2000年から始まったマーベルの超大作「X-MEN」シリーズの最終作「X-MEN:ダーク・フェニックス」。宇宙でのミッション中に謎の物質に遭遇したジーン・グレイは、かつてない巨大なパワーを手に入れると同時に、心を闇に支配されてしまう。暴走するジーンは人類すべてを滅亡に導くのか!? 出演はジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ソフィー・ターナーほか。監督・脚本はこれまで同シリーズに4本携わってきたサイモン・キンバーグ。

「X-MEN」フィナーレを語るキーワードはこれだ!

最強

画像: 恐るべき力を持ったまま闇落ちしてしまったジーン

恐るべき力を持ったまま闇落ちしてしまったジーン

今回のジーン・グレイは宇宙生命体との接触によってテレパシーやテレキネシスの能力が高められており、そのためX-MENの誰よりも強いパワーを発揮。ミュータント最強のテレパシーを持っていたチャールズでさえ、彼女の心を読むことができない。その力をもってすれば一つの銀河系を生み出すことさえできる、というのだからもはや神にも等しい。

それでいて精神的に不安定な状態に陥っている、まさに一触即発の危険状態なのだ。

女性パワー

画像: 主人公だけでなくヴィランも女性なのだ

主人公だけでなくヴィランも女性なのだ

アメコミを原作にしたアクション映画としては珍しい、主人公もヴィランも女性という本作。ヴィランを演じたジェシカ・チャステインは、そこに興味を惹かれたとインタビューで語っている。冒頭でミスティークが宇宙飛行士救出ミッションでチームのリーダーを務めていることも、強い女性キャラクターたちの物語であることを宣言しているかのよう。ちなみに彼女には“X-MENじゃなくてX-WOMENという名にしたら?”というセリフもある。

終焉

画像: メンバーたちの葛藤や絆がドラマチックに描かれる

メンバーたちの葛藤や絆がドラマチックに描かれる

「X-MEN」シリーズが始まったのは2000年。つまり「X-MEN」は、MCUよりも前にスタートし、21世紀のアメコミ映画ブームを牽引してきたシリーズといえる。その最終作が「ダーク・フェニックス」!

それを踏まえて見ると、ラストを飾る作品にふさわしく極めてドラマチック。とあるメンバーの死は劇的で、胸を締め付けられる。余韻の残るラストもシリーズの終焉を実感させるに十分だ。シリーズを追いかけてきたファンには感慨深い作品なのだ。

衝撃

「X-MEN:ダークフェニックス・サーガ」
(ヴィレッジブックスより発売中/ 3100円+税)

原作の「ダークフェニックス・サーガ」は、アメコミ・ファンの間できわめて人気の高いシリーズ。その秘密はヒロイン、ジーン・グレイの内面を深く掘り下げていることにある。

強力なパワーを持つゆえに苦悩し、それゆえに闇にとらわれる衝撃的な展開は、善悪をはっきりさせたい傾向にあるヒーロー・ストーリーには異質。映画化でもその点を踏まえ、ジーンのダークサイドに鋭く切り込み、単なる勧善懲悪ではない壮絶なドラマを展開させている。

「X-MEN:ダーク・フェニックス」

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