最新作「レディ・バード」でアカデミー主演女優賞候補になる名演を見せたシアーシャ・ローナン。まだ24歳になったばかりながら、英国を代表する演技派女優として進境著しい彼女は一体、どんな女の子なのでしょう?意外に知らないシアーシャのすべてに迫ります!今回は後編。出演作から今後の予定までお届けします。(文・清藤秀人/デジタル編集・スクリーン編集部)

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04: 出演作

「つぐない」で注目された後は順調なキャリアを

画像: 「つぐない」プレミアで共演のキーラ・ナイトリー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジェームズ・マカヴォイと

「つぐない」プレミアで共演のキーラ・ナイトリー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジェームズ・マカヴォイと

子役時代はなかなか運に恵まれなかったシアーシャだが、07年、ジョー・ライト監督の「つぐない」で実年齢と同じ13歳当時のヒロイン、ブライオニーを演じて、一躍注目の的に。姉とその恋人の運命を狂わせてしまう少女独特の感情の機微を、至近距離まで迫るカメラの前で堂々の表現したその演技は、単なる子役の粋を越えて批評家たちを唸らせる。

その翌年には、「奇術師フーディーニ/妖しき幻想」(日本はDVD公開)でフーディーニと恋に落ちるキャサリン・ゼタ・ジョーンズ演じるインチキ霊媒師の娘ベンジーを演じ、同年、ファンタジー映画「エンバー失われた光の物語」(日本はDVD公開)では、ティム・ロビンズ、ビル・マーレイ、マーティン・ランドー等、大物と堂々競演。

さらに翌年には、ピーター・ジャクソン監督の犯罪ドラマ「ラブリーボーン」で、連続殺人事件の犠牲者となった少女が、天国から犯人の動静と家族や友人たちの日常を見守る姿を熱演する。続いて、巨匠ピーター・ウィアー監督の戦争ドラマ「ウェイバック/脱出6500km」では、シベリアの強制収容所からインドを目指す脱出者の1人を、そして、再びジョー・ライト監督から望まれて出演した「ハンナ」(10)では、冷徹な暗殺者という初役にチャレンジ。ほとんどのスタントを自ら演じるという女優根性を見せつけて現場の信頼を得る。

その後、スタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」の北米版でアリエッティの吹き替えを、ニール・ジョーダン監督の「ビザンチウム」では吸血鬼の娘を、アンドルー・ニコル監督の「ザ・ホスト美しき侵略者」(13)ではSFラブロマンスに挑戦する等、移ろいやすい10代を果敢に潜り抜けたシアーシャ。

20歳になると、いきなりウェス・アンダーソン監督から「グランド・プダペスト・ホテル」(14)への出演依頼が舞い込み、「ブルックリン」(15)では、自身の人生にも重なるアイルランド人女性の祖国愛と決別という切実なテーマに挑戦。

画像: 6月日本公開の「レディ・バード」

6月日本公開の「レディ・バード」

そして、グレタ・ガーウィグ監督の「レディ・バード」(17)では、田舎町で悶々とした日々を過ごす女子高生の閉塞感を好演して、この若さで早くも3度目のオスカー候補となる。

05: アカデミー賞

20代前半ですでに3度のノミネート

「つぐない」での候補入りは衝撃的だった。共に俳優、または俳優出身の両親が、幼い頃から一人娘に託した夢が、ここにようやく実現したわけだ。授賞式当夜、アルベルタ・フェレッティのシフォンドレスでレッドカーペットに登場したシアーシャの大人びた姿が、今も脳裏に焼きつく。

2度目の候補は「ブルックリン」の主演女優賞部門で。故郷アイルランドへの捨てがたい郷愁と、移民先ニューヨークでの未来との間で揺れ動くヒロイン、エイリッシュの精細な感情表現は、同じ道程を辿るシアーシャならではのもの。これが現時点での彼女のベストワークではないだろうか。

そして、3度目のオスカー候補作「レディ・バード」では、前哨戦のゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で見事主演女優賞を手中にする。〝子役は大成しない〞の悪しきジンクスをジョディー・フォスターに続いて久々に叩き割ったのが、誰あろうシアーシャ・ローナンなのである。

06: 今後の予定

歴史大作でマーゴット・ロビーと共演

画像: 最新作の一つ『オン・チェジル・ビーチ』

最新作の一つ『オン・チェジル・ビーチ』

「レディ・バード」の次に主演したラブロマンス「オン・チェジル・ビーチ」は今夏8月の日本公開を控えている。テーマは新婚夫婦の〝初夜〞。期待していい作品だ。

今年に入って、シアーシャはすでにチェーホフの名作「かもめ」を撮り終え、スコットランド女王メーリーを演じる歴史ドラマ「Mary Queen of Scots」が編集作業に入っている。今年のオスカーを競い合ったマーゴット・ロビーがエリザベス女王を演じているだけに、個性が異なる両者の演技合戦が凄く楽しみだ。

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