西川美和監督が原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作映画『わたしの知らない子どもたち』が公開中だが、この度、「白組」が手がけた、本作の緻密なVFX技術の真髄に迫る【VFX Breakdown(メイキング)映像】が独占解禁された。さらに、10月30日(金)にシネマリスにて開催された、西川美和監督、VFXスーパーバイザーの上田倫人氏、高橋正紀氏、小野竜弥氏、松元遼氏、坂本遥香氏ら白組スタッフによる「公開記念・VFX座談会」のオフィシャルレポートが届いた。

グリーンバックから広大な焼け跡、巨大な駅舎へ―
スクリーンに広がる〈1945年〉の構築過程と圧巻の技術を解き明かす

『わたしの知らない子どもたち』は『すばらしき世界』『永い言い訳』の西川美和監督が、原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作。公開を迎えるやいなや、早くも「まだ数ヶ月あるが、2026年のベストワン映画」「『泣かせ映画』ではなく思わず『泣いちゃう映画』。琴子が生き抜いてきた姿そのものに涙が溢れた」「小八重葵美の目、大人を値踏みするような視線の芝居を観るためだけに劇場へ行く価値がある」「今を生きるすべての人、特に若い世代に観てほしい傑作」といった熱度の高い口コミがSNS上を席巻。「今すぐ劇場へ行って観てほしい」という観客からの圧倒的な推しコメントとともに、映画『わたしの知らない子どもたち』は全国へ絶賛の輪が広がり続けている。

画像: グリーンバックから広大な焼け跡、巨大な駅舎へ― スクリーンに広がる〈1945年〉の構築過程と圧巻の技術を解き明かす

終戦直後の混乱と飢えのなか、身を寄せ合って懸命に生きた子どもたちの命の輝きを描いた本作。その圧倒的なリアリズムと没入感を根底で支えたのが、映画『ゴジラ-1.0』で第96回米アカデミー賞®視覚効果賞を受賞した「白組」を中心とする最高峰のVFXチームだ。この度独占解禁されたのは、現代には残されていない〈1945年の焼け野原や闇市〉をスクリーンへと蘇らせた本作の緻密なVFX技術の真髄を紐解く【VFX Breakdown(メイキング)映像】である。

画像: 映画『わたしの知らない子どもたち』【絶賛上映中】VFXメイキング映像 www.youtube.com

映画『わたしの知らない子どもたち』【絶賛上映中】VFXメイキング映像

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この映像では、スタジオ内のグリーンバック素材やオープンセットでの撮影素材に、綿密な時代考証に基づく3DCGや背景拡張・群衆のシミュレーションが重ねられ、完成カットへと昇華していく過程が克明に捉えられている。

精巧な作られたの高架橋や電車によって当時の息遣いが蘇る「高架下の闇市」や、準備稿の段階では再現不可能と思われ「U駅」とぼかして書かれていたが白組の意地によって見事に蘇った「戦後の“上野駅”構内」、わずかなオープンセットの奥に見渡す限りの焦土を拡張し琴子の孤立を際立たせる「焼け野原」、光の設計が印象的な「夕景の街並みや鉄橋」、実写の雨とCGが見事なリアリズムを生み出した「損壊した街並み」。さらには、木造長屋の日常が溶け込む街角や、フルCGで構築された客車の車窓風景など、失われた情景の数々が最先端の技術によって次々と立ち現れていく。

単なるデジタル合成にとどまらず、瓦礫の質感や空気の澱み、人々の密度に至るまで「時代そのものをもう一人の登場人物として立ち上がらせる」という白組チームの妥協なき職人魂が凝縮された、必見の映像となっている。

SNS上でも「白組のVFXチームが目立たず、それでいてしっかりと空間と時間を感じさせる見事な映像表現で映画のクオリティを底上げしている」と絶賛の声が相次いでいる。その言葉通り、徹底した時代考証に基づく美術や映画『国宝』の原摩利彦による情緒豊かな音楽、そしてキャスト陣の魂のこもった熱演とVFXが見事に調和し、当時の匂いや空気感までも鮮明に表現されている。あらゆる要素が高純度で結実したその圧倒的なリアリズムは、まさに映画館の大きなスクリーンでこそ体験すべきだ。

