6月6日レンタル開始のこの人気TVシリーズ「iゾンビ」の出演者たちのインタビューが到着。まずは主演のリヴ役のローズ・マクアイヴァ―からお届けしよう。
ゾンビものジャンルは生き続けて、進化し続けていくのよ
Q:ゾンビ役を演じるにあたって、どのような準備をしましたか?
A:実は、ゾンビであるという部分についてはあまり何もしなくて、その週ごとに食べる脳みそについての準備の方が主だったわ。ゾンビを演じるにあたっては、ゾンビについての言い伝えとかゾンビの歴史といった若干の要素については参考にしたけれど、私は、毎週毎週食べる脳みそのことを考えるのに時間をかけたの。毎回、まったく違う特性を真似なければならなかったし、その人間の持つ特性だったら何でもありだったから。たとえば、嘘をつくこととか。虚言癖は、今回のシーズンの後半に登場することになっているけれど、まねするのは身体的な特性のこともあるし、歌ったり、あるスポーツをしたりという行動的なこともあるわ。回転の早い撮影だと、そういう事を準備するのが大変なのよ。参考になるビデオをいろいろ見たり、スタントをする必要がある時は自分でスタントを習ったり、そういう事はできるんだけど、毎週、違う特性を真似る準備をするのには苦労しているわ。
Q:そういう事を習う時間はどれぐらい取れるんですか?
A:それがねえ、次のエピソードを準備するのは、その前のエピソードを撮影している間なのよ。それが心配になることもあるわ。たとえば、カンフーの戦士か何かを演じている時に、チアリーダーの脳みそについての準備をしなきゃいけない、みたいな。そういう二つが撮影現場で混じってしまってはまずいでしょ。うまくいかなくなっちゃうもの。でもまあ、そういうように各週各週やっていかなければならないの。
Q:あなたが演じる役について情報を収集できるものはありましたか? 二つのシーズンを通して役について知るのに役立つこと、たとえばグラフィック・ノベルを読んだりするとか? また、最後のシーズン以来、彼女に何か変化はありましたか?
A:そうね、皆のインスピレーションになったのは、強くて、人を惹きつけるような人間でありながら傷つきやすいところもあるという、性格づけに奥行きを持たせた女性の主人公だったと思うわ。ありがちなのは、強い女性の登場人物を創り上げる時に、困難な状況から立ち直るのが早い強靭な人物を作ろうとするあまり、何事にも影響されないという面白味や現実味に欠けた人物にしてしまう事だと思うの。その点、コミックの作者であるクリスとマイケルは、陰影があって多層的で興味深い人物を創り上げたと思う。私たちは、そんなヒロインを映像化しようとしたのよ。
Q:ゾンビが出てくる番組は非常にたくさんありますが、ゾンビというコンセプトが観客を惹きつけるのはどうしてなのでしょうか?
A:そうねえ、よくわからないわ。その質問は聞かれたことがあるけれど、はっきりとした答えが出せないでいるのよ。私なら、急にかかってしまった病気、急にふってわいたような伝染病にたとえると思うわ。そういう病気が、自分の家族や愛する人たちを襲うというのはおじけついてしまう概念よね。そういう病気が広く蔓延しているのだもの。皆は、そういう脅威や、それに対する私たちの闘争逃走反応に興味をそそられるのだと思う。それと、私が興味深いと思うのは、それが年月と共に変化してきたということね。最初は、一定の種類しか無かった。「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」スタイルの映画では、ある種のゾンビしか出てこないけれど、その後、それが覆されていくのを見るのは、とても興味深いわ。そうやって、ゾンビものジャンルは生き続けて、進化し続けていくのだと思うのよ。
脳みそは美味しいのもあればまずいものもあるのよ
Q:バンクーバーまで来てテレビドラマ製作の仕事をするという事については、どう思いましたか? そして、それはうまくいっていますか? 製作側からの観点からみて、バンクーバーは何を提供しているのでしょうか?
A:バンクーバーは雨がよく降るからシアトルの素晴らしい代役になっているわ。ここではとてもよく雨が降るのよ。実を言うと、ニュージーランドから来た私は雨が大好きなの。雨が降ると街がより綺麗になった気がするし、空気の質もずっと良くなるでしょ。だから、ここに居られるのは嬉しいわ。スタッフはすごく働き者なのだけれど、撮影現場は、ストレスにする必要の無い事はストレスにしないというリラックスした雰囲気で、とても気に入っているの。それでも、皆、適切な配慮をしながら激務をこなしているのよ。私たち作り手にとって、バンクーバーはとても才能ある俳優とスタッフを供給してくれているわ。脇役を演じる素晴らしい俳優たちとも一緒に仕事しているわけだけれど、彼らが他のドラマにも顔を出していたりするのを見るのは楽しいし、素敵よね。たとえば私たちのドラマでデイル・ボッジオを演じているジェシカ・ハーモンは、「The 100/ハンドレッド」に顔を出していたりするし。バンクーバーの持つ人材を活かすことができて、私たちはとてもラッキーだと思うわ。
Q:彼女はとても可笑しいキャラクターですよね。
A:彼女、すごく可笑しいのよ。
Q:彼女に何が起きているのか、知ってますか?
