杉山すぴ豊(SUGIYAMA SUPI YUTAKA)
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
連載「すぴのアメコミワンダーランド」前回はこちら!
“キャプテン・マーベル”の映画が2本連続公開!…ってどういうこと?
まず最初に言わせてください!スパイダーマン、ブラックパンサー、アカデミー賞おめでとう!アメコミ映画好きにとって、2009年のアカデミー賞でヒース・レジャーが「ダークナイト」で助演男優賞をとった時以来の快挙ではないでしょうか?
さて「キャプテン・マーベル」がついに公開されました!これからご覧になる方も多いので内容については詳しくは触れませんが、ストーリーとユーモアのバランスが絶妙。また宇宙空間でのスーパーヒーロー・バトルというのは斬新な見せ場です。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でスペース・シップバトルはありましたが、超人vs.宇宙戦艦というパターンは初めてでしょう(あ、「アベンジャーズ」でハルクがパンチ一発で怪獣のような宇宙船を撃沈するシーンがあったか)。実はブリー・ラーソンが「キングコング:髑髏島の巨神」で来日した際インタビューする機会があって、その時にキングコングとキャプテン・マーベルの人形を持参したんです。キャプテン・マーベルだったら怪獣を倒せるのでは?と聞いたら、彼女はにっこり笑ってくれました(笑)。
映画「キャプテン・マーベル」を観て感慨深いことが二つあります。一つはスクラル星人が出てきたこと。緑色のいかにも宇宙人というデザインが嬉しい、マーベル・コミックの中では有名なキャラクターです。これがMCUに、このタイミングで登場するとは思わなかった。というのも、スクラル星人はコミックの中では「ファンタスティック・フォー」でデビューしており、僕の中ではこのヒーローたちに紐づいている印象があったから。
そして「ファンタスティック・フォー」関連の映画化権は20世紀フォックスが持っており、映画に出るとしたらMCUではなく「ファンタスティック・フォー」映画だろうと思ってた。それが今回「キャプテン・マーベル」のメイン・ヴィランとは!スクラル星人が、主要なマーベル・ヒーローたちに化けて大混乱を起こす”シークレット・インベージョン”という名エピソードもあるので、いずれこの話が映画化されるかもしれません。
シャザムのヒーローの名前って実は“キャプテン・マーベル”なんです
そしてもう一つは「シャザム!」がほぼ同時期に公開されたことです。え、「シャザム!」ってマーベルじゃなくてDCコミックでしょ? その通りなのですが、実は……