「実写では無理だと思うことも全部言ってください、何でもやってみますから」
 西川監督が「本当に頼もしかった」と振り返る、白組チームのあくなき挑戦提案

10月30日(金)、シネマリスにて開催された「VFX座談会」には、西川美和監督、VFXスーパーバイザーの上田倫人氏、そして白組よりVFXスーパーバイザーの髙橋正紀氏、小野竜弥氏、松元遼氏、坂本遥香氏が登壇。解禁されたVFX映像を劇場のスクリーンに投影しながら、制作の舞台裏がディープに語られた。

これまで自身の足元にある現代社会を見つめ続けてきた西川監督にとって、本作は初めて本格的に「戦後」を描き、現代の風景では撮影できない物語への挑戦だった。戦後の焼け野原を琴子が歩く場面の撮影は、原っぱが広がる場所で撮影を実施。ただの荒野が当時の風景になっている映像を観た西川は、「オープンセットで琴子が動く範囲は美術で作ってもらっていたのですが、(VFXが付き)その奥に広がる広大な焼け野原のロングショットを最初に見せていただいた時は、もう子どものような声を上げてしまったほど驚きました」と、制作時の白組の技術の真髄に触れた一幕を振り返る。

画像1: 緻密なVFX技術の真髄に迫る!『わたしの知らない子どもたち』VFXメイキング映像解禁
画像2: 緻密なVFX技術の真髄に迫る!『わたしの知らない子どもたち』VFXメイキング映像解禁

VFXスーパーバイザーの上田氏は、当時の写真や文献を徹底的にリサーチした日々を振り返り、「時代物ということもあり、そのまま撮れる風景はほぼ残っていませんでした。ロケハンの段階から監督と一緒に現場を巡り、どこまでを美術で作り、どこからをVFXで拡張するのかを一つ一つ綿密に組み立てていきました」と当時の試行錯誤を明かした。

同じくVFXスーパーバイザーを務めた白組の髙橋氏も、映画の大きな見せ場となる上野駅の再現について言及。「上野駅は当時の白黒写真と図面しか残っていなかったのですが、図面を読み解くと、当時のホームはまっすぐではなく実は斜めに傾斜している構造だったんです。その通り忠実にCG化したところ、ホームが傾いているのを見た監督から『パースが狂っていませんか?』とCGの歪みを疑われたこともありました(笑)。そこでスタッフみんなで実際の上野駅に行って柱の前に座り、アングルを検証したのも良い思い出です。今回は名匠・西川監督の作品で、自分でも『本当にうまくいった』と胸を張れる仕上がりになりました」と、妥協なき再現へのこだわりと確かな手応えを覗かせた。

これに対し西川監督は「実は脚本の準備稿の段階では、巨大な上野駅を完全に再現するのは不可能だと思い、逃げ腰になってアルファベットの『U駅』とぼかして書いていたんです。でも白組の皆さんが『上野駅を作りましょう』と極限まで本物に迫ってくれたおかげで、堂々と劇中でも“上野”と言えるようになりました」と明かし、会場は大いに沸き立った。

さらにトークは、ディープな展開に。ラストシーンで車窓を見つめる琴子の姿はスタジオセットで撮影している。実際にVFXを担当した松元から「琴子の瞳の中に映る空の風景はVFXで合成し作りました」と明かされ、会場からは驚きの声があがった。また、雨に濡れる八王子のオープンロケ地をCGで戦後東京の街並みへと変貌させた工程など、「VFXの存在に気づかれないように」と意識し、細かい部分まで作り込まれた職人技の数々が次々と明かされた。

画像1: 「実写では無理だと思うことも全部言ってください、何でもやってみますから」 西川監督が「本当に頼もしかった」と振り返る、白組チームのあくなき挑戦提案

座談会の終盤、西川監督は「どこまで映像化できるのか想像がつかず、最初は臆病になって提案することにすら消極的になりがちでした。でも、上田さんや白組の皆さんが『監督がいままで実写では無理だと思っていたこともまずは全部言ってみてください。できるかできないかは僕らが判断して、やれることは何でもやってみるから』と非常に積極的な意見を言って頂きました。こういうチームがいるからこれからも日本映画の実写映画もより豊かになっていくんだなと、非常に頼もしい気持ちで作品を作ることができました。VFXのチェックをするたびに子どものような歓声をあげて仕上がりを楽しませて頂きました。スクリーンで観ていただける価値のある作品にして頂けたのは、間違いなく白組を中心としたVFXチームのおかげです。このチームなしでは不可能だったので、改めてご協力頂けてよかったなと思っています」とチームへの惜しみない感謝を語り、会場からは惜しみない拍手が巻き起こった。

