誕生は半世紀以上も前
スパイダーマンが誕生したのは、今から57年前の1962年。昨年、惜しくも世を去ったスタン・リーと、アーティストのスティーブ・ディッコによって、マーベルのコミックに初登場した。
スパイダーマンの生みの親はスタン・リー
1930年代から長く愛されていたスーパーマンやバットマンなどと違って、スパイダーマンが斬新だったのは、10代の少年が変身する点。当時、若いキャラクターはスーパーヒーローの「相棒」が多かったのに対し、スパイダーマンは高校生が主役となることで多くの読者が共感し、一気に人気キャラに!
大いなる力には大いなる責任が伴う
スパイダーマンの「原点」として有名なのが、この言葉。亡き両親に代わって、ピーターを育ててくれたベンおじさんが死の直前にピーターに遺したもので、原作コミックはもちろん、映画化作品でも重要なキーワードとして使われてきた。まさにスパイダーマンの一大テーマ。
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生涯の教訓を与えたベンおじさん(「スパイダーマン」より)
トム・ホランド版にはベンおじさんが直接出てこないものの、「ホームカミング」でトニー・スタークが似たようなセリフを言ったりして、スピリットは受け継がれている。
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彼に代わってピーターを導いたトニー(「ホームカミング」より)
日本が作ったヒーローと思っている人も!?
1978〜1979年に、東映が「スパイダーマン」を全41回のTVシリーズとして制作。テレビ東京(当時は東京12チャンネル)で放映され、特撮モノとして人気になった。物語はオリジナルだがスパイダーマンの設定は基本に忠実。
さらに遡って、1970〜1971年には月刊少年マガジンで「スパイダーマン」が連載されていた。作画は「男組」などの池上遼一で、主人公は「小森ユウ」という日本の高校生。そんなわけで、70年代はスパイダーマンが日本生まれのキャラだと思っていた人も多かった。
ヴィラン(悪役)もバラエティー豊か
スパイダーマンの世界は、とにかく強烈なキャラの悪役がいっぱい。グライダーに乗るグリーンゴブリンや、4本の機械の腕をもつドクター・オクトパス、自ら飛行スーツを開発したヴァルチャー、トカゲ人間のリザード、人間発電機となったエレクトロ、砂として肉体を変化させるサンドマンなどは、映画でもおなじみ。
「スパイダーマン」のグリーンゴブリン
「スパイダーマン2」のドック・オク
「アメイジング2」のエレクトロ
さらにコミックには、数えきれないほどの悪役が登場する。中でも地球外生命体が寄生して怪人と化すヴェノムは大人気で、単独の映画も2018年に公開されたばかり。
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スパイダーマンの好敵手ヴェノム
いくつもの次元がある
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何人ものスパイダーマンがタッグを組む「スパイダーマン:スパイダーバース」
あまりに人気のキャラなので、マーベルのコミック内だけでも、多くのタイプのスパイダーマンが登場。つまりそれぞれに世界=次元が存在している。そんな「多次元」を描き、昨年度のアカデミー賞長編アニメーション賞に輝いたのが、「スパイダーマン:スパイダーバース」だ。
オッサンになったピーター・パーカーもいれば、モノクロキャラや日本アニメ風のキャラなどが、別の次元から集結するという設定は、アニメーションだからこそ可能に。ある意味でスパイダーマン全体の世界観が忠実に再現されているのかも!?