成田昌隆:
1963年名古屋市出身。大学卒業後、NECや日興証券で働き、米国赴任を経て、2004年には趣味を生かして全米模型コンテストで優秀を果たす。2008年に米VFX業界への転身を決意。専門学校で視覚効果の技術を学び直し、2010年に「エルム街の悪夢」での仕事ぶりが評価され、2013年に念願のILMに移籍。
宇宙船大集合シーンには総力を結集しました
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)からの新3部作と、その間のスピンオフ2作でCGモデラーを務めたのは、なんと日本人!ミレニアム・ファルコンなどを手掛ける成田昌隆さんは、高校1年生で『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977)を見て以来のSWファン。
好きが昂じて、大手証券会社の米国支社を辞めてILMに入社した人物。ILM社員約2,000人中で日本人は約10人、CGモデラーは成田さんだけだ。モデリングとは、コンセプトアート画を3次元の立体に作り上げること。
「僕は"コンピュータの中でプラモデルを作ってる”と説明してます。ただ、プラモデルと違うのは、部品も作らなくちゃならないこと。『EP7』を始めた時は箱がカラでしたが、どんどん部品が増えたので、よりディティールが表現しやすくなりました」『EP4』の宇宙船の模型に日本のプラモデルの部品が使われたことへのオマージュとして、スター・デストロイヤーには成田さんが大好きな日本の戦艦大和の艦橋にそっくりな部品も使われていたりするそう。今回の予告編にはものすごい数の宇宙船が登場するシーンがあるが、あのシーンは成田さんはじめチームの力作だ。
「あのシーンはもう総力を上げてやりました。『EP9』は基本的に『EP7~8』に出てきたものを使っているので、モデラーは6人ほどですが、目玉で新しく出てくるのが……あ、これは言っちゃいけない(笑)」昔から見てきて、今は参加している成田さんには変化したと感じる部分がある。
「『EP4~6』では出来なかったことが『EP7~9』では見せられるようになってます。例えば以前の宇宙船は模型ですから、表面が剥がれた機体の内側の機械まで詳細に描くことはできませんが、CGなら出来ます。あと、宇宙船の動きですよね。実際のカメラなら絶対できないカメラワークが出来る。そこは個人的には残念な気持ちもあるんですが(笑)、J・J・エイブラムス監督はそういう演出が好きなんですよね」
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
2019年12月20日(金)公開
原題:スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け/アメリカ/2019年/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:J・J・エイブラムス/出演:デイジー・リドリー、アダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー
©2019 ILM and Lucasfi lm Ltd. All Rights Reserved.