まだ本作を観ていない方にとっては、いかに途方もないスケールと職人魂によってあの戦後空間が立ち上がったのかを知り、劇場へと足を運ぶ大きなきっかけになるはずだ。そして、すでに劇場で心を揺さぶられた方にとっても、「あのシーンはこうして作られていたのか!」という驚きとともに、映像の細部に込められた演出意図を知ることで、もう一度スクリーンで確かめたくなることは間違いない。

画像2: 「実写では無理だと思うことも全部言ってください、何でもやってみますから」 西川監督が「本当に頼もしかった」と振り返る、白組チームのあくなき挑戦提案

<あらすじ> 
あの日を生きた子どもたちの煌めきーその時代を生きた誰もが、未来をつないでいた。1945年、終戦。音楽家の父のもとで育ち、ごく普通の暮らしを送っていた12歳の少女・茅野琴子は戦争によって家も家族も失い、焼け野原となった東京で、たったひとり生きることになる。女性であることが生きる危険につながる現実を知った琴子は、少女という性を隠し、少年として生きることを決意する。やがて将吉をはじめ、同じように家や家族を失った少年たちと出会い、「吉田茂男」と名乗って彼らと行動をともにする。闇市を束ねる菊沢組の親分・菊沢徹から仕事をもらい、ともに支え合う仲間との日々は、戦後ひとりぼっちだった琴子が初めて見つけた「居場所」となっていく。一方、担任教師だった曽根文美子もまた、敗戦によるイデオロギーの転換と、婚約者を失った中で教師としての誇りも生きる意味も見失っていた。しかし、父の友人から「琴子を探している」という知らせを受け、琴子を探す旅に出る。曽根もまた、自らも失っていた人として生きる意味を少しずつ取り戻していく。やがて子どもたちは東京湾上の孤島の隔離施設へ送られる。そこでの過酷な環境の中で生かされている子どもたちの実態を知った新聞記者・諸積は、脱走すると決意する琴子たちを海苔漁師・山井甚平と妻・けいへ託す。山井夫妻は、突然現れた子どもたちを煙たがりながらも生きる術を教えながら、その命を明日へとつないでいく。これは、戦争によって人生を変えられながらも懸命に生きた子どもたちの命の輝きと、その命を信じ、それぞれの選択で未来へつないだ人々の姿を描く物語。

『わたしの知らない子どもたち』
全国公開中
出演:小八重葵美 二階堂ふみ 坂東龍汰 櫻井海音 花瀬琴音 羽山由一郎 小林丞之介 岩田龍門 渋谷そらじ 武内ひなた 北村有起哉 吉田 羊 竹野内 豊 岡田准一 / 田中裕子 役所広司 
原案・脚本・監督:西川美和 
音楽:原摩利彦 
撮影:笠松則通 照明:宗賢次郎 音響:白取貢 特機:上野隆治 美術:三ツ松けいこ 装飾:須坂文昭 衣裳デザイン:小川久美子 衣裳:岩﨑文男 ヘアメイクデザイン:酒井夢月 スクリプター:田口良子 編集:菊池智美 音響効果:北田雅也 キャスティング :田端利江 、山下葉子 助監督:中里洋一 制作担当:山内遊 VFXスーパーバイザー:上田倫人、髙橋正紀 音楽プロデューサー:杉田寿宏 ラインプロデューサー:横井義人 製作:紀伊宗之 プロデューサー:小出大樹、伊藤太一 
製作・配給:K2 Pictures 共同製作:AOI Pro. 企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro. 
©︎2026 K2 Pictures・AOI Pro. 
公式サイト https://k2pic.com/film/wsk

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