衝撃のロック・モキュメンタリー「スパイナル・タップ」とは?
「スパイナル・タップ」は、架空のロックバンド“スパイナル・タップ”のニューアルバムを引っさげた伝説の全米ツアーを収めた――という設定のロック・モキュメンタリー。ロック映画というくくりにおいて映画史上に残る金字塔的作品だ。理不尽なことがあったとき『それじゃスパイナル・タップじゃないか!』と表現されるほどロック界で愛されている。本作は「スタンド・バイ・ミー」を手がけ、最新作「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」が3月29日に公開されるロブ・ライナー監督が自ら出演もしている初監督作で、今なおカルト的にアツい支持を受けている。
日本では製作から34年を経た昨年6月に初公開され、音楽ファンはもちろん、多くの観客たちを熱狂させた。
音楽界のレジェンドたちも大絶賛!
本作を50回も鑑賞したというスティングは“リアル過ぎて泣いていいのか笑っていいのかわからなかった“と絶賛(⁉)し、スティーヴン ・タイラーはあまりのリアルさに“本当のことを茶化しやがってと怒りに震え、U2のギタリストのジ・エッジは落涙したといわれている。
今回届いたコメントの中でロブ・ライナー監督は“日本で「スパイナル・タップ」が公開されたことと、多く人に愛されていることをうれしく思う”と述べ、さらに“「ボヘミアン・ラプソディ」より好きだという人もいるらしいが、この作品にはフレディ・マーキュリーのように歌える人は出てこない”とユーモアたっぷりにコメントしている。
ちなみに、1992年に行なわれたフレディ・マーキュリーの追悼ライブには、デヴィッド・ボウイやエルトン・ジョン、メタリカ、U2らとももに本作でバンドを演じた俳優陣が本物のバンド“スパイナル・タップ”として参加している。
ライナー監督は内容について、“ばかばかしいと思うのか、知的だと思うのかは皆さんが決めてください”と本作の監督らしい、煙に巻いたコメントをしている。
デビュー作「スパイナル・タップ」は笑撃モキュメンタリー、最新作「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」は硬派な社会派作品とその振れ幅にも驚くが、2作を比べて鑑賞するのも面白いだろう。