブリックはトムの初期のキャリアから彼を評価していたそうで、一方のトムはキューブリックの急逝に心から痛手を負ったようで、彼へのリスペクトを事あるごとに語っている。
トムの出演作はコレ!
『アイズ ワイド シャット』(1999)
相手の浮気に疑いをもつ夫婦が妄想にさいなまれ、そこに秘密のパーティーでの殺人事件が重なる。トムとニコールが、センセーショナルな性描写にどこまで自分で挑むかなど公開時に大反響。本作の後、彼らは私生活で破局する。

トムとニコールが、センセーショナルな性描写に挑戦
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革新的なアイデアと圧倒的なビジュアルでトムを牽引し エンターテインメントの真髄を刻み込んだ巨匠
スティーヴン・スピルバーグ

『宇宙戦争』の撮影現場にて、スピルバーグ監督とトム
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俳優と監督。それぞれの世界でトップに立ってきたという意味で、トムとスピルバーグは共通点も多数。そんな2人は1980年代から一緒にできる企画を探し続けてきた(スピルバーグは『レインマン』を撮る可能性もあった)。満を持して、わずか3年の間に『マイノリティ・リポート』、『宇宙戦争』の2作で組み、ともに作品評価、興行収入で大成功。
サスペンスアクション、SFという映像で惹きつけるジャンルに、親子のドラマというヒューマンな感動を盛り込むスピルバーグの真骨頂が全開の2作で、トムも肉体&精神の両面で持ち味を発揮。現場で革新的アイデアを次々と繰り出すスピルバーグの才能に、トムも刺激を受け、「観た人を喜ばせる」意識が増幅した。
トムの出演作はコレ!
『マイノリティ・リポート』(2002)
フィリップ・K・ディックの短編を原作に、犯罪を未然に防ぐ刑事の苦闘を描く。予知能力者の役割や、ホログラムを使った捜査など、いま観ても斬新&驚きのビジュアルが満載。
『宇宙戦争』(2005)
異星人による地球の侵略と破壊を、怒涛のスケールで展開。主人公が“一般人”なので、地球規模の危機がドラマチックに迫ってくる。こちらはSFの大家、H・G・ウェルズが原作。

『宇宙戦争』のプレミアにてトムがスピルバーグ監督に熱烈キス!
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時を超えたバトンが手渡されるようにトムに映画人としての新たな哲学を授けた孤高の先達
ロバート・レッドフォード

2007年『大いなる陰謀』のローマ国際映画祭のフォトコールにて
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トムと長年の製作パートナー、ポーラ・ワグナーがユナイテッド・アーティストの製作に関わり、その最初の作品が『大いなる陰謀』。トムは『普通の人々』をはじめ、それまでのレッドフォード監督作に深いリスペクトを抱いていたことを公言していたし、それまでもポール・ニューマン、ジャック・ニコルソンといったレジェンド俳優と共演してきたトムにとって、レッドフォードとのタッグは念願だった。
レッドフォードも、野心に燃える上院議員役がトムの外見に合っていると感じ、監督として納得のキャスティング。サンダンス映画祭で新たな才能に光を当て続けたレッドフォードの人生が、近年のトムの「若手スターを育てる」意図に大きな影響を与えたはずだ。
トムの出演作はコレ!
『大いなる陰謀』(2007)
対テロ戦争をもくろみ、大統領への野望を抱く上院議員と、その真相に迫る記者、そして大学教授とその教え子。戦争を背景に、さまざまな人の思惑が交錯する社会派ドラマ。トムがメリル・ストリープと共演した貴重な一作。

『大いなる陰謀』のプレミアにて(左から)マイケル・ペーニャ、ロバート・レッドフォード、トム、アンドリュー・ガーフィールド
Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images
