アクション映画の歴史を変えたといわれる「ターミネーター」シリーズ。今回の最新作「ニュー・フェイト」は、伝説の大ヒット作「ターミネーター2」の正当な続編として大きな話題を呼んでいます。なぜそれがすごいことなのか、それほどまでに「2」は傑作だったのか。「2」の素晴らしさを徹底分析するとともに、「ターミネーター」シリーズ全体の魅力も詳細解説!(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

映画史上に残る傑作アクション「ターミネーター2」は何がすごいのか!?

逃げても追ってくるマシンの恐怖を描いた一作目

「タイタニック」「アバター」などで知られる稀代のヒットメーカー、ジェームズ・キャメロン監督の出世作として知られる「ターミネーター」シリーズ。同時にそれはアクションスター、アーノルド・シュワルツェネッガーの出世作でもあり、SFアクションの歴史を変えた記念碑的なシリーズでもあった。劇場版シリーズは最新作「ターミネーター:ニュー・フェイト」で6作目。番外編的なTVシリーズ「ターミネーターサラ・コナー・クロニクル」も作られた。どの作品も個性的で見るべきところがある。しかし、このシリーズの基礎は、つねにキャメロンが監督を務めた第一作「ターミネーター」と2作目の「ターミネーター2」にあると言っても過言ではない。

画像: 屈強なマシンに狙われ続ける恐怖

屈強なマシンに狙われ続ける恐怖

未来の機械軍によって現代(1984年)に送り込まれた殺人マシンT‐800。その標的はサラ・コナー。未来世界では大半の人間が核戦争で命を落とし、生き残った人類はレジスタンスとなり、機械軍=スカイネットと戦い続けていた。スカイネットにとってレジスタンスの指導者ジョン・コナーは厄介な存在。そこでスカイネットは、ジョンの母サラを、ジョンが誕生する前に抹殺しようとする。一方、未来のジョンも黙ってはいない。母を守るためボディガードとして戦士カイル・リースを送り込む。「ターミネーター」のストーリーは、ざっとこんな感じだ。

画像: サラ・コナーを守る未来戦士カイル

サラ・コナーを守る未来戦士カイル

キャメロンはこの映画を640万ドルという、ハリウッドの相場としては低予算で撮り上げるのだが、これが製作費の12倍もの世界興収を上げる大ヒットとなった。本作が広く支持を得た理由は斬新なSF設定もさることながら、とにかく“怖い”という点にある。無表情でサラを追い、破壊されても執拗に迫ってくるT‐800は、演じるシュワルツェネッガーのいかつい存在感により血肉を得て、堂々たるホラー・キャラクターに成り得た。そして理由も分からず逃げ惑うサラと、彼女を必死に守ろうとするカイルに、観客は共感したのだ。

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