オードリー・ヘプバーンを抜擢した女性作家コレットの半生を映画化
フランスの文学界で最も高名な女性作家の一人であり、自著『ジジ』を舞台化する際に当時無名のオードリー・ヘプバーンを主役に抜擢し一躍スターにした立役者としても知られるコレット。男性優位の時代に、常識や慣習にとらわれずあらゆる分野で道を切り開いていった彼女の半生を「くるみ割り人形と秘密の王国」のキーラ・ナイトレイ主演で映画化。最初の結婚から著書『クローディーヌ』シリーズで社会現象を巻き起こした時代を中心に描く。
最初の夫ウィリー役には「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のドミニク・ウェストが扮し、共演はほかにデニース・ゴフ、フィオナ・ショウら。監督・脚本は「アリスのままで」のウォッシュ・ウェストモアランド。
堂々と愛と自分を貫き、時代を作り続けたコレットの半生
フランスの田舎サン・ソヴールで生まれ育ったコレット(キーラ)は、十四歳年上の人気作家ウィリー(ウェスト)と結婚しパリに移り住む。ウィリーはほかの作家たちをゴーストライターとして使っていたが、やがて妻コレットにも文才があることに気づき、彼女に小説を執筆させる。その作品はウィリーの名義で出版されて社会現象を巻き起こすほどの人気を呼び、商才に長けたウィリーは舞台化や商品化にも乗り出し、夫妻は社交界のセレブとなっていく。
しかしコレットは、世間に自分の作品と認められないことやウィリーの浪費癖、浮気に苦しめられていく。そして自分を偽ることなく生きている男装の貴族ミッシー(デニーズ)との出会いを経て自分らしく生きる道を見つけていく。
主要キャラクター
時代のアイコンとなった女性作家
コレット(キーラ・ナイトレイ)
田舎で育ち有名作家と結婚してパリに出てきた。夫に文才を見出されて小説の執筆を開始し作品は大評判になるが、出版される際には夫の名義だったため複雑な葛藤を抱く。
コレットの小説の才能に気づきゴーストライターに起用する夫
ウィリー(ドミニク・ウェスト)
コレットが20歳のときに結婚した、14歳年上の夫。パリの人気作家だったが、ゴーストライターを使い、コレットにもその役を担わせた。商才があり、コレットの小説を利用して大成功を収めていく。
ミッシー(デニース・ゴフ)
離婚した元貴族夫人。男装する同性愛者でコレットと出会って恋人関係になる。
シド(フィオナ・ショウ)
コレットの母親。ウィリーとうまくいかなくなり始めてからは娘に離婚を勧める。
「コレット」ここに注目!
注目1:男性優位の時代に自分の道を切り開いたコレット
抑圧された状況を乗り越え、自分の声をあげた女性作家コレットは昨今の #MeToo 運動など女性の自立や自由が叫ばれる現代において先駆け的な存在。時代が移り変わる今だからこそ見るべき作品に仕上がった。
注目2:ALSで他界したパートナーと16年にわたって脚本を推敲
かねてよりコレットに想像力をかきたてられていた監督は、公私のパートナーである故リチャード・グラッツァーと共同で16年も脚本を推敲。2015年にALSで他界した彼の遺志を継ぐ形で本作を完成させた。
「コレット」
2019年5月17日公開
2018年作品。1時間51分。イギリス・アメリカ映画。東北新社=STAR CHANNEL MOVIES配給
©2017 Colette Film Holdings Ltd. / The British Film Institute. All Rights Reserved.