月、行っちゃいました
いつの時代も月は私たちを惹きつけ、月が舞台の映画は枚挙にいとまがない。未知数だからこそ、ぶっ飛んだ設定も受け入れられるのかも…
1905年:「月世界旅行」
映画草創期に誕生したSF映画の元祖で、ヴェルヌとウェルズの小説を原作にメリエスが作り上げた「月旅行」という言葉がぴったりな娯楽作。砲弾型ロケットや月の住人の登場など、当時の月に対するイメージがユニークで、15分程度の短編ながら映画の魅力満載。
1968年:「2001年宇宙の旅」
映画史上に残る不朽の名作にも月面が登場。月面で謎の石板“モノリス”が発見されたことをきっかけに、木星に探査船が送られる。半世紀前の作品だが、その映像は今見てもリアル。アポロ11号の月面着陸以前にこれほどの映像を作り上げたことは驚嘆に値する。
1950年:「月世界征服」
月面探索を目指す科学者たちの奮闘を描いたSF映画。アポロ11号の月面着陸の20年近く前の映画で、流線型のロケットなど今となってはクラシカルな内容だが、アカデミー賞を受賞した特撮は1950年当時の最先端。資金集めや技術開発など、準備段階も丁寧に描写。
2011年:「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」
アポロ11号による史上初の月面着陸は、月に墜落した宇宙船の調査が目的だった…! 驚愕の設定に基づくシリーズ第3弾。冒頭ではニュース映像も交えて、月面着陸の様子が再現される。月面に降り立ったアポロ11号の宇宙飛行士バズ・オルドリン本人も出演。
2012年:「アイアン・スカイ」
「月の裏側で生き残っていたナチスの残党が地球を侵略!」奇想天外な設定に基づくSFコメディ。とはいえ、独創的なデザインと本格的なVFXで映像化されたナチスの月面基地や宇宙船など、ビジュアルは迫力満点。世界情勢を風刺した物語もピリリと辛口だ。
番外編
1977年:「カプリコン1」
「アポロ11号の月面着陸はNASAのねつ造だった!」。今も根強い「アポロ計画陰謀説」の一端を担ったのがこの映画。直前に発覚した重大な欠陥を隠ぺいし、世間を欺いて火星探査計画を強行する様が描かれる。これを見たあなたは、陰謀説を信じてしまうかも?