
――そもそも城田さんがミュージカルに惹かれたきっかけは何でしょう?
いちばんのきっかけは、16歳の時にミュージカル「美少女戦士セーラームーン」のオーディションを受けたことです。やはり、最初は男子高校生だったので、「セーラームーンって女の子たちの話でしょ」って思っていたんですが、作品の資料を読むにつれ、自分でも驚いたのですが、涙が出てきて。もちろん素晴らしい原作にのっとってですが、ストーリーがちゃんとしていて小坂明子さんの作られた歌があって、めちゃくちゃ感動して泣いていました。そこから稽古に入り、やがて自分自身も感動を味わうことになりました。だから、きっかけはセーラームーンです。
――観る側として、感銘を受けた作品はありますか?
観ていて「すごい!」と思う作品はありますが、実際には「演じたい」と思う作品は実はないんですよ(苦笑)。高校生の頃に『エリザベート』を観に行ったのを鮮明に覚えていますが、それを観て「こんな敷居の高い作品、怖くて出られない!」と思いながら、後々、ルドルフのオーディションを受けましたね。演じていく中で、ミュージカルは奥が深くて苦しくてしんどくて、でもこんなにやりがいがあることはないなと感じました。当時、自分の短所なのか長所なのか、自分の個性が邪魔になることに悩んでいました。でも、身長の高さや歌声や堀の深さが、舞台で映えると言われ、自分が他の人たちと並んで勝てる要素は舞台映えすることだと分かりました。それからライフワークになり、自分のブランディングに役立つようになりました。
――演者として演じる喜びを感じた作品はありますか?
やっぱりデビュー作のミュージカル「美少女戦士セーラームーン」です。人前で初めて歌って踊って戦って。稽古中は血ヘドを吐くくらいの思いでした。当時、10代でしたが、男子も女子も関係なくスパルタな演出を受けました(笑)。その時に初めてお客さんの前に立って、終わってからカーテンコールで拍手を頂いた時のことがとても記憶に残っています。どの作品でもそう言えますが、「何のためにやってるの?」と問われると、お客さんの感情や表情、拍手や声援などがいただけることだと思います。自分たちが「ありがとうございました」と演じ終えた後には、今度はお客さんが表現してくださる。カーテンコールの拍手には色んな感情がこみあげてきます。あの瞬間のためにやっていると言っても過言ではないです。今でも関わった作品、毎公演が本当に感動的です。
――舞台に立つ方はみなさん、観客の声援が糧になるとおっしゃいますよね。
逆にそれがなかったらやる意味ないくらいです(笑)。お客さんが終わってシーンとしてそのまま帰っていくなんて……想像するだけで耐えられない地獄! 拍手の大きさがすべてではないのですが、お客様が笑顔になったり涙を流したりする姿を見ると「心動かされたんだな」とやりがいを感じます。
