ドナルド・グローヴァー
プロフィール
1983年9月25日生まれの35歳。俳優、歌手、クリエーターとして多彩な才能を発揮するエンターテーナー。アーティスト“チャイルディッシュ・ガンビーノ”としても活躍し、2019年グラミー賞では“This is America”が年間最優秀レコード賞を含む4部門に輝く。「ライオン・キング」では“未来の王”こと主人公シンバの声を演じる。
グローヴァーにとくめく理由
歌手としても活躍する豊かすぎる才能
役者としてだけでなく、歌手の顔も持ち、クリエーターとしても大活躍。この何でもこなしてしまう卓越したセンスがグローヴァーの魅力。しかもどの分野も中途半端ではなく、アーティスト“チャイルディッシュ・ガンビーノ”としてグラミー賞四冠に輝くなど才能は底なし。まずは「ライオン・キング」の魂の歌唱でその実力を確かめて。
大事なのは多様性のある”視点“が生まれることだと思う
アフリカの大地を舞台に生命をテーマに描き、映画、演劇、音楽の頂点を極めた“キング・オブ・エンターテイメント”「ライオン・キング」が超実写版としてさらなる進化を遂げた。王になるという自らの運命に立ち向かう主人公シンバの声優に起用されたのは、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」でランドの若き日を演じたドナルド・グローヴァー。俳優だけでなく歌手としての顔も持つ彼に、本作に参加した思いを尋ねた。
ーー「ライオン・キング」の最初の思い出は何ですか?
「美女と野獣」を劇場に見に行った時に「ライオン・キング」の予告編が上映されたんだ。それを見たときに僕の人生が変わった。僕は多分8歳くらいだったと思う。予告編はまったくセリフがなくて、最後にみんなの前でシンバが持ち上げられて、そこで「ライオン・キング」というロゴが出るというものだった。謎だらけだったけど、絶対に何かすごく大事な映画だと思った。それを見ただけで想像力が広がったし、夢を描くことができた。とにかく衝撃的に感動したんだ。
そして、実際にそのあと映画を見たときには泣いたよ。お父さんが死ぬシーンでね。それってとりわけ子どもにとっては、想像するだけでもものすごく怖いことだから。
ーー観客にとってこの映画はなぜ大事なのだと思いますか?
「ライオン・キング」は、多くの人にとっての人生の一部だとさえ言えるからだと思う。僕は以前「プリンセス・ブライド・ストーリー」の脚本を朗読するイベントに出たことがあるんだけど、そのときに映画のアクセントと違う方法で読んだら、みんなに激怒された経験がある(笑)。めちゃくちゃ怒ってたんだ(笑)。僕としては「違うことに挑戦してみよう」って感じだったんだけど、みんな「挑戦するなよ!そのままやれよ!」ってね(笑)。
だから、そういう人たちの気持ちを尊重するのは大事だと思う。だってこの作品も、人々の人生にとって大きな意味を持ち、ある意味人生そのものでもあり、大きな位置を占める作品なわけだからね。
ーーここまで黒人の俳優が起用されたアニメーションはなかったのではないかと思いますが、それはあなたにとっては大事でしたか?
それだから嬉しいというよりも、今回のキャストが素晴らしい人ばかりだということに感激した。今“多様性”という言葉は、流行語のように良く使われている。でも実際には、概念的にも、視点的にも、多様性があって、世界的であることが大事だと思うんだ。
僕はアフリカ人じゃないけど、アフリカ系アメリカ人だから、それがこの映画で何らかの形で象徴されているのはすごく嬉しい。だけど個人的には、様々な人たちがいることで、そこから多様性のある視点が生まれるということの方が大事だと思えるんだ。
あの名作が“超実写版”に!
「ライオン・キング」
全世界観客動員数でアニメーション史上No.1を誇る「ライオン・キング」が“超実写版”として進化。“未来の王”シンバの冒険を通して、生きる意味に気づかせてくれる壮大な物語が描かれる。