国内外のファンタスティック映画祭に頻繁に出席されている映画評論家の塩田時敏先生。特にホラーに関しては一家言をお持ちの塩田先生に、ホラー映画界におけるなんでもナンバーワンを(独断と偏見もこめて)決めていただきました。異論もありましょうが、これはこれで楽しんでいただければ!(文:塩田時敏/デジタル編集:スクリーン編集部)
1に血糊2に血糊3、4がなくて5に血糊
大量の血糊を発注ミスした(笑)ので作ったらしい「血の祝祭日」。ホラー史上一番血糊を使ったと言われているのは「ブレインデッド」。でも、バケツ一杯ぶっかけられる「キャリー」の方が多い気も。
ちなみに、よくB級ホラーの撮影地となるカナダでは、メイプルシロップをベースに血糊を作るとか。あのトロみが絶妙らしい。舐めても美味し!
ホラーなのに1番泣ける映画
これはもう、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「ザ・フライ」にとどめ。愛する人が電送で、蝿になっちまうなんて!女の背中と男の胸を合わせるラブシーンは、クローネンバーグ得意のポジション。クローネンバーグのホラーは、どれも哀しみを湛えている。
映画より怖い!1番呪われた映画
俗に言われているのは「ポルターガイスト」3部作。1の公開直後に長女役のドミニク・ダンが元カレに絞め殺される。2の公開後には牧師役のジュリアン・ベックと祈祷師役のウィル・サンプソンが次々他界。
極めつけは3の撮影直後、次女役ヘザー・オルークが、なんと12歳の若さで急死する。撮影現場で本物の人骨を使った呪いと言うが…。真相を確かめようにも、監督のトビー・フーパーももういない。