A:そうなの、私、ずっとそれを聞き続けているのよ。脚本家たちがバンクーバーを訪ねてくると、私は「クライヴとデイルはどうなってるの?」と聞くの。それって、私が持っている大きな疑問の一つだから。そうすると彼らは「君が食べている脳みそは誰のだかは知りたくないの?」とか言うから、「はい、はい、はい、でも、彼の異性関係がどうなっているか教えて」なんて、うるさい隣人みたいに言うのよ。
Q:脳みそですが、あれはどういう物なんですか? どういう味がするんですか?
A:あれはゼラチンで出来ていて、コーンシロップの血をくっつけてあるのよ。味はまあまあね。パイロット・エピソードで試作された脳みそよりは遥かにマシよ。進歩があったというわけ。レシピも改善されつつあるんだけど、毎週、違った料理にするから、なかなか興味深いわよ。クラブサンドイッチになる時もあれば、シチューとか何かになる時もあるんだけど、料理によって味の良し悪しが全然違うのよ。シチューは史上最悪だったわね。まるでセメントのペーストにゼラチンの小さな球が混ざっているみたいな感じで。逆に、先週作られた脳みそ入りターキーのコンソメスープみたいなのは美味しくて、マジで「レシピ教えて」なんて言っちゃったぐらい。本当にすごく美味しかったのよ。だから、全部が全部まずいわけではないわね。
「iゾンビ」は間違いなく独自の種類のドラマ
Q:日本の視聴者はまだあなたのドラマについては知らないのですが、このドラマが、他のゾンビ映画やゾンビドラマと比べ、どのようにユニークなのかを話してくれますか?
A:私たちは、自分たちのドラマが唯一のゾム・コム・ロム・ドラム、つまりゾンビ・コメディ・ロマンス・ドラマだということに誇りを持っているわ。このドラマは最初から一つのジャンルに縛り付けられていなかったという点が、私は大好きだし、興味深いと思うの。このドラマは過去にあった作品のようになろうとはしなかったわ。過去に成功した作品を薄めたようなドラマはかなり頻繁に見かけると思うけれど、「iゾンビ」は間違いなく独自の種類のドラマなのよ。私たちは、かなり独創的だけど、肩に力を入れすぎているわけでもないの。私たちは大きな賭けをしているんだけれどね。ゾンビが出てくるし、不明瞭なままにされているゾンビの大発生があるわけだけど、私たちはそれに対して自己認識を持って、熟考しつつ、ユーモアのセンスも持ち合わせるようにしているの。
Q:物を書いたりするのは好きですか?
A:ええ、好きよ、好きだわ。
Q:それでは、ゾンビとかホラーものの話を書いてみたいですか?
A:私は近いうちに「iゾンビ」の脚本家たちが詰めている部屋への立ち入り禁止をくらうと思うわ。ほぼ確実に使いものにならない提案ばかりし続けているから。登場人物がどうなるべきかとか、私が共演して楽しかった人たちが居ると「どうやったら、あの人たちを連れ戻せるかしら?」なんて言ったりして。そうそう、すごい提案は、皆をゾンビに変えちゃうというものね。脚本家の人たちは、こればっかり聞かされてるわよ。私は「オーマイガッド、ローラ、大好き。彼女をゾンビに変えてよ」とか言ってるから。そういう事はしょっちゅう起きてるわ。でも、私が書くことに興味を持っているのは、テーマ的にはもっとドラマチックなもので、たぶん違うジャンルになるわね。私はゾンビについてはあまりよく知らないのよ。ゾンビが何たるものなのかを理解するために指導を受けなければいけなかったぐらいだから。
Q:メイクアップとか髪型についてはどうですか? あなたはカツラを使っているんですか?
A:ええ、カツラを使っているわ。私たちには素晴らしいヘアドレッサーがついていて、カツラ全体をピンでとめてくれるの。カツラは普通、ノリで付けるものなんだけど、私はすごく敏感肌なものだから、肌にノリをつけると真っ赤になってしまうのよ。私は白いメイクアップをしているから、真っ赤な肌はすごく目立ってしまうことになるでしょ。そういうわけで、ヘアハットみたいになっているものをピンでとめて使ってなんとかしているんだけれど、朝、このカツラをつけてメイクをするのに1時間半ぐらいかかるの。でも、それって私が普通に見えるようメイクするのにかかる時間とすごく違うわけではないというのが、ちょっと引っかかるところなのよね。
Q:DCコミックスとCWネットワークは、コミックブックのファンには素晴らしい週を作り出しました。あなたは、その事について考えてみましたか? また、コンベンションや街でファンに会った時の反応はどのようなものなのでしょうか?
A:すごくワクワクする気持ちだわ。私は、前にもコミック・ファンのようなカルト・ファンのついているプロジェクトのいくつかに出演したこともあるのよ。「パワーレンジャー」やいろいろな作品に。すごく熱心で情熱を持っていて、自分たちが考えたアイディアを寄稿したいと願っているファンと交流する時は、いつだってワクワクするし、応援してもらっているのがわかって嬉しいわ。コミコンに行って、リヴの格好をしている人たちを見たのも素晴らしかったし。第1話を作ることになった時、ロブ・トーマスが私に言った事を憶えているんだけれど、彼は「このドラマを作ることで、僕は、小さな女の子たちがハロウィンにリヴの格好をしているのをすごく見たいんだ」って言ったのよ。私たちは、今、シーズン2を放映しているのだけれど、リヴの格好をしている子を見かけることがもっと多くなったわ。去年のハロウィンの時は、とてもワクワクしたの。私は、ツイッターで、リヴの格好をした人たちを探して見ていたんだけど、男の子も女の子も居て、ありとあらゆる多様な人たちがリヴというキャラクターに親しみを感じてくれていることがわかって、とにかく嬉しかったし、ワクワクしたわ。実際、言うまでもなく、彼ら無しではこのドラマは成り立たないのだから、とてもありがたく思っています。
私は以前にもバンクーバーで撮影したことがあるのよ
Q:他のドラマではすごく多くのクロスオーバーがありますが、「iゾンビ」と「THE FLASH/フラッシュ」とが出会うといったことなどは?
A:私だけが、そう言っているけどね。私はさかんにそう言っているんだけど。「ねえ、グラント」って。実現できたら嬉しいんだけれど、彼らのストーリーはコミックの世界では全く交差しないからむずかしいと思うわ。でも、脚本家たちの想像力はすごいから、どうなるかはわからないわよ。実現したら素敵でしょうね。
Q:このドラマにキャストされる前に、バンクーバーのことはよく知っていましたか? ここに長い間、滞在しなければならないと知った時、どう思いましたか?
A:私は、「ワンス・アポン・ア・タイム」に出演した時、ここで撮影をしたことがあるので、友人のコミュニティもすでにできていたし、ファンタジーものの撮影経験もあったから、難なく移り住むことができたわ。それに、気候や風景、そして人々の感じもニュージーランドに似ているところがあるの。だから、かなり自然な前進のように感じられたわね。
Q:現在はシーズン2に入っているわけですが、あなたが演じている役にはどのような発展があるのでしょうか?
A:最初のシーズンでは、リヴは途方に暮れていたと思うの。彼女は、最初、自分がどのような人間なのか、わかっていなかったのよ。彼女は、私たちが20代の時に直面するアイデンティティー・クライシスをすでに経験していたのだけれど、それに加えてゾンビになってしまったから、いわばダブルパンチをくらっていたことになるの。彼女は本当にたくさんの事と折り合いをつけていたのよ。彼女の家族との関係は断ち切られてしまったし、愛する人は彼女のことを本当には理解してくれない。幸いなことに、最初のシーズンを通じて彼女は何人かの人たちを信頼することができるようになり、支援ネットワークを発展させることができた。さらに、彼女は、強いアイデンティティー意識と目的意識を発見することができるのよ。第2シーズンでは、彼女は、たとえばマックス・レイジャーのような重大な脅威と対戦していかねばならなくなるのだけれど、彼女の立ち直る力も強くなっているの。彼女には支援してくれる人たちも居るし。ラヴィは頼りになる友人だし、ペイトンも事情を知っている。彼女にはそういう頼める人たちが居るから、自分のヒーロー的な面を探求していくことができるのよ。シーズン2では最初のシーズンより彼女のそういうところが出ていると思うわ。最初のシーズンでは彼女は守りの態勢になっていることが多かったけれど、第2シーズンでは攻めの態勢になっていることが増えていると思う。
「iゾンビ」
シーズン1
出演/ローズ・マクアイヴァー、ラフル・コ―リ、マルコム・グッドウィン、ロバート・バックリー、デヴィッド・アンダーズ
6月6日レンタル開始、デジタル配信開始
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
iZOMBIE and all related characters and elements TM & ©DC Comics.
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