「X-MEN」フィナーレを語るキーワードはこれだ!
最強
今回のジーン・グレイは宇宙生命体との接触によってテレパシーやテレキネシスの能力が高められており、そのためX-MENの誰よりも強いパワーを発揮。ミュータント最強のテレパシーを持っていたチャールズでさえ、彼女の心を読むことができない。その力をもってすれば一つの銀河系を生み出すことさえできる、というのだからもはや神にも等しい。
それでいて精神的に不安定な状態に陥っている、まさに一触即発の危険状態なのだ。
女性パワー
アメコミを原作にしたアクション映画としては珍しい、主人公もヴィランも女性という本作。ヴィランを演じたジェシカ・チャステインは、そこに興味を惹かれたとインタビューで語っている。冒頭でミスティークが宇宙飛行士救出ミッションでチームのリーダーを務めていることも、強い女性キャラクターたちの物語であることを宣言しているかのよう。ちなみに彼女には“X-MENじゃなくてX-WOMENという名にしたら?”というセリフもある。
終焉
「X-MEN」シリーズが始まったのは2000年。つまり「X-MEN」は、MCUよりも前にスタートし、21世紀のアメコミ映画ブームを牽引してきたシリーズといえる。その最終作が「ダーク・フェニックス」!
それを踏まえて見ると、ラストを飾る作品にふさわしく極めてドラマチック。とあるメンバーの死は劇的で、胸を締め付けられる。余韻の残るラストもシリーズの終焉を実感させるに十分だ。シリーズを追いかけてきたファンには感慨深い作品なのだ。
衝撃
原作の「ダークフェニックス・サーガ」は、アメコミ・ファンの間できわめて人気の高いシリーズ。その秘密はヒロイン、ジーン・グレイの内面を深く掘り下げていることにある。
強力なパワーを持つゆえに苦悩し、それゆえに闇にとらわれる衝撃的な展開は、善悪をはっきりさせたい傾向にあるヒーロー・ストーリーには異質。映画化でもその点を踏まえ、ジーンのダークサイドに鋭く切り込み、単なる勧善懲悪ではない壮絶なドラマを展開